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2013年11月

日本大破局への一里塚、秘密保護法衆院通過

-「同じ事二度ある仕組」との日月神示預言がいよいよ現実に。「この世始まって二度とない」という日本大立替え(大破局)を最早誰も止めることは出来ないのか-

 秘密保護法についての『日刊ゲンダイ』の2つの記事を、私のコメントなしで以下に転載します。

                        *
秘密保護法が成立したこれから この国はもう民主主義ではない
 (『日刊ゲンダイ』11月27日)

「平成の治安維持法」といわれる特定秘密保護法がきのう(26日)、衆院を通過した。与党は40時間以上審議したと言っているが、みんなの党などと協議して、修正した法案の審議はたった2時間。国民はチンプンカンプンだ。しかも、その修正部分たるや、永遠に秘密にできる分野を定めるなど、「修正協議をすればするほど改悪されたもの」(野党議員)だ。

 こんな悪法があっさり通過してしまうなんて、日本の政治は絶望的だが、これでハッキリしたことがある。官僚支配が永遠に続き、そこに連なっている政、財との「鉄板トライアングル」も未来永劫、安泰になったということだ。

 日本の民主主義なんて、「形だけ」で、本当は官僚支配がずっと続いてきたのだが、そうしたいびつな構造が今後もずっと続くことになる。責任を取らずに先送りを続ける官僚支配が日本をメチャクチャにしたのは言うまでもないが、それがさらに強化されることになる。
 なぜなら、秘密保護法とは、官僚たちがテメエたちに都合が悪い情報を勝手に隠すためのツールだからだ。

◇小沢一郎が見抜いたデタラメ法案の本質

「この法案は、戦前の治安維持法よりもっとひどいなんていう見方もある。運用の仕方で基本的人権を非常に侵害する恐れがある。それも大問題だけれども、僕がもっと心配するのは、日本の政治・行政が政治家ではなく、官僚の手の中にあることです。この法案で、すべての権力が官僚の手に渡っちゃうんですよ。大臣が特定秘密を指定しますなんて言ったって、大臣ができるはずがない。みんな官僚が秘密指定リストを作ってきて、大臣はそれにはんこを押すだけです。役人だから不見識だというわけじゃないけれども、彼らはどうしても官僚組織、官僚機構の利害を優先する。そういうレベルでもって次々と特定秘密の指定がなされ、それにちょっとでも何かしようとすると、もう罰せられる。非常に危険性の高い法律になり、下手すると、日本社会を変質させてしまうほどのものだと、僕は思う。日本は、今でも民主主義国家じゃないけれども、ますます、官僚支配の全体主義国家になっちゃう。そこが一番、怖いところです」

 これは誰あろう、生活の党の小沢一郎代表がつい最近、ニコニコ動画で語ったことだ。官僚支配の打破、政官財癒着の解消、真の議院内閣制の確立に政治生命をかけてきた小沢にはなるほど、コトの本質がよく見えるのだろう。

◇霞が関は腐敗堕落し機能停止になっていく

 特定秘密保護法における秘密の指定は、小沢が言うように実質的に役人が決める。
 自分たちに不都合な真実は秘密指定してしまえば済む。指定が適当か否かをチェックする第三者機関は付則で「設置を検討」だから、いい加減な運用はいくらでも可能だ。

 秘密指定した秘密は国民にはもちろん、国会議員にも秘密だから、官僚はやりたい放題のデタラメができる。まさしく、今以上の官僚天国の完成だ。

「特定秘密保護法の弊害は、官僚が不都合な情報を隠すだけじゃありませんよ。それを見て、義憤に駆られた官僚が不正を暴こうとしたら捕まってしまうのです。その秘密に近づこうとしても罰せられる可能性があるわけだから、みんなが見て見ぬふりになりますよ。内部告発が封じ込められ、チェック&バランスが利かなくなれば、権力はあっという間に腐敗する。官僚全体が萎縮し、人事は滞り、霞が関は機能不全に陥ると思います」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)

 2007年に発覚した防衛省汚職事件は、防衛装備品を納入していた山田洋行の分裂が発端だった。守屋武昌・防衛事務次官に対する200回以上のゴルフ接待などが暴露され、贈収賄事件に発展した。しかし、秘密保護法が成立してしまえば、こうした接待内容も安全保障上の特定秘密にされてしまう恐れがある。接待の中身、回数、見返りなどが明るみに出ようはずもなく、出れば、告発者が捕まってしまう。

◇“お上”のお気に入りだけにおすそ分け

 そうなりゃ、ただでさえ、業者とズブズブの防衛省なんて何でもできる。重厚長大産業とタックを組んで、贈収賄が当たり前の世界になってしまう。これまでもボロ儲けしてきた政官財のトライアングルがますます、大手を振り、税金を食い物にし、自分たちの利益のために狂奔することになるのだが、ついでに言うと、今度の法案は、官僚と癒着する業者を「適性調査」して、秘密を漏らさない人間かどうかをチェックする項目も入っている。業者本人だけではなく、配偶者、子、父母、兄弟姉妹まで犯罪・懲戒歴、精神疾患、飲酒、借金などを調べ上げるのだ。

 こんなことをやられたら、一族郎党の個人情報は丸ごと、お上に握られてしまう。暗黒の監視社会になるのだが、裏を返せば、「身元、家柄がしっかりしたエスタブリッシュメントにしか利益は山分けしませんよ」ということだ。親兄弟が怪しげな人間は採用段階ではねられ、どんなに優秀でも企業は受け付けなくなるだろう。そんな人間を取ったところで、商売の邪魔になるからだ。日本は階級社会に逆戻りするんじゃないか。

 かくて、自分の親戚は絶対に特定秘密を扱う業者になれなくなった守屋武昌氏(有罪が確定)は朝日新聞で「国民にもっと外交や防衛についての情報を開示し、国民が監視できる施策が必要です」と語り、やんわり、秘密保護法に反対の意思表示をした。これは痛烈な皮肉である。

 いずれにしても、こうして見ていくと、この法案の隠れた真相が浮かび上がってくる。支配層の地位や権力をより強固にするための法律ではないか。安倍晋三は出自から見ても支配層に位置し、いまや、その世界の利益のためだけに仕事をしている。だからこそ、アタマや体が弱くても地位は安泰なわけで、逆にそうした支配体制を崩そうとした小沢一郎は、検察の執拗な攻撃によって政治的に潰された。これらは決して偶然ではないだろう。

◇それでもノーテンキに享楽にふける国民

 支配層の親玉は米国で、今度の秘密保護法も一義的には米国のための法律だ。その米国の下に、日本の官僚機構があり、そこに政治家と業者が連なる。こんな構図だ。
 となると、こんな法案を成立させたが最後、庶民は永久に官僚支配の奴隷になる運命だ。国民の知る権利は迫害され、文句も言えず、支配層だけが儲けを山分けする世界。1%の富者がますます富み、国民の大半は政治的にも経済的にも虐げられる社会である。

「それなのに、今の日本人は危険法案に対して、あまりにも鈍い。16世紀フランスの人文学者、エティエンヌ・ド・ラ・ボエシーが書いた『自発的隷属論』を思い出しました。大衆には自発的に権力に隷従しようという意識がある。これが独裁に結びつくという警鐘ですが、今の日本が置かれた状況はまさしく、これだと思います」(政治評論家・森田実氏)

 多くの人がスポーツやお笑い番組、ゆるキャラ、グルメなどにバカ騒ぎする一方で、きのうの国会前では「秘密法案 採決反対!」の悲痛なシュプレヒコールが夜まで響き渡った。しかし、こうしたマトモな運動を異端視する世間の目=自発的隷属が恐ろしい。官僚はシメシメと舌を出している。 (転載終り)

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政権による社会的抹殺を助長する特定秘密保護法  (高橋乗宣コラム)

都合が悪ければ口封じ

参院選の争点にもならなかった特定秘密保護法案が、ロクな審議もされないまま成立しそうだ。
この間、多くの国民はアベノミクスの打ち上げ花火に目を奪われていた。
改憲をめぐり、「知らないうちに変わっていたナチスの手法を見習えばいい」と強調したのは麻生副総理。
国民に騒がれないよう静かに進めればいいとの主張だったが、
この法案をめぐる動きを見ていると、ナチスのやり方を実践しているようだ。

メディアでは、「国民の知る権利が損なわれる」といった警戒感が目立つ。
それも確かだろう。
法案には、「その他」という表現が36回も出てくるそうだ。
合法的に隠される秘密は無限に広がる恐れが強い。
「テロに狙われている」と規定すれば、福島原発の情報も「特定秘密」になる。
「高濃度の放射性物質が漏れている」と公表すれば、懲役を食らうわけだ。
知る権利など、お題目に過ぎなくなる。

それよりも恐いのは、政府に都合の悪い意見を言う人たちが、社会的に抹殺される恐れがあることだ。

10年以上前、ある経済の専門家が突然メディアに出なくなった。
犯罪を犯したわけでもなければ、自ら引退を決めたわけでもない。
活躍の場を与えられなくなったのだ。
通信社や商工会議所が主催する講演にもお呼びがかからなくなった。
その結果、表舞台からパッタリと消えたのである。

その人物は、政権を批判するスタンスを取っていた。
どうやらそれが、ときの政権にとって都合が悪いとなったらしい。

なんでも陰謀で片づけようとするのは好きではないが、
知り合いの役人によると、日本には政権批判する勢力をパージする仕組みがあるという。
歯に衣着せぬ物言いが目障りになり、活躍の場を奪われた可能性が高いようだ。

こうした下地がある中で、特定秘密保護法が施行されればどうなるか。
特定秘密によって、勝手に「テロに関わっている」と判断されれば、家族や友人まで監視される。
最終的に地位を失うこともあるだろう。
それによって不利益を被ったとしても、名誉を回復する方法はない。
裁判を起こしたところで、政府が何をやったかは秘密にされるのだ。
60年後に、そうした事実が明らかになったところで、失われた時間を取り戻すことができるわけではない。

このままでは、
自らの考えに基づいて表現したり主張したりして生きていくという民主主義の原点が失われるだろう。 (転載終り)

関連記事
『同じ事二度ある仕組?』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-275c.html
『亡国過程にある国は三等星リーダーしか持てない』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-459c.html

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成り上り者の猪瀬都知事、墮ちるのも早かった?

-みのもんた、徳洲会、猪瀬都知事。みな原発再稼動、TPPなどに反対であり、またぞろ官報複合体の思惑がありそうだ。ではあっても猪瀬の場合はレッキとした犯罪だ-

 東京オリンピック開催決定以降、とみに気色悪さが増していた猪瀬直樹東京都知事でしたが、徳洲会から5000万円をせびり取っていた件が発覚し、今や絶体絶命、都知事辞任は最早時間の問題、本人の逮捕さえあり得る情勢です。

 信州大学の全共闘委員長崩れで東京に出て来た猪瀬直樹は、異常なほど上昇志向の強い男だったようです。20余年前、田原総一朗司会の名物深夜番組『朝まで生テレビ』(テレビ朝日)で名を売り、同じ頃出世作『ミカドの肖像』が評判となりました。その当時からマスコミへ過剰なほど露骨な売り込みをしていたといいます。

 その甲斐あって、当時は一部ジャーナリズムから「現代の碩学(せきがく)」などともてはやされました。猪瀬程度が碩学とは、現代の碩学は品も質も落ちたものです。がしかし、世間様が切角そう持ち上げてくれるのだから、その座に安住し続ければよかったものを。

 それに満足せず政治の世界に色気を見せ、ついに何千万都民に対して強大な権力を振るえる東京都知事にまで昇りつめたわけです。それも「いくら何でも猪瀬ごときが433万票なんてありえねぇだろ」と疑惑の目を向けられる、同日の衆院選とセットでの不正臭プンプンの史上最高得票数でです。それに加えて今回の裏金発覚ですから。
 自業自得とは言え、猪瀬直樹は信用丸潰れ、故郷の長野にも帰れないのではないのでしょうか。 (大場光太郎・記)


猪瀬知事がどう弁解してもこれは脱法行為だ こんな男が都知事でいいのか  (11月25日『日刊ゲンダイ』) 

「人は見た目が9割」――とはよく言ったものだ。その立ち居振る舞い、言動から、どうにも鼻持ちならない下品なヤツだと思われていた猪瀬直樹知事(67)は、やっぱり、その通り汚れた男だった。

 医療法人「徳洲会」から5000万円ものカネを受け取っていた金銭スキャンダルは、もはや釈明の余地なしだ。

 猪瀬知事は、5000万円を「先方から申し出があったので、断るのも失礼だから、とりあえず預かった」などと釈明しているが、実際には猪瀬サイドが「1億円を用立てて欲しい」と、積極的に働きかけていた疑いが浮上している。
「徳洲会」創設者の徳田虎雄(75)と、次男の徳田毅衆院議員(42)は、「1億円」について電話でやりとりしていたという。

毅「都知事選の応援について、猪瀬氏は1億円を先に欲しい、残ったら返すということです」
虎雄「とりあえず5000万円だ。先方に取りに来させろ」
毅「議員会館でやりましょうか」
虎雄「足がつかないようにしろ」

 猪瀬知事 毅の声はスピーカーを通じて、虎雄がいた執務室に響き渡り、同席していた虎雄の秘書、看護師、面会に訪れていた銀行関係者も聞いていたという。猪瀬本人が「1億円」を要求したのかどうかは不明だ。しかし、要求した可能性は捨てきれない。電話のやりとりは昨年の11月19日に行われ、電話の内容通り、猪瀬知事は翌20日、毅議員から5000万円を議員会館で受け取っているからだ。

 疑惑の5000万円について、猪瀬知事は「選挙のためではなく個人的な借り入れだった」と強弁しているが、選挙の直前に受け取っているのだから、誰が考えたって、都知事選のための「裏ガネ」だったと見るのが自然のことだ。

 猪瀬本人が徳田虎雄に会ったのは、都知事選の告示直前だった昨年11月6日のこと。初対面だった。「都知事選に出ます」と挨拶し、徳田虎雄は「頑張ってください。応援します」と応じている。応援イコール5000万円の資金提供だったのではないか。猪瀬自身も、一度は「資金提供という形で応援してもらうことになった」と認めている。

 いつもポケットに片手を突っ込みながら記者会見し、エラソーに記者を怒鳴りまくる猪瀬知事の正体が、いよいよ明らかになってきた。

◇5000万円を徹底的に隠そうとした理由

 どう釈明しようが「徳洲会」からの5000万円は、脱法行為そのものだ。
そもそも「個人的な借り入れだった」などと弁明しているが、返すつもりなどなかったに違いない。
 昨年11月に受け取り、10カ月間も放置しながら、今年9月、東京地検が「徳洲会」を強制捜査した直後、慌てて返却している。東京地検の捜査がなかったら、そのまま懐に入れていたのは、明らかだろう。

 法大教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

「猪瀬知事は、よほど5000万円を表に出したくなかったのでしょう。もし、選挙資金として使ったのなら、借入金でも『選挙運動費用収支報告書』に記載しなければならないが、どこにも記載がない。政治団体が活動するための借入金だった場合は『政治資金収支報告書』に記入する必要があるが、それもない。知事が主張している個人の借り入れなら『資産公開』に記載しなくてはならないが、その記載もなかった。政治資金規正法の法の精神は、透明性の確保です。なのに、猪瀬知事は徹底的に隠そうとしている。脱法行為なのは明らかです。表に出せないカネだったと疑われても仕方ないでしょう」

「選挙運動費用収支報告書」に虚偽の記載をした場合は“公選法違反”、「政治資金収支報告書」に虚偽記載した場合は“政治資金規正法違反”に問われる。

 怪しいのは、「徳洲会」から5000万円を受け取った同じ時期、不動産連盟など16の政治団体から寄付された約2000万円は「政治資金収支報告書」に記載しているのに、「徳洲会」からの5000万円だけは記載していないことだ。よほど隠したい事情があったに違いないのだ。

「猪瀬さんと徳田虎雄さんは、初対面だった。なのに、なぜ無担保、無利子で5000万円ものカネを渡したのか。 徳洲会は、東京都内に病院と介護施設を1つずつ持っている。許認可権を握っているのは、東京都です。当時、すでに副知事で都知事候補だった猪瀬さんに、なにか頼みごとをしたのかどうか。もし、請託があったのなら、贈収賄に問われる可能性があります」(都政関係者)

 貧乏のドン底から這い上がった猪瀬知事は、カネへの執着が強いという。5000万円の真相は何なのか。都議会と国会は徹底的に追及するべきだ。

◇時々の権力者に取り入り、のし上がってきた成り上がり

 猪瀬のような薄汚い男に、これ以上、都知事をやらせてはいけない。即刻、辞任させないとダメだ。そもそも、総選挙と同時に行われたドサクサの都知事選だったにせよ、どうして都民はこれほど下劣な男を首都の顔に選んでしまったのか。

 見れば分かるように、猪瀬知事はコンプレックスの塊のような男だ。本人のプロフィールによると、信州大の学生時代、全共闘運動の闘士だったそうだ。大学卒業後、夫人と駆け落ち同然で上京し、その後は極貧生活を送っていたという。
 しかし、いつの間にか小泉純一郎や石原慎太郎に取り入り、副知事になってからは、税金を使って夫人同伴で海外を豪遊するなど、典型的な成り上がりである。

「劣等感の裏返しなのか、猪瀬知事の上昇志向は相当なものです。その時々の実力者に食い込んでのし上がってきた。権力者の欲しいものは、ゴマスリです。自分のために体を張り、時には風よけになって働く者を権力者は欲しがる。猪瀬知事は小泉首相の用心棒になり、石原知事のタイコ持ちとなって、都知事まで上りつめた。こういうタイプ゚は、権力に就くと危ない。この時代に、紙袋に入った5000万円の現ナマを議員会館で受け取るなんて、常軌を逸しています。かつて政界が汚職にまみれていた時代を彷彿させますよ」(政治評論家・森田実氏)

 オリンピックは「フェア精神」が売り物のはずだ。なのに「裏ガネ」を受け取っていた男が2020年東京五輪のトップに立つなんて、オリンピックを冒涜しているというものだ。猪瀬知事は、日本人は年末年始をはさむとスキャンダルも忘れてしまうと、居座るつもりらしい。しかし、このままのさばらせていたら、日本は世界中から軽蔑されてしまう。絶対に居座りを許してはダメだ。 (転載終り)

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フォレスタの「ともしび」

「フォレスタ ともしびHD」YouTube動画
(「ともしび」は2:00分から)

 

   

                             
  マッチ擦るつかの間海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや
                            (寺山 修司)

  夜霧の彼方へ 別れを告げ

 夜霧は、紫陽花にそぼ降る梅雨、(当地では滅多に降らない)雪の夜道などとともに、普段見慣れた街並みを常ならぬ叙情的なよそおいに変えてしまう気象現象の一つです。
 俳句で「霧」は秋の季語ですが、地表面の温度と大気中の温度との差が微妙に釣り合わないと発生しないらしく、当地で今秋はあまり見られませんでした。ところが暦の上の立冬の今月7日、見事な夜霧となりました。

 ・・夜霧の彼方のビルの街では、幻想的でミステリアスなドラマが次々に生まれていそうな気配。四囲から霧が押し寄せるとある公園。ほの暗い街灯に浮かび上った広い園内を深い静寂(しじま)が領している。大きな木立は早や落葉を急ぎ、地面に紅や黄色の朽葉が散り敷いている。それを踏み鳴らして歩いていると、向こうから来た人とすれ違った。その人はその人なりの物語性を帯びて霧の中からふいに現われ、私が今しがた来た霧の中へと消えて行くのだ。

 夜霧は、我が国でも、ディック・ミネの『夜霧のブルース』、フランク永井の『夜霧の第二国道』、石原裕次郎の『夜霧よ今夜も有難う』など戦後歌謠曲の中で好んで歌われてきました。世界的な夜霧の名曲となると、『夜霧のしのび逢い』そしてこの『ともしび』となるのでしょう。

  雄々しきますらお いでてゆく

 「雄々しきますらお」が赴く戦いとは、第二次世界大戦です。同世界大戦をロシアでは「大祖国戦争」と呼んでいます。映画『レニングラード』で息づまる迫真の攻防戦が描かれていましたが、その名のとおりソビエト連邦(当時)にあっては、ナチスドイツの侵攻を阻止すべく祖国防衞のために全国から若い兵士が続々と戦線に馳り出されたのです。

  窓辺にまたたく ともしびに

 だから『ともしび』は、戦地に赴く若者とその恋人の離別、故鄕に残った少女と前線で戦っている若者との、遙か隔たっても変わらぬ愛の心をテーマとしています。
 ミハイル・イサコフスキーが同大戦の最中の1942年に詩を発表しました。発表と同時にロシアの大衆の心をとらえ、広く□ずさまれ、自然発生的にメロディがつけられるようになりました。

 上に見たように、この詩に描かれたような別れの場面は当時のロシアのどこでも見られたものであり、それゆえロシア民衆の共感を呼んだのです。

  尽きせぬ乙女の 愛の影

 こうしてイサコフスキーの詩にはいくつものメロディがつけられましたが、いつしか淘汰されてゆき唯一残ったのが、今日私たちが知っている『ともしび』なのです。この曲の作曲者は不明です。古いロシア民謡のメロディを借用したという説もありますが、詳細は分っていません。
 
 本項のまとめとして、『昭和30年代前半は「夜霧の時代」?』(2010年11月記事)におけるこの歌(1番)の感想を転載します。

 祖国のために前線に赴こうとする若き兵士。それをそっと夜の窓辺で見送る乙女。そこに置かれたともしび。この別れが二人にとって、今生の別れになるのかもしれない。か細くまたたくともしびは、そんな際どい二人の別れの象徴のようです。
 おそらく「愛」がこれほど高まるシチュエーションは他にないことでしょう。見送る乙女にとって、夜霧の彼方に遠ざかっていく恋人の後ろ姿は、逆に身の丈がどんどん大きくなって感じられたのではないでしょうか。

                        *
 日本では、昭和20年代後半から30年代前半にかけて、ロシア民謡を中心とした「うたごえ運動」がさかんで、中でも『ともしび』は広く歌われました。新宿ではズバリこのタイトルを冠した歌声喫茶「ともしび」(1955年開店)があり、うたごえ運動のシンボリックな存在として親しまれました。
 今では信じられないことながら、60年安保闘争(1960年)前後頃までは、国の将来を真剣に考える学生の多くがマルクス思想、共産主義思想を学んでいたのです。そのことが、当時ロシア民謡が広く歌われる上での土壌となったものと思われます。

 なお歌声喫茶は最盛期には全国に100店ほどありましたが、昭和40年代半ば以降の70年代全共闘闘争の挫折とともにブームは急速に蓑退、その後の10年ほどでほとんどの店が閉店していきました。
 そんな中新宿の「ともしび」はしぶとく生き残り、現在に至っています。また近年は、往時を懐しむオールドファンの要請に応えて、北は札幌市から南は沖縄県読谷村まで80店余の歌声喫茶が復活しています。

 全国に『ともしび』が広まるきっかけとなったのは、1958年(昭和33年)の第9回NHK紅白歌合戦でダークダックスがこの歌を歌ったことによってです。
 その伝播力がどれほどのものだったか、卑近な例で示しますとー。翌年間もない冬の頃、山形県内陸部の片田舎町の小学3年生だった私がこの歌を歌えるようになっていました。近所の中学生の人が私ら年少者に詞と曲を教えてくれたのです。この人はまた、『カチューシャ』(注 この歌もミハイル・イサコフスキーの作詞)も一緒に教えてくれました。

 『ともしび』の日本語訳詞は、楽団カチューシャによるものです。イサコフスキーの原詩にほぽ忠実でありながら、詩的香気の高い名訳詞だと思われます。

                      *
 この『ともしび』を、男声フォレスタが歌ってくれています。今井俊輔さん、大野隆さん、川村章仁さん(以上低音パート)、榛葉樹人さん、橫山慎吾さん、澤田薫さん(以上高音パート)の6人による男声フォレスタフルメンバーによるコーラスです。

 荘重、勇壮、悲調。非の打ちどころのない素晴しい『フォレスの「ともしび」』です。
 はっきり言ってダークダックスによる元祖『ともしび』を超えており、これ以上の『ともしび』など考えられません。ダークダックス、デュークエイセス、ボニージャックスなど先輩コーラスの方々も、自分たちの後を継いで余りある男声フォレスタの登場を誰よりも喜んでおられるのではないでしょうか。

 高音主メロディ、低音バックコーラス(後半入れ替わる)の1番、4番だけでも、十分聴くに値します。でも何といっても圧巻なのは、2番、3番の今井さんの独唱です。声量豊かで伸びのある『今井俊輔の「ともしび」』です。

 ところで今井さん、当ブログ「検索フレーズランキング」から推察するに、今年の男声フォレスタ人気ナンバーワンと言ってよさそそうです(昨年の1番人気はたしか榛葉樹人さん)。
 何と言っても今井さんの今年最大のトピックスは、二期会公演・ヴェルディ作品『マクベス』で主役のマクべス王を張り、大成功を収めたことでしょう。フォレスタの枠を超えて、「声楽家今井俊輔、さらなる高みへステージアップ!」、そんな感じですね。

 ここで切角ですから、(私もよく知らなかった)今井さんの華麗なブロフィールをご紹介します。(ここ重要ですよ。フォレスタ検定に出ますからね・笑)

今井 俊輔(いまい しゅんすけ) バリトン
東京芸大声楽科首席卒業。同大学院修了。第19回松田トシ賞、アカンサス賞、同声会賞を受賞。同声会新人演奏会、読売新人演奏会出演。また、卒業時の成績により皇居内の桃華楽堂にて御前演奏を行う。日伊声楽コンコルソ2位受賞、記念演奏会出演。近年の出演オペラ作品として『マクベス』タイトルロール、『カルメン』エスカミーリョ。他に『ジャンニ・スキッキ』タイトルロール、『イル・トロヴァトーレ』ルーナ伯爵、『道化師』トニオ、『ラ・ボエーム』マルチェッロなど。
二期会会員
  (東京二期会サイト『オペラを楽しむ』より)

 コーラス&今井さんソロにぴったり寄り添いながら、いささかの乱れも見せないピアノ演奏も見事です。男声メンバーの若かりし頃の収録のようですから、奏者は南雲彩さんでしょうか?特に2番、3番の今井さん独唱パートのトレモロ演奏はしびれます。

 今井さん独唱、他の男声コーラス、ピアノ演奏。どれを取っても、男声フォレスタの最高作品ではないか?私はそう思います。

 (大場光太郎・記)


関連動画
『フォレスタ 夜霧よ今夜も有難うHD』
http://www.youtube.com/watch?v=wWKYuicHD5c
関連サイト
『東京二期会-オペラを楽しむ』(今井俊輔さんのインタビューあり)
http://www.nikikai.net/enjoy/vol293_02.html
歌声喫茶「ともしび」のサイト
http://www.tomoshibi.co.jp/
関連記事
『フォレスタの「夜霧のブルース」』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-91c9-1.html
『昭和30年代前半は「夜霧の時代」?』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-cc59.html
『身捨つるほどの祖国はありや』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-5a80.html

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ケネディ新大使で日米関係は激変する!?

-戦争屋安倍を首相の座から引きずり下すくらいのパワーを発揮してほしい-

 まず最初に、諸般の事情により最近記事更新がとどこおり、かつ更新したかと思えば自前で考えて作成したものではない他からの転載物が多くなり、申し訳なく存じます。しかし転載した記事の内容は私が共感したものであり、思うように記事更新できない私の考えの代弁でありますことをご了承いただきたいと存じます。

 さてキャロライン・ケネディ駐日米大使が着任して大きな話題になっています。偉大な父ジョン・F・ケネディ元大統領が暗殺されて、奇しくも今年で満50年だそうです。その時兄とともに泣いていた5歳のいたいけない少女が、兄亡き後(飛行機事故)ケネディ元大統領のただひとりの忘れ形見、というより今やアメリカきってのトップレディとは。そして節目の年に女性初の駐日米大使に着任とは。感慨深いものがあります。

 ケネディ元大統領の時代こそが、「パックス・アメリカーナ」(永遠のアメリカ)の輝きの頂点だったように思われます。事実、当時のアメリカには世界中の国々を惹きつける魁力がありました。しかしケネディ暗殺がすべてのケチのつけはじめ。ベトナム戦争で威信は搖らぎ、9・11に至っては自国の象徴の一つのWTCビルにテメエたち自身がテロを仕掛け、同盟国日本に3・11&福島原発テロを仕掛けるなどの大犯罪国家に成り下ってしまっては何をか言わんや。

 「この国はあまりに罪を重ねすぎた」。これは米国の著名人の言葉です。尨大なカルマからして、アメリカの没落は必定のはずですが、ケネディ元大統領のDNAを受け継ぐキャロライン・ケネディがそれをストップし父の時代の輝きを取り戻すことができるのかどうなのか。
 政治経験のない彼女ですが、まずは駐日米大使として本来あるべき日米関係の再構築にご尽力いただき、力を蓄えて次の大統領選では(戦争屋の回し者の)ヒラリー・クリントンの民主党内対立候補として立つようだと面白いのですが・・・。

 以下に、阿修羅掲示板投稿記事&同コメントの一つを転載します。 (大場光太郎・記)

ケネディ新大使で日米関係は激変する 識者が見る新時代の到来 (日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/478.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 18 日


 キャロライン・ケネディ駐日米大使(55)が着任した。ケネディ元大統領の長女で、オバマ米大統領の盟友である。知名度と発信力は世界レベル。安倍右翼政権を打ち砕くパワーも秘めている。

 キャロラインは弁護士の出身だ。上院議員を目指したことはあるが、政治や外交の実務経験はない。それでも彼女は日米関係を激変させるキーパーソンとなりそうだ。
 
「メディアの論調を見ても分かるように、日本中がケネディ大使を歓迎しています。ケネディ家の看板は強力で、日本人も親しみやすい。たとえ彼女が日本に厳しい発言をすることがあっても、反発する国民は少ないでしょう。だからオバマ政権も彼女を日本に向かわせた。右傾化、軍国化を進める安倍政権を牽制する狙いです」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)

 これまでの日米関係は「ジャパンハンドラー」と呼ばれる共和党系の勢力が重要な役割を果たしてきた。「知日派」や「親日派」の皮をかぶりながら、日本を飼い慣らそうとする面々だ。

 彼らは安倍軍国化政権と馬が合う。「ショー・ザ・フラッグ」「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と日本を戦地に引きずり込んできたのだから当たり前である。

 キャロラインは違う。バリバリのリベラル左派で、イラク戦争にも最初から反対していた。訪米中に「右翼と呼びたければ呼べ」と居直った安倍とは、真逆のスタンスである。

 同じ政治家一家の生まれでも、格が違えば中身まで全然違うのだ。

 菅官房長官は「日米関係をさらに発展させる上で素晴らしい大使だ」と持ち上げていたが、内心はひやひやではないのか。相いれない思想信条を持ち、日米の国民に力強く発信できるキャロラインの存在は、安倍政権の脅威となるはずだ。

 もともとオバマは安倍と距離を置いている。2月にワシントンで開かれた首脳会談は、「出迎え」「晩餐会」「共同会見」がない“3ない会談”。明らかな冷遇だ。元外務省国際情報局長の孫崎享氏が言う。

「民主主義を破壊させる政治家だと見ているからです。大統領だけではありません。米国では、安倍氏は危ない発想の持ち主であるというのが当然の見方。外国特派員協会が安倍政権に対し、特定秘密保護法案の全面廃止か大幅修正という異例の要求を出したのも、米国の雰囲気を浮き彫りにしています。ケネディ大使は今後、そんな米国のメッセージを伝えようとするでしょう」 日本サイドにも彼女に呼応するリベラル勢力が生まれれば、一部の戦争屋や安保マフィアによって日米関係が牛耳られていた時代は終わる。

「ケネディ大使は日本向けのビデオメッセージで、20歳のときに広島を訪れて平和な世界を実現したいと願うようになった、と語りかけています。恐らく大使としても広島に行くつもりでしょう。核廃絶を訴えるオバマ大統領の訪問も視野に入れているかもしれない。軍備増強に突き進もうとしている安倍政権は頭を抱えるでしょうね」(孫崎享氏)

 日米新時代の到来に期待したい。


(上の記事への一コメント)

33. 2013年11月19日 21:25:39 : 6Iy5zNmMfM

               「真の日米関係前進のために、共に尽力しよう」

Caroline Bouvier Kennedyさん、ようこそ日本へ
  日米関係の改善に力を貸して下さい、今日米関係は大変なことになっています。多くの日本人はアメリカを信用しなくなっています。真の日米関係を阻害する一部のアメリカ人が、日米の両国民の間に割って入り、関係を壊しているからです。ジャパン・ハンドラーズとか呼ばれる産軍複合体系統・諜報系統のグループだが、日本を彼らの戦争の尖兵に仕立てるべく、尖閣を煽り、対中危機を唆し、最近の総選挙では彼らが本国で培ってきた不正選挙を日本に持ち込み、日本の政治を捻じ曲げているからです。今の安倍政権は、正当に日本国民に支持された、合法政権ではありません。途上国によく見られる傀儡政権です。安倍一派は、米産軍複合体が企図する戦争に尖兵として参加すべく、条件整備を進めています。米軍の軍事機密法に合わせて、特定秘密法案なるものを今日明日にも、議会成立させようとしています。最後は憲法改悪し、9条を抹殺し、国防軍とかによる戦争国家に改変する事を企んでいます。一部のアメリカ人と安倍が結託し、日本をもと来た軍事国家・戦争国家に引き込むことを夢想しています。
  しかし、日本国民は決して彼らの野望を許しません。国民には、それだけの力があります。日本国民は、ジャパン・ハンドラーズや安倍ニセ自公政権を打倒して、「国民の、国民による、国民のための」政権を遠からず樹立します。そのために、キャロラインさんの力を貸して下さい。日米関係を顧みれば、現状は部分的にだが、昭和1ケタ台オーバーラップします。日本軍部の侵略戦争政策、それを批判するアメリカを筆頭とする各国の動き、場面設定はかなり違うが、戦争や平和の問題が日米関係の底にあった点では、似ている。その中で奮闘したアメリカ人や日本人が少なからずいた。例えば、ラテモアであり、日本人では新渡戸稲造だろう。彼らは、太平洋を取り巻く国々が、日貨排斥・黄禍論とかギクシャクする状況の中で、相互理解・文化交流の促進めざし、現代でいえばNGOである平洋問題調査会を組織し、様々な問題について交流し研究を行った。国際会議(太平洋会議)を1925~33の戦前だけで、5回も開催した。若い頃からbecome a bridge across the pacific たることを志し、日米両国で活躍した新渡戸は、第五回バンフ大会に日本団々長として参加したが、日本軍部の跳梁跋扈により日米関係が壊れていくことは、言葉にならない思いだったろう。
  新渡戸は日本と同様に、アメリカとアメリカ国民を愛したが、新渡戸は回心したのは、クウェーカーの集会にいったときだったという。みすぼらしい服装の婦人たちが、熱心に活動していた。皆貧しいわけでない、上流家庭・富豪の婦人たちであったが、その生き方が新渡戸の心を動かした。こんなアメリカを、日本人も大好きだ。新渡戸が戦争で完遂できなかったbecome a bridge across the pacific の思いを、キャロラインさんが引き継ぐことに、異論の者はいない。勿論我々日本国民も努力する。JFKは自助自立の上杉鷹山が好きだったようだが、新渡戸の生き方もよい。真の日米関係前進のために、共に尽力しよう。 (転載終り)

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山本太郎議員バッシングの裏で、報じられない安倍政権の暴走

 山本太郎参議院議員の行動に関する、興味深い阿修羅掲示板投稿記事を以下に転載します。かなりの長文なので私のコメントは省きます。安倍政権&メディアの暴走について重大な問題を指摘していると思われますので、どうぞ根気よく最後までお読みください。

                        *
【緊急掲載】山本太郎議員バッシングの裏で、報じられない安倍政権の暴走(IWJウィークリー25号 岩上安身の「ニュースのトリセツ」より)
http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/402.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 16 日

 10月31日、秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参議院議員の行動が、大きな波紋を呼んでいます。この行動が「速報」で報じられると、政界、マスコミ、ネット、ありとあらゆる媒体で、猛烈な批判が巻き起こりました。11月8日には、参院議院運営委員会の理事会で、厳重注意と任期中の皇室行事への出席禁止処分が決まりました。

 しかしこの「お沙汰」が下ってからも、「騒動」は収まる気配を見せていません。ネット上ではこの処分に対し、「曖昧だ」などと批判的な声が噴出しました。また、10日に山本議員が静岡福祉大学で予定していた講演会が、「警備上の理由」から中止になり、それを読売新聞が大きく報じるなど、メディアの「注目」は今後も続きそうな気配です。

・山本太郎氏と原発考える講演会中止…会場使えず(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131108-OYT1T01341.htm

 しかし、批判の中には、その妥当性が疑われるものが少なくありません。園遊会のマナーを知らない、品位を欠く「ルール違反」だった、という点については、山本議員も折にふれて認め、「陛下に対して失礼だった」と反省の弁を述べています。

 しかし、「憲法違反」「売名行為」「天皇の政治利用」「不敬罪」「請願法違反」「議員辞職にあたる行為」などという批判は、果たして妥当なものなのでしょうか? 山本議員の肩をもつつもりではありませんが、与党政治家の口から勢いよく飛び出すこの手の批判を報じる時に、マスコミは検証が不十分であるように思います。

 下村博文文部科学大臣は11月1日の定例会見で、「議員辞職に当たる行為だと思う。まさに政治利用そのものであり、看過することがあってはならない」と山本議員を強く批判しました。自民党の石破茂幹事長も11月2日に行われた講演で「報道で取り上げられることで、自身の存在感を大きくしようと思ったのではないか。それは天皇、皇室の政治利用だ」と述べ、山本議員に対する議員辞職勧告決議案の提出が必要だとの認識を示しました。

 果たして、山本議員の行動は「天皇の政治利用」であり、そしてそれは「議員辞職に値する行為」なのでしょうか?

■山本議員への批判がブーメランとなって返ってくる安倍政権

 これまで、時の政権が天皇の「公的行為」を政治的に利用しようとした事例は数多く存在します。

 直近で言えば今年4月、安倍政権主催の「主権回復の日」式典に、政府の強い求めで天皇・皇后両陛下が出席しました。退出の際に、会場から「天皇陛下万歳」の声があがり、壇上の安倍晋三総理や麻生太郎副総理も万歳を三唱する一幕があったのです。これは、事前に決められていた式次第には含まれていなかったものであり、菅義偉官房長官は4月30日の記者会見で、「自然発生したもので、政府として論評するべきではない」などと釈明しました。

 また今年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会には、下村博文文部科学相から宮内庁側に対して強い働きかけを行い、皇族の高円宮妃殿下が出席し、スピーチしました。当初、宮内庁と文科省は「高円宮妃殿下の現地でのご活動はIOC委員との懇談などに限る」として決着していたが、下村文科相が高円宮妃殿下の出席を渋る風岡典之宮内庁長官に直談判し、押し切ったのです。

※久子さまIOC総会ご出席の舞台裏 官邸の意向、渋る宮内庁押し切る(msn産経、9月29日)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130929/imp13092900390000-n2.htm

 これらも「天皇や皇族の政治利用ではないか」との批判が起きましたが、国会では現在に至るまで、具体的な「処分」は検討されていません。前述の通り、下村文科相は今回の一件で「山本議員は議員辞職すべきだ」と最も厳しい批判を口にしていましたが、IOC総会の件では自身も「皇族の政治利用ではないか」との批判を浴びたことを忘れているようです。

 今回の山本氏の行為が「天皇の政治利用にあたる」として処分の対象になるとすれば、下村文科相の宮内庁に対する「直談判」も問題にされなくては、公正ではありません。下村文科相の発言は、ブーメランとなってご本人の元に戻ってきたわけです。

■的はずれな批判

 山本議員の行動が「憲法違反」という批判もありましたが、これは正しいのでしょうか。

 11月1日、自民党の脇雅史参院幹事長は党役員連絡会で、「憲法違反は明確だ」と、山本議員を強く批判しました。

 憲法をひもといてみましょう。

 日本国憲法第16条は、国民が政治意思を国政の場において実現させるべく、広く国や地方自治体といった国家機関に対して要望を述べる権利「請願権」を、すべての国民に対して保障しています。その「請願権」の運用を定めた「請願法」では、天皇に対する「請願」も制度として認めているのです。そればかりか、 「かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」とまで憲法第16条には明記されています。

 今回の山本議員の行動は、日本国憲法第16条が保障する「請願権」を、手紙を渡すというかたちで行使したもの、ということになります。請願を行う権利を憲法で認めている以上、それを「憲法違反」であると非難し、議員辞職のような重い処分を求めるのは、いかにも無理があります。その処分自体が「請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」とする憲法に違反となる可能性すらあります。脇参院幹事長の「憲法違反は明確である」という発言は、「明確な間違いである」といわなくてはなりません。

 そうなると、問題は、批判が成立するとすれば、「請願法」が定めた手続きを踏んだか否か、という点に絞られることになります。

 請願法第3条には「天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない」という規定があり、直接手紙を手渡すという行為は、この規定に反するという指摘があります。

 この点はたしかに「ルール違反」としてとがめられる部分ではあります。11月5日に、私の緊急単独インタビューに答えた山本議員も、「園遊会での『マナー』について知らなかった。また、これだけの騒ぎになれば陛下の耳にも入るだろうし、陛下のご宸襟(しんきん)を悩ませてしまったことについては、本当に反省している」と、自身も繰り返し述べています。

 ただ、「請願法」そのものをよく読むと、違反した場合の罰則の規定が存在していないのに気づきます。常識的に判断すれば、注意程度ですませるべき話のはずです。実際、大騒ぎしたあげく「厳重注意」どまりになりましたが、たった一人の新人議員の「勇み足」に対し、閣僚や与党のトップ、マスコミがそろってむきになってバッシングを繰り広げている図は、「異様」なものであったといえるでしょう。

■手紙の「中身」には一切触れようとしないマスメディア

 「異様」なのはこれだけではありません。マスコミは山本議員の「行動」の是非を取り上げる一方、その手紙の内容、彼が陛下に伝えたかった内容については、十分に報じようとはしませんでした。

 私は11月2日、京都の街宣に向かう山本議員に直接電話しました。

 「書いたことは、被曝により子どもたちの健康被害が拡がっていること、現場の作業員たちがいかに非人道的な過酷な環境下で作業しているかということ、そして特定秘密保護法が制定されたら、こうした現状も隠されてしまう怖れがあることなどです」

・【IWJブログ】山本太郎参議院議員に直撃取材! 「陛下に現状をお伝えしたい一心だった」~手紙の内容には被曝の現状と特定秘密保護法への懸念も
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/109705

 彼は被曝や原発作業員の窮状についてだけではなく、秘密保護法の危険性についても手紙で訴えていたのです。この点は、ほとんどマスコミでは報じられていません。

 山本議員は11月5日に、国会議員として初の国会での質問に臨みました。この機会に、陛下への手紙に記した問題を質問したのですが、山本議員の動向を、その一挙手一投足まで張り付いて報じているマスコミが、なぜかこの国会での質問に関してはほとんど報じようとしませんでした。

 質問を報じたのは時事通信と産経新聞ですが、どちらも、山本議員が質問した原発作業員の問題や、秘密保護法の問題は一切報じていません。産経新聞は「山本参院議員が初質問=『手紙』には触れず」などと見出しを打ちましたが、内容についてはやり取りのほんの一部しか取り上げていません。時事通信は、福島県民健康調査の「18歳以下の県民の甲状腺がん発生率上昇」についてのやり取りのみを掲載し、環境省の担当者の答弁に対し「山本氏は『なるほど』と応じるなど、突っ込んだ質疑にはならなかった」などと、明らかに恣意的で悪意のこもった書き方で報じています。

・山本参院議員が初質問=「手紙」には触れず(時事通信)
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201311/2013110500773

 なぜマスコミは、山本議員の質問をまともに報じようとしなかったのか。以下、マスコミが報じなかったやり取りの一部を掲載します。

■【質疑のやり取り抜粋】

山本議員「東電原発事故の収束作業員の労働環境について。最悪な労働環境のなか、命を削りながら作業している。労働環境が劣悪なだけでなく、賃金についても搾取されている。健康管理、放射線管理がずさんな実状があるのではないか。労働安全衛生法の電離放射線障害防止規則が、事故収束現場で厳格に守られていると断言できるか」

半田安全衛生部長「被曝線量管理、健康管理に万全を期していく。被曝線量の低減、迅速な測定評価、日常的な健康チェックなど、東電や元請け事業者に指導している。被曝線量の低減対策などの適切な実施を確認している。発電所に対する立ち入り調査などで、不適切なものがあれば厳しく指導していく」

山本議員「電離則では作業員には6ヶ月に1度、特別健康診断をすることになっている。しかし、この健康診断は在職中のみ。職を離れた人についても、緊急作業従事者に実施されている甲状腺検査など、生涯に渡って健康管理に責任を持つべきでは」

半田「福一で緊急作業に従事された方に関しては、被曝線量限度を年間250mSvまで引き上げた。その方々については指針に基づきがん検診をしており、離職後も国が責任を持ってやっている。被曝限度を超えていない人に関しては、法令にもとづいてこれまで通りの対応が適当」

山本議員「搾取の問題では、下請けの構造が問題。元請けに8万円で発注したものが、末端の作業員の方は数千円しかもらっていないと聞いている。今後の事故収束に必要な作業員を確保するためにも、経産省が責任を持って適切な労働条件を確保するべきではないか」

糟谷汚染水特別対策官「具体的な賃金レベルに国が口を出すことは控えるが、作業員の方々がしっかり説明を受けて納得して働くことが大事。廃炉措置の中長期ロードマップの中で、作業安全管理、健康管理などの進捗を確認している。東電では作業内容や賃金の支払いについて書面での明示を徹底し、確認作業に取り組んでいる。国も自ら検証していく」

山本議員「賃金の問題も、労働者が納得したからということではなく、国が責任をもって進めていただきたい。最後に、特定秘密保護法について、原発情報が特定秘密になるのか、ならないのか」

森まさこ秘密保護法担当大臣「原発事故に関する情報は特定秘密にならない。他方、警察による原発の警備の実施状況などに関する情報などは、テロリズム防止のための措置として特定秘密になるものもある」

【掲載終了】

 原発作業員の置かれた危険な環境、元請けの搾取の実態などは、東電も国も把握しながら、対策を講じず、この2年8ヶ月間、ずっと放置し続けてきた問題です。原発の再稼働や海外への輸出など、原発推進を掲げる安倍政権にとってこれらは、国の責任を問われる、厄介な問題なのです。

 さらに重要なのは、最後の質問、秘密保護法の問題です。当初政府は「原発は特定秘密の対象とならない」と国民に説明していましたが、それが虚偽の説明だったことが明らかになりました。森まさこ大臣の答弁は、「特定秘密にならない」と言いながら「特定秘密になるものもある」と、意味不明なものとなっています。まさに、ジョージ・オーウェルが「1984」で指摘した、未来にディストピアにおける二重思考、ニュースピークそのものです。

 しかし、「平和のために永遠に戦争し続ける」という超大国「オセアニア」さながらの、現在の米国にひたすら追従する安倍政権はこの法案成立を是が非でも成立させたいと躍起になっています。この法案の危険性、矛盾、国民への嘘、裏切りを追及することは、日米安保体制という「戦後レジーム」にとって「タブー」なのです。「戦後レジーム」からの脱却を掲げる安倍総理が、「戦後レジーム」の維持・深化に血道を上げている図は、実にオーウェル的であるといわざるをえません。

 「タブー」なのはマスコミだけではありません。宮内庁の山本信一郎次長は11月5日の定例記者会見で、手紙は同庁の事務方が預かり、天皇陛下には渡っていないことを明らかにしました。

 宮内庁報道部は、IWJの電話取材に対し、「当方もこれ以上のことは分からない。事務方のもとに手紙があることは次長が記者会見で話されたようだが、事務所のどこにあるかも、こちらでは分からない」と答えました。また、今後陛下にお渡しする予定があるのかとの質問にも、「今後の予定もこちらでは把握できていない」と述べました。結局、手紙は、陛下に届く事なく、闇に葬り去られようとしています。

 私の緊急単独インタビューで山本議員は、陛下へ手紙を手渡そうと考えた動機について「国は『命』に関わる、今すぐにでも動かなければならないことは動きが遅い。一方『国家戦略特区』のような、『金』に関わる、誰かの利益になるようなことはトントン拍子に決まっていくことに焦りがあった」と語りました。

・2013/11/05 山本太郎議員 猛烈なバッシングに「萎縮はしない、これからも訴え続ける」~岩上安身独占インタビューで決意新たに胸中を明かす
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/110043

 山本議員の焦りは、決して大げさなものではありません。秋の臨時国会では、国民の生活、日本の未来にダイレクトに影響を及ぼす、重大な法案が年内の成立に向けて次々審議入りしており、それに連動して政府・自民党は様々な政策を進めているのです。

 本来は、マスコミはこれらの問題を追うべきであり、国民と一緒になってこの安倍政権の暴走を注視し、その法案の審議をチェックし、問題点を指弾するべきです。ところが、マスコミは連日、山本議員の「手紙の手渡し行為」のみにスポットを当て、過剰に騒動を繰り広げ、結果として、その陰で危険な法案の審議から国民の注意をそらせる役割を果たしました。

 山本議員は、私が電話をした11月2日の時点ではすでに、「自分が利用されてしまっている」ことに気づいていました。

 「マスコミが現状から目をそらすための格好のネタを自ら提供してしまったこと。これは僕の失敗だったと思います」

 山本議員がその危険性を訴えようとした行動がはからずも、「スピンコントロール」(情報操作)のための素材として利用されてしまったのです。

■「山本太郎問題」の裏で進む恐るべき事態

では、この騒動の裏で、どのような重要法案が審議入りし、国民がその危険性に気づかないうちに可決されようとしているか、ざっと挙げてみると、以下のようになります。

・10月25日 「特定秘密保護法案」閣議決定
・10月29日 「産業競争力強化法案」審議入り
・11月1日 原発だけでなくTPPも秘密保護法の対象になることが判明
・11月5日 企業優先の規制緩和を進める「国家戦略特区」閣議決定
・11月5日 TPPに関連して日本政府は、コメの関税率778%を500%代に引き下げる方針。コメを「聖域」として死守する公約、もろくも崩れる。
・11月7日 「特定秘密保護法」衆院本会議で審議入り
・11月7日 「日本版NSC法案」衆院本会議で可決。8日参院で審議入り
・11月8日 「国家戦略特区」衆院で審議入り

 これだけの重要法案・政策が、この数日間に加速度的に進んでいるわけです。しかし日本の命運を今後、数十年にわたって左右しかねないこの重大な国会を、驚くべきことにNHKは中継しようとしていません。本日(11日)も国会では午後から「秘密保護法」をめぐる法案審議が行われましたが、NHKは午後の時間をまるまる使って「大相撲九州場所」を中継しています。

 審議の模様を知るには、「衆議院インターネット審議中継」などを観るしかないのです。

 山本議員の騒動、そして大相撲の裏で、今、何が起きようとしているのでしょうか。

■「秘密保護法は原発もTPPも対象とならない」という政府の真っ赤な嘘

 山本議員が陛下への手紙で訴えた「秘密保護法」の問題は、日に日にその危険性が明らかになっています。

 岡田広内閣府副大臣は11月1日の国会質疑で、TPPが「安全保障に関わる」ことから秘密保護法で国民に開示されない「特定秘密」の対象になる可能性に言及しました。岡田副大臣は30日の特別委員会では「TPPは特定秘密にはならない」と明言していましたが、数日で発言をひっくり返したのです。

 政府は国民に対し「原発もTPPも特定秘密の対象とならない」 と説明していましたが、原発に続きTPPの情報も秘密となることが判明。二転三転する政府の回答のなかで、国民への説明は真っ赤な嘘だったことが明らかになりました。

■「命」より「金」の政策に「待った」を

 山本議員は私のインタビューで、こうした安倍政権の姿勢について、「『貧乏人は死ね』ということ。国は、このトントン拍子で決めていくスピードを、なぜ原発や被曝の問題に注げないのか」と危機感を募らせました。

 山本議員は、「こうしたバッシングの嵐にあって、今後、萎縮しますか?」との問いに対し、「声高に間違っていることは『間違っている』と言う。街角に立って現状を知ってもらい、市民の方から議員に圧力をかけてもらう。また質問主意書など、今後も自分にできることは何でもやる」と、決意を新たに力強く語りました。

 山本議員を批判する人も、擁護する人も、改めて一度立ち止まり、加速度的に進む安倍政権の暴走に「待った」をかけて、問題の本質に立ち返って議論すべきではないでしょうか。(岩上安身) (転載終り)

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山本太郎氏の行為、そんなに非難されるべきことなのか?
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安物しか買わないと、いずれ安物しか買えなくなる?

 あまり注目されなかったようですが、阿修羅掲示板で面日い記事を見つけましたので、以下に転載します。

安物しか買わないと、いずれ安物しか買えなくなる理由とは (Darkness )
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/752.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 12 日

「安物しか買わない」と、「安物しか買えない」というのは、根本的にまったく違う意味を持つ。

「安物しか買わない」というのは、高いものも買うことができるということである。つまり、選択肢がある。「安物しか買えない」というのは、高いものが買えず、選択肢がない状態である。

日本人は最初は「安物しか買わない」だったのだが、それがいつしか、「安物しか買えない」に追い詰められるようになっていった。

日本人が「安物しか買わない」ので、日本の社会が変化して「安物しか買えない」ようになっていったと気付いている人は少ない。実際のところ、そのような動きになっているのを、日本人は早く気付くべきだった。

しかし、誰も何も気付かないまま、それは日本の底辺で進行してしまい、今もまだそれが続いている途上にある。

まだ「安物しか買わない」と言っている人も、それによって自分の収入が下がって、このままではいずれ安物しか買えない状態に堕ちていく。

■安物しか買わないと、安物しか買えなくなる理由

ここで言う安物とは、中国企業が作った本当の粗悪品まがいの安物や、100円ショップで売っているような安物の話をしている。そういった粗悪品まがいが、今の日本には溢れるほど溢れかえっている。

日本人が、このような安物しか買わないと、安物しか買えなくなる理由は、いくつもあるが、その最も簡単なのは、以下のものだ。

(1)安物しか買わない。
(2)安物が作れる企業しか生き残れない。
(3)それは途上国の企業である。
(4)日本の企業はつぶれる。
(5)日本人が貧困化する。
(6)安物しか買えなくなる。

中国製の粗悪品しか売れなくなると、通常の値段で物を売っている企業は苦境に落ちて資金繰りが難しくなる。これは当たり前のことだ。

そうなると、企業はリストラを余儀なくされるし、場合によっては倒産に追い込まれることになる。

そして、どうなるのか。日本企業が日本人を雇えなくなったら、当然、日本人は貧困化するのである。だから、最終的に安物しか買えなくなっていく。

もちろん、日本企業が全部つぶれるわけではない。生き残る企業もたくさんある。それなら安泰なのかというと、そうでもない。以下の動きも同時に起きるからだ。

(1)安物しか買わない。
(2)日本企業は安物を作るためにコストを削減する。
(3)コストの大半は人件費なので社員をリストラする。
(4)リストラが増えて日本人が貧しくなる。
(5)安物しか買えなくなる。

どのみち、日本人が安物しか買わなくなって、日本人が安物しか買えなくなるのは同じだ。

■「安い」がもたらすデメリットに気付くべきだった

私たちは、「安い」がもたらすメリットばかりを見ているが、そろそろデメリットも気付くべきなのである。安物ばかり買っていると、自分たちが安物しか買えなくなるという現実を知らなければならない。

これは、グローバル化した社会が生み出す光景なのである。

グローバル経済の本質は、世界規模のコスト削減による安売り競争にある。

多国籍企業は、賃金の安い国、仕入れ値を買い叩ける国を目がけて進出し、競争相手よりも1円よりも安い商品を提供しようと腐心する。

アメリカではウォルマート、日本ではユニクロなどがそのような時代の覇者になっているが、グローバル経済が続く限り、この流れはとまることはない。

安売りは、もっと激しく先鋭化した動きになっていく。

それはつまり先進国の人々の賃金を想像以上に削減する流れとなって襲いかかっていく。これは日本だけで起きている現象ではない。アメリカでも、ヨーロッパ各国でも起きている。

だから、「安いものしか買わない」から、「安いものしか買えない」という先進国の人たちの動きが起きているのである。

先進国の人間が「安いものしか買えない、買わない」のだから、企業はますます世界中を見回して賃金の安い国を渡り歩いていく。

先進国の賃金引き下げ圧力は、さらに強まっていく……。

■先進国の一般国民の賃金を引き下げるという経済

グローバル経済とは先進国の一般国民の賃金を引き下げるという経済であることを、まだ日本人だけが認識していない。

日本人はそれを認識するのが遅かった。いや、今でもまだそれを認識できていない者がいる。

いまだに過大な負債(主に住宅ローン)を抱えようと考える人間もいるのが、それを物語っている。

数十年にも渡る住宅ローンは、終身雇用が崩壊した今ではとても危険なものであり、身の振り方によほどの自信と能力がある人だけがやっていいものである。

ごく普通の人間が過大な住宅ローンを抱えるのは、人生を賭けた綱渡りであると言える。

収入が下がっていけばどうなるのか、ボーナスが出なくなったらどうするのか、リストラされたらどうするのか、病気になったらどうするのか、離婚したらどうするのか……。

今の日本では、そのすべては高い確率であり得る時代なのである。ありとあらゆるものが不透明になっている。とても危険だ。それに気付いていない人間から先に破綻していく。

いったい、いつまでこの嫌な時代が続くのか。それは、新興国の人間の給料と、先進国の人間の給料が、ほぼ同一になっていくまでだ。

同一になるというのは、新興国の人間の給料が上がるのと同時に、先進国の人間の給料が下がるということでもある。

日本人の給料は高いのだから、どんどん引き下げられて行くという動きになるのは、考えなくても分かるし、現に今、そのような動きになってしまっている。

100円ショップの安物の粗悪品ばかり買う日本人が増えたお陰で、日本企業はどんどん追い込まれてしまっているのだから、日本人は粗悪品を買って自分の首を必要以上に絞めているということでもある。

安物しか買わないと、安物しか買えなくなるというのは、そういう意味なのである。 (転載終り)


【私のコメント】
 「安物しか買わないでいたら、気がついたら安物しか買えなくなっていた」代表例とは、何を隠そうこの私です。いな、この際告白しますが、現在「超債務超過状態」(早く言えば「大借金まみれ」・苦笑)の私めは、「安物すら買えない状態」に陥ることもしばしばです。債務超過のきっかけとなったのは、例のリーマンショック以降です。一応自営業者の私には、それ以降の世の中の金づまり状態がいかにヒドイものか、肌身でヒシヒシと感じられます。

「これは、グローバル化した社会が生み出す光景なのである。
グローバル経済の本質は、世界規模のコスト削減による安売り競争にある。」
「グローバル経済とは先進国の一般国民の賃金を引き下げるという経済であることを、まだ日本人だけが認識していない。」
 これは見事にグローバル経済の本質を衝いていると思います。

 今年の春頃、ユニクロの柳井会長が「年収100万円時代」をぶち上げて物議をかもしました。私などは『自分は年収ウン十億なのによく言うよ』と、やっかみ半分で思ったものです。しかし上のグローバル経済の本質を背景として考えると、柳井会長の発言はあながち間違いでもなかったわけです。
 ただしだからと言って、グローバル経済が正しい、間違っていない、ということではありません。逆にグローバル経済は、弱肉強食の獣的経済と断罪すへきものと考えます。

 小泉・竹中コンビによる、新自由主義、市場原理主義というグローバル経済の導入によって、この国は少数の富裕層と多数の貧困層の二極分化が進みつつあります。一度下に落ると、這い上るのが困難な硬直化した「階級社会」が形成されつつあると見る識者もいます。国全体が負のスパイラルに落ち込んでしまったかのようです。

 先に何より私自身が負のスパイラルに落ち込んでしまったことを告白しましたが、ただあまり悲観していません。むしろ「いい経験をさせてもらっている」くらいに受け止めています。この年になって言うのも何ですが、お金の大切さが身にしみて分ったし、初めて経済的自立心が芽生えたし、やりくり算段の才覚が鍛えられるし・・・。

 逆境の中には、それと同等かそれ以上の利益の種子(たね)が含まれているのである。 (ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』より)

 『なんとかなるさ』と楽観的に構えていると、『もうダメか』という生きた心地がしない局面でも何とかなってきました。多分「天は自ら助くる者を助く」という金言は真理なのだろうと思います。私はまだまだ自分自身を生かしたいですから。
 これまでの負のスパイラルから脱け出して、「高い物しか買わない」とまではいかなくとも、何とか上昇に転じたいものと念願しているきょうこの頃です。 (大場光太郞・記)

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比台風は、3・11と同じく闇勢力の仕業か

-核兵器、通常兵器だけが兵器ではない。細菌兵器、地震兵器はおろか気象兵器まである。原発だって超兵器だ。それらを総動員して「世界人囗大削減」をするつもり-

 まず冒頭、今比台風の「犠牲」になられた2千人超の現地の方々に、アジアの同胞として深い哀悼の意を捧げます。

 日本ではこの時期としては珍しいほどの寒波に見舞われているというのに、いくら赤道に近い国とはいえ、こんな季節外れの時期に、ハリケーンで言えば「レベル5」級の超大台風が襲うなどというのは、いくら何でもおかしくないか?(なお、ハリケーンもサイクロンも台風も呼び方が違うだけで、まったく同じ気象現象です。)

 思わずそう思いたくなるほど奇っ怪な台風30号がフィリピンを襲い、同国中部レイテ島などを直撃し、同島中心都市タクロバンで「台風通過地域の70~80%の建物・家屋が壊滅」するほどの大被害をもたらしました。
 最大風速100m超、また4.5mもの高潮が津波のように襲いかかって来たという恐しい事態です。12日にアキノ比大統領が発表したところでは、死者は2千人超という大惨事となりました。

 再三述べましたとおり、私は現在無テレビ生活ですからこういう大災害の残酷なシーンを見なくて済んでいます。が、これをお読みのほとんどの方はそうではなく逐一新情報に接し、台風30号に関しても詳細に把握されてすることでしょうから、同台風そのものの惨情はこれ以上述べません。

 本記事では視点を変えて、これは本当に自然災害だったのか、ひょっとして「人工台風」だったのではないのか、ということを見ていきたいと思います。

 気象兵器、人工台風。大昔ならこのような気象現象を司るのは龍神様、と決っていました。しかしテクノロジーの驚異的進化により、今日では神の領域侵犯となる降雨などの気象コントロールなど比較的容易に出来てしまいます。
 台風だってそのとおりです。しかもわざわざ台風の発生海域や進路地点に行く必要すらありません。地球の裏側からだって遠隔操作が可能です。

 たとえば、こんな具合です(と、正確かどうかは分りませんが)。
 地球のある海域で台風を発生させたい場合、ある国の軍事基地でそれをコンピュータプログラミングします。そのデータを宇宙空間の専用の人工衛星に送信し、それから遠赤外線かマイクロウェーヴを指定海域に照射させ、海面温度を上昇させます。1個の台風の発生です。いつでもどこでも規模、強弱思いのまま。
 照射を順次、B、C、D地点・・・と移動させていけば、それがつまりはその台風の進路となるわけです。

 「ある国」といいましたが、人工衛星とセットでこのような高度なテクノロジーを駆使できる国はアメリカしかないですよね。しかもアラスカの米空軍基地が臭そうです。ここは悪名高い(人工地震を起こすための)HAARP(ハープ)基地で、3・11地震&津波は当初ここからの「HAARP攻撃ではないか」とネットで大騒ぎになりました。

 3・11が自然災害なら反対側のハワイ諸島にも大津波が押し寄せるはずなのに、ほとんど潮位の上昇が見られなかったなど、不自然な点が多すぎるのです。これについては、(主要先進国の首脳らの電話盗聴で大問題になっている)米NSAの元官僚が、米国の仕業で地震震源地は内陸部、津波は海底核爆発によるものだった、と暴露しました。
 しかも地震&津波は、福島原発の小型核爆弾によるテロをカモラージュするための「偽旗作戦」だったというのですから、犠牲になられた2万人余の方々は浮かばれません。

 上に述べたとおり、通常の台風シーズンの9月上旬から2ヶ月も遅れてなぜこんな巨大台風が発生したのか、という疑問がまずあります。さらに不可解なのは、30号と同じ海域には他の熱帯性低気圧があったのに、なぜかこれだけが強大勢力化していったことです。そして通常なら勢力を弱めながらのコース取りとなるはずですが、上陸前は940hPaだったのが上陸直前には895hPaと一気に気圧を下げているのです。
 まるでこの台風には意思があって、「フィリピン狙い打ち」のようではありませんか。

 真相は分からないわけですから、断定はできません。しかし「人工台風だった」と仮定すると、仕掛けた米国には何か理由があったはずです。それは何でしょうか?

 ―つは冒頭見出しで提示したように、「世界人囗大削減」目的の一環としてです。しかしこれは米国という国の枠を超えたレプティリアン・イルミナティによるもので、テーマが大きすぎますので今回は詳述しません。(関心がおありの方は、3・11直後に公開した『有色人種40億人殺戮キャンペーン?(1)~(3)』をお読みください。)

 そして二つめです。原発テロを起されても、政府要人の通話が盗聴されていても文句一つ言わない日本は、世界中の国々が認める世界一の米国従属国です(プーチン露大統領など主要国の要人たちは「3・11の真相」など百も承知のはず)。これに次ぐのが韓国そしてフィリピンとみられてきました。しかし最近のフィリピンは、米国と肩を並べるほど強大化しつつある近隣の中国に少しずつシフトしていました。

 東南アジア、東アジアで引き続き覇権を保持しておきたい米国としてはおもしろくないわけです。そこで今人工大台風によって暗黙の脅しをかけてきた、という見方です。
 こちらはより直接的で可能性が高そうです。

 今年5月ころ、世界的研究機関が「温暖化で大規模なハリケーン、台風がこれまでの7倍に」と澄まし顔で発表し、それを世界の主要メディアがしたり顔で報道しています。いずれもレプティリアン・イルミナティの息のかかった機関ですから、「これからどんどん人工大台風を起すぞ」という人類に対する宣戦布告にも思ってしまいます。
 案の定、日本では16号が伊豆大島に甚大な被害をもたらし、今回はフィリピンに超甚大な被害をもたらしました。

 もういい加減、とっくにウソがバレバレの「温暖化詐欺」「CO2詐欺」の手囗など使うなよ、と言いたくなります。ともあれ私たちはこれ以上ダマされ続けてはなりません。でないと、アッと言う間にこの世からお払い箱にされかねません。
 「NWO完成」という彼らの超邪悪な目的を粉砕するために、私たちに出来ることは何だろうか?今後とも皆様と一緒に考えていければと思います。

(大場光太郎・記)

関連記事
『米国元防衛官僚、「3・11は米国闇勢力の仕業」と明言』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-a1c8.html
『衝撃的な「3・11&原発テロ」内部告発動画』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-8cec.html
『真実の近現代概略史』カテゴリー(この中に『有色人種40億人殺戮キャンペーン?(1)~(3)』あり)
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/cat43851635/index.html

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フォレスタの「埴生の宿」

     (「フォレスタ 埴生の宿」YouTube動画)

      https://www.youtube.com/watch?v=pb-1cn_-qzQ(旧バージョン)

      (新バージョンは削除されました。)


    埴生の宿

  埴生の宿も わが宿
  玉のよそい うらやまじ
  のどかなりや 春のそら
  花はあるじ 鳥は友
  おお わが宿よ たのしとも たのもしや

  ふみよむ窓も わが窓
  瑠璃の床も うらやまじ
  きよらなりや 秋の夜半
  月はあるじ むしは友
  おお わが窓よ
  たのしとも たのもしや


 『埴生の宿(はにゅうのやど)』は、2006年(平成18年)に「日本の歌百選」の一曲に選ばれたくらいですから、古くからの我が国の歌かと思いきや。元々はイングランド民謠です。

 この歌は、1823年に作詞・作曲され、同年初演のオペラ『ミラノの乙女(Clari,Maid of Milan))』の中で歌われた歌曲でした。作曲は、イングランドの作曲家ヘンリー・ビショップ(1786~1855)です。
 このくらい古い歌曲だと、いつしか同オペラを離れて国中を一人歩きし、広くイングランドの民衆に歌われることになったのですから、十分「イングランド民謠」と言っていいわけです。

 本当に叙情的な良い歌です。広まるべくして広まっていった歌と言ってよさそうです。

 やがてこの歌は新大陸アメリカにも伝播し、アメリカ人のジョン・ハワード・ペイン(1791~1855)が新たに『Home,Sweet Home』(訳題「楽しき我が家」)を作詞しました。よって今日世界中で歌われているこの歌は、作曲;ヘンリー・ビショップ、作詞;ジョン・ハワード・ペインによるものです。



 日本では、中学校向けの音楽教材として、1889年(明治22年)12月、東京音楽学校(現・東京芸術大学)が出版した『中等唱歌集』に掲載されました。
 訳詞したのは、『庭の千草(夏の最後のバラ)』、『才女(アニーローリー)』などの訳詩を手がけた里見義(さとみ・ただし/1824~1886)です。

 なおご存知の方も多いことと思いますが、戦時中は、洋楽レコードが「敵性レコード」として廃棄が呼びかけられました。そんな中でも『埴生の宿』や『庭の千草』など歌詞を邦訳にしたものは、国民生活になじんでいるとして敵性レコードから除外されました。

                        *
 このようにすっかり「日本の歌」として定着した感のある『埴生の宿』ですが、この歌が効果的に使われた映画がありました。それも、『二十四の瞳』『ビルマの竪琴』『火垂るの墓』と、「戦争」をテーマとした名作、話題作においてです。 

 映画『二十四の瞳』(1954年)は、木下恵介監督、高峰秀子主演の名画です。私はテレビとビデオで観ましたが、『埴生の宿』がこの映画のどのシーンで使われたのかまったく記憶にありません。あるいは、高峰秀子演ずる大石先生が香川県小豆島の分教場の教室で弾いていたオルガンの曲がこの歌だったのでしょうか。(注 これについては、末尾掲載サイトにその記述あり。)

 『二十四の瞳』(原作:壺井栄)とともに戦争の悲惨さ、平和の尊さを訴えた感動作が『ビルマの竪琴』(原作:竹山道雄)です。こちらの映画は、1956年版(市川崑監督、安井昌二主演)と1985年版(市川崑監督、 中井貴一)があります。残念ながら私はどちらも観ていませんが、『ウィキペディア』によると、映画の中で『埴生の宿』が歌われたのは以下のような次第のようです。
 
 ・・・(水島上等兵がかつて所属していた小隊が日本へ)出発前日、青年僧が皆の前に姿を現した。収容所の柵ごしに隊員達は『埴生の宿』を合唱する。ついに青年僧はこらえ切れなくなったように竪琴を合唱に合わせてかき鳴らす。彼はやはり水島上等兵だったのだ。隊員達は一緒に日本へ帰ろうと必死に呼びかけた。しかし彼は黙ってうなだれ、『仰げば尊し』を弾く。日本人の多くが慣れ親しんだその歌詞に「今こそ別れめ!(=今こそ(ここで)別れよう!)いざ、さらば。」と詠う別れのセレモニーのメロディーに心打たれる隊員達を後に、水島は森の中へ去って行った。



 そして感動アニメ『火垂るの墓(ほたるのはか)』(1988年、原作:野坂昭如、監督・脚本:高畑勳)です。
 これをお読みの方は、このアニメ作品を映画館でか、テレビでか、DVDでか、一度はご覽になったことがおありのことでしょう。だからあらためてストーリーを語ることはしません。が、分けても愛くるしい4歳の少女節子の死に至るプロセスを克明に描くことによって、不条理極まりない戦争への無言の告発になっていたように思われます。



  •  「4歳と14歳で、生きようと思った」(糸井重里のキャッチコピー)。
     つまりは終戦前後14歳の兄清太と4歳の妹節子は、空襲を受けた神戸付近の某貯水池のほとりにある防空壕の中で暮らし始めます。

     「埴生の宿」とは、赤土で造った粗末な家という意味です。
      埴生の宿も わが宿
      玉のよそい うらやまじ
     飢餓と隣り合わせの中、二人の防空壕の中での暮らしこそは束の間の「埴生の宿」そのものだったわけです。それかあらぬか、挿入歌としてアメリータ・ガリ=クルチの『埴生の宿』(原題:Home,Sweet Home)が使われたのでした。

     なおこのアニメの4歳の節子は、日本アニメ史上のというより日本映画史上屈指の鮮烈かつ印象深いヒロインではないだろうか、と私は思います。

                            *
     私にとって『フォレスタの「埴生の宿」』とは、やはり聴き慣れた小笠原優子さん、白石佐和子さん、矢野聡子さん、中安千晶さんの4人の初代女声によるコーラスです。最近新女声による新バージョンがあることを知りましたが、よって今回は旧バージョンを中心にこの『フォレスタの「埴生の宿」』を述べさせていただきます。

     このコーラスは何といっても小笠原優子さんの独唱に尽きると思います。
     何度も繰り返すようですが、小笠原さんの何ものにも遮られず、かつ澱むことのないクリアーで澄んだ歌声は、聴く者の心に深くしみ通ります。
      きよらなりや 秋の夜半
      月はあるじ むしは友
     まさに小笠原さんの「名唱」です(注 上のフレーズは小笠原さん独唱パートではありませんが、季節柄引用しました)。

     今回YouTube動画URLを本記事にコピーするについて、画像なし音声だけ(ヘットホーン)で聴く機会がありました。すると、小笠原さんの独唱がまるで天上から響いてくるように感じられました。さながら天上の詠唱(アリア)。続く白石さん、矢野さん、中安さんの3女声のコーラスも聖歌隊のよう・・。
     画像の有無でこれだけ歌唱の印象が違って感じられることがあろうとは。ともあれ、この頃の初代女声はこういう歌にぴったりでしたね。

     ところで、当ブログ「検索フレーズランキング」から判断するに、小笠原優子さんは全フォレスタメンバー中1番の人気のようです。例として、つい最近今月7日の同ランキング(6日アクセス結果)を以下にご紹介します(他の関係ないフレーズは、この際無視してください)。

      1位:イルミナティ
      2位:ファティマ第三の予言 内容
      3位:ファティマ第三の予言
      4位:小笠原優子 夫
      5位:森喜朗 息子
      6位:フォレスタ コーラス
      7位:二木紘三のうた物語
      8位:フォレスタ コーラス 小笠原優子
      9位:小笠原優子
      10位:小笠原優子 ブログ

     どうでしょうか?4位から10位まで、小笠原さん関連フレーズが4つも占めています。今年は「1位  小笠原優子」も何回かありました。どうも1年以上に及ぶ同ランキングの長期観測結果(?)から、「フォレスタ ファン世論調査(??)」におけるメンパー人気順位は、小笠原優子さん、中安千晶さん、矢野聡子さん・・・と、なりそうです。

     歌唱力、美貌、お人柄・・。もう1年半以上フォレスタ活動を休止しておられるのに、根強いこの人気。私は正直なのでつい言っちゃいますが、『小笠原優子さんのいないフォレスタなんて・・』とお思いのファンもおられるのではないでしょうか?

     ・・現在の5人の女声メンバーによる新バージョン『埴生の宿』を手短かにー。
     内海万里子さんの立ち位置が小笠原さんとは逆に、後方左のひな壇に変ったくらいで。ドレスも同じく白で、スタジオ構成は旧バージョンに準じたもののようです。やはり注目は独唱の内海さんということになりますが、「小笠原さんに迫ろうか」というほどこちらも素晴しい歌唱です。

     (本場ズーズー弁の出身者が言うのも何ですが)内海さんは長﨑県のご出身ですが、これまでの独唱では『あれっ、長﨑誂りなのかなぁ』と少し気になるところがありました。しかし今回はそれがキレイサッパリ解消され、聴くほどに心地よい独唱になっています。

     ニューフェイスの内海さんや上沼純子さんは、小笠原さんや矢野さんが既に歌った歌をカバーする場合など、優れた先輩とつい比較されてしまいます。が、それは仕方ないこととして、より高みを目指してご精進いただきたいものです。

     (大場光太郞・記)

    関連動画
    映画予告編『ビルマの竪琴』+唱歌(1985年版)
    http://www.youtube.com/watch?v=Nc8jHAlLBhA
    アニメ映画『火垂るの墓』挿入歌・アメリータ・ガリ=クルチの『埴生の宿』
    http://www.youtube.com/watch?v=Mypgywe49VI&list=RD5aaz9YavQnM
    関連サイト(『二十四の瞳』の『埴生の宿』について)
    『ゆくの菜園日記』-「二十四の瞳」と唱歌と鬼蓄米英」
    http://blogs.yahoo.co.jp/yukumotohirosi/39518303.html

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    山本太郎氏の行為、そんなに非難されるべきことなのか?

    -国内では非難の大嵐。だが海外では「サンキュー、太郎」の声も挙っている-



     先月31日の秋の園遊会で、山本太郎参院議員(無所属)が天皇陛下に直接手紙を渡した一件が、大問題になっています。それについて各方面から、「天皇の政治利用だ」という非難を浴びせられているのです。
     たとえば参院議員運営委員会は1日の理事会で、「極めて非常識な行為だ。天皇の政治利用の可能性もある」などの認識で一致しています。

     当の山本議員は、理事会終了後に議運委の岩城光英委員長(自民)から事情を聞かれ、「短時間でお伝えするのが難しいと思い、手紙にした。騒ぎになるとは思わなかった」と答えたといいます。またその後の記者会見で、「原発事故での子供たちの被曝や事故収束作業員の劣悪な労働環境の現状を知ってほしかった」とも語っています。

     目障りな「脱原発の旗手」の願ってもないフィルダースチョイスに、ガチガチの原発再稼動を目論む自民党を代表して下村文科相は、「議員辞職ものだ。政治利用そのものだ」と、まるで鬼の首でも取ったような勝ち誇った発言をしています。

     ネット上でも厳しい意見が飛び交い、『Yahoo!ニュース』の意識調査では「(山本議員の行為を)支持しない」が8割を超えています。

     しかし、ちょっと待っていただきたい。ある人物が多勢に無勢、四面楚歌の時こそ、(既にお分りのとおり)「天邪鬼な」私の出番というもの。
     私はこのニュースに初めて接した時、率直な話、『えっ、これが天皇の政治利用?こんなことで、なんで議員辞職しなければならないの?』と思ってしまいました。

     山本太郎議員のこの行為は確かにフライング気味だったと、私も思います。がしかし、とマスコミが指摘しない重要なことをここで指摘します。

     山本議員のこのフライング的行為に対して、天皇陛下はどのような対応をされたのか。上の画像でもお分りのとおり、陛下はちゃんとお受け取りになられたのです。ここがポイントです。
     陛下はお立場上、ご自身の「政治利用問題」については、他の誰れよりも気を配っておいでのはずです。しかし陛下は山本議員から手紙を渡された時、『これは政治利用に相当するから受け取らない方がいい』とは思われなかった、だから受け取られたわけです。 

     もし山本議員が「政治利用だ。議員辞職だ」と言うのなら、現日本国憲法以下の法体系に照らせば、天皇陛下も何らかの責任を負うことになるはずだと思われるのです。ネトウヨ系は、「山本を刑事罰にしろ」などと変に騒がないほうがいいと思いますよ。

     今回の出来事で考慮しなければならないのは、山本議員の前身は「役者」だったということです。より効果的なパフォーマンスについて熟知しているはずです。
     ほやほやの国会議員としての自分を売り込むため、秋の園遊会の場でそれを目一杯活用した、というただそれだけのことなのです。

     7月の参院選で初当選し、現在無所属で「新党 今はひとり」状態の山本議員が、オール与党的政治状況の孤立無援の中で、埋没せず、信条とする「脱原発」などの政治課題を少しでも前進させるためには、織田信長の「桶狭間の戦い」のようなイチカバチカの奇襲的パフォーマンスをしなければならないこともまた事実だと思うのです。

     そういう山本議員の意図を鋭く見破ったのが、自民党の石破茂幹事長です。
    「テレビや新聞で大きく取り上げられることによって、存在感を大きくしようと思ったのではないか。天皇の政治利用と言われても仕方ない。何の問題にもならない、ということはあってはならない」(2日、札幌市での講演)

     えっ、「何の問題にもならない、ということはあってはならない」って、石破幹事長。それじゃあお聞きしますけど、(軍事)オタクの今年4月の某テレビ番組での「戦争に行かない人は死刑、300年の懲役」発言はどうなのよ。
     これこそヒドイ、幹事長辞仼はもとより議員辞職ものの大問題発言だと思うけど。

     それについ最近、IOC総会に高円宮妃を引っ張り出した問題はどうなのよ。これは弁解の余地なく即アウトの「皇族の政治利用」事例でしょ。事ほど左様に、歴代の自民党政権の方こそ、天皇、皇室、皇族の政治利用の常習犯じゃないのさ。

     以下は、あるサイトで見つけた福島県民の方の感想です。

    「政治的利用って言っているけど、どっちが? オリンピックのために皇族が応援演説したことを私たちは一生忘れない。あれを見て福島の中にどれだけ傷ついた人間がいたか。本当にショックだった。東京都知事がキャッシュで4000億円オリンピックのための予算があると言い、皇族が応援のスピーチをし。私たちは東京のための電力をになっていた原発の事故で今も苦しんでいるんです。これ、匿名で絶対に書いてほしい」

     今回の山本太郎議員の行動は確かに行き過ぎがあったかもしれません。
     以前の『山本太郎氏、横浜駅で「秘密保全法案」の危険性を訴える』で、横浜駅頭での彼の演説を直接聞いた次第を記事にしました。確かに今回のように何をやらかすか分らない危っかしさはあります。しかし原発や秘密保全法案など核心の問題について、彼ほど体を張って精力的な議員活動をしている国会議員は他に誰もいません。

     参院議運委の動きや石破幹事長発言などから推察するに、連休明けの5日にも、山本議員に対して何らかの処分が下されることになるのでしょう。最悪「議員辞職勧告決議案」まで行く可能性もあります。そうなると「山本太郎潰し」の完成です。
     今後の動向に注目していきたいものです。

     (大場光太郎・記)

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    「第3次天安門事件」で習近平体制崩壊?

     -この事件が契起となって、共産党支配体制の終焉にまで行くのではないか-



     10月28日正午頃(現地時間)に起きた、中国の首都北京の天安門前の車両突入事件は、少数民族ウイグル族出身者による自爆テロだったようです。
     車内で死亡したのは、ウイグル族の男と妻(30)と男の母(70)の家族3人です。北京市公安当局は、この3人と共謀して逃走していた同じくウイグル族(新疆ウイグル自治区ホータン地区)出身の5人全員を拘束したもようです。

     それにしても、白昼堂々首都の天安門前でよくもこんな事件が起きたものです。
     天安門は、国家指導者が会議を行う人民大会堂もあり、また習近平主席が執務する中南海にも近い政治の中心です。それより何より、毛沢東が建国宣言をした「聖地」なのです。日本で言えば、国会議事堂いな皇居に車両を突っ込んでの自爆テロと同じくらいの衝撃的事件といえます。

     国内的にも国外的にも習近平体制のメンツ丸潰れです。

     死亡した家族3人も含めたウイグル族出身の8人の犯人たちは、テロの最大効果を挙げるためにあえて天安門前を選び、周到に計画を練った上で決行に及んだのに違いありません。
     裏を返せば、彼らの現指導体制への恨みがいかに根深いものであったかを示す事件でもあります。

     習近平主席は新疆ウイグル自治区に因縁がある、といいます。
     副主席時代に最も精力的に取り組んだのが、共産党統治に不満を持つウイグル族への強硬策だったのです。それだけに今回の事件は、習近平の権威失墜に直結すると見られているのです。

     自爆死した家族3人らの背景が分ってきました。公安当局は彼らの居住地から、ウイグル自治区の独立を目指す地下組織「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)が使う「聖戦」の旗を発見したといいます。
    「犯行後に“我々がやった”という証拠を残すのは、国際テロ組織の常套手段」と、某軍事ジャーナリスト氏は指摘しています。

     当局は、ウイグル族が信仰するイスラム教を背景とした犯行と見ていますが、国際テロ組織「アルカイダ」の影響も考えられそうです。
     ETIMは、国連安保理で「アルカイダと連携している」と認定されています。アルカイダも長年、中国政府のウイグル弾圧を非難し、「報復」を宣言していました。特にこの数年は、アルカイダなどイスラム系テロ組織はアジア全域で勢力を拡大してきました。

     そもそも習指導部の弾圧を受けてきた新疆ウイグル自治区には、石油、天然ガス、希少金属が豊富にあり、習指導部の経済拠点だったのです。ウイグル族からすれば、「富を強奪されている」という意識が強く、習指導部に反発を強めていたわけです。
     それがアルカイダと連携となると、今後は「中国政府vsアルカイダ」の対決構図になりかねず、事は厄介です。
     
     ところで「天安門」で思い出されるのは、1989年6月3日深夜から4日未明にかけて起きた天安門広場での大騒乱事件です。
     この時、民主化を求めて同広場に集った学生・市民に対して、時の中国政府は強権的に鎮圧を図り、人民解放軍が民衆に発砲し多数の死傷者を出した事件でした。学生・市民側の死者は約3700人ともいわれ、中国は人権抑圧国家として国際的な非難を浴びました。

     それ以降中国は「改革解放」路線を進め、今日では世界第2位の経済大国にのし上りました。しかしウイグル弾圧に端的に見られるように、自国民への強圧的な姿勢は一貫して変っていません。
     55部族にも上る少数民族問題のみならず。急速な中国版高度経済成長は、格差の増大、PM2・5という深刻な公害、汚職のはびこりなど、さまざまな問題をもたらし、民衆の不満は頂点に達しています。

     そんな時に今回の天安門前の車両突入事件です。スケールこそ違え、1989年の「第2次天安門事件」に次ぐようなインパクトを、習指導部と中国国民に与えたのではないでしょうか。
     これが契起となって、今後共産党政権を脅すような事件が頻発し、習指導部はおろか共産党支配体制の終焉にまで行くのではないか、そんな事まで考えさせられる今回の事件です。

    【追記】
     1989年の「第2次天安門事件」以前に、1976年4月5日に起きた「天安門事件」があったのでした。これは周恩来の死をきっかけに、自由化を求めて民衆が天安門広場に集った騒乱事件です。「民主の実現」を目指す運動の原点とされ、「四・五運動」とも呼ばれています。
     よって本タイトルを、「第2次天安門事件」から「第3次天安門事件」に訂正しました。

     (大場光太郎・記)

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