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フォレスタの「埴生の宿」

     (「フォレスタ 埴生の宿」YouTube動画)

      https://www.youtube.com/watch?v=pb-1cn_-qzQ(旧バージョン)

      (新バージョンは削除されました。)


    埴生の宿

  埴生の宿も わが宿
  玉のよそい うらやまじ
  のどかなりや 春のそら
  花はあるじ 鳥は友
  おお わが宿よ たのしとも たのもしや

  ふみよむ窓も わが窓
  瑠璃の床も うらやまじ
  きよらなりや 秋の夜半
  月はあるじ むしは友
  おお わが窓よ
  たのしとも たのもしや


 『埴生の宿(はにゅうのやど)』は、2006年(平成18年)に「日本の歌百選」の一曲に選ばれたくらいですから、古くからの我が国の歌かと思いきや。元々はイングランド民謠です。

 この歌は、1823年に作詞・作曲され、同年初演のオペラ『ミラノの乙女(Clari,Maid of Milan))』の中で歌われた歌曲でした。作曲は、イングランドの作曲家ヘンリー・ビショップ(1786~1855)です。
 このくらい古い歌曲だと、いつしか同オペラを離れて国中を一人歩きし、広くイングランドの民衆に歌われることになったのですから、十分「イングランド民謠」と言っていいわけです。

 本当に叙情的な良い歌です。広まるべくして広まっていった歌と言ってよさそうです。

 やがてこの歌は新大陸アメリカにも伝播し、アメリカ人のジョン・ハワード・ペイン(1791~1855)が新たに『Home,Sweet Home』(訳題「楽しき我が家」)を作詞しました。よって今日世界中で歌われているこの歌は、作曲;ヘンリー・ビショップ、作詞;ジョン・ハワード・ペインによるものです。



 日本では、中学校向けの音楽教材として、1889年(明治22年)12月、東京音楽学校(現・東京芸術大学)が出版した『中等唱歌集』に掲載されました。
 訳詞したのは、『庭の千草(夏の最後のバラ)』、『才女(アニーローリー)』などの訳詩を手がけた里見義(さとみ・ただし/1824~1886)です。

 なおご存知の方も多いことと思いますが、戦時中は、洋楽レコードが「敵性レコード」として廃棄が呼びかけられました。そんな中でも『埴生の宿』や『庭の千草』など歌詞を邦訳にしたものは、国民生活になじんでいるとして敵性レコードから除外されました。

                        *
 このようにすっかり「日本の歌」として定着した感のある『埴生の宿』ですが、この歌が効果的に使われた映画がありました。それも、『二十四の瞳』『ビルマの竪琴』『火垂るの墓』と、「戦争」をテーマとした名作、話題作においてです。 

 映画『二十四の瞳』(1954年)は、木下恵介監督、高峰秀子主演の名画です。私はテレビとビデオで観ましたが、『埴生の宿』がこの映画のどのシーンで使われたのかまったく記憶にありません。あるいは、高峰秀子演ずる大石先生が香川県小豆島の分教場の教室で弾いていたオルガンの曲がこの歌だったのでしょうか。(注 これについては、末尾掲載サイトにその記述あり。)

 『二十四の瞳』(原作:壺井栄)とともに戦争の悲惨さ、平和の尊さを訴えた感動作が『ビルマの竪琴』(原作:竹山道雄)です。こちらの映画は、1956年版(市川崑監督、安井昌二主演)と1985年版(市川崑監督、 中井貴一)があります。残念ながら私はどちらも観ていませんが、『ウィキペディア』によると、映画の中で『埴生の宿』が歌われたのは以下のような次第のようです。
 
 ・・・(水島上等兵がかつて所属していた小隊が日本へ)出発前日、青年僧が皆の前に姿を現した。収容所の柵ごしに隊員達は『埴生の宿』を合唱する。ついに青年僧はこらえ切れなくなったように竪琴を合唱に合わせてかき鳴らす。彼はやはり水島上等兵だったのだ。隊員達は一緒に日本へ帰ろうと必死に呼びかけた。しかし彼は黙ってうなだれ、『仰げば尊し』を弾く。日本人の多くが慣れ親しんだその歌詞に「今こそ別れめ!(=今こそ(ここで)別れよう!)いざ、さらば。」と詠う別れのセレモニーのメロディーに心打たれる隊員達を後に、水島は森の中へ去って行った。



 そして感動アニメ『火垂るの墓(ほたるのはか)』(1988年、原作:野坂昭如、監督・脚本:高畑勳)です。
 これをお読みの方は、このアニメ作品を映画館でか、テレビでか、DVDでか、一度はご覽になったことがおありのことでしょう。だからあらためてストーリーを語ることはしません。が、分けても愛くるしい4歳の少女節子の死に至るプロセスを克明に描くことによって、不条理極まりない戦争への無言の告発になっていたように思われます。



  •  「4歳と14歳で、生きようと思った」(糸井重里のキャッチコピー)。
     つまりは終戦前後14歳の兄清太と4歳の妹節子は、空襲を受けた神戸付近の某貯水池のほとりにある防空壕の中で暮らし始めます。

     「埴生の宿」とは、赤土で造った粗末な家という意味です。
      埴生の宿も わが宿
      玉のよそい うらやまじ
     飢餓と隣り合わせの中、二人の防空壕の中での暮らしこそは束の間の「埴生の宿」そのものだったわけです。それかあらぬか、挿入歌としてアメリータ・ガリ=クルチの『埴生の宿』(原題:Home,Sweet Home)が使われたのでした。

     なおこのアニメの4歳の節子は、日本アニメ史上のというより日本映画史上屈指の鮮烈かつ印象深いヒロインではないだろうか、と私は思います。

                            *
     私にとって『フォレスタの「埴生の宿」』とは、やはり聴き慣れた小笠原優子さん、白石佐和子さん、矢野聡子さん、中安千晶さんの4人の初代女声によるコーラスです。最近新女声による新バージョンがあることを知りましたが、よって今回は旧バージョンを中心にこの『フォレスタの「埴生の宿」』を述べさせていただきます。

     このコーラスは何といっても小笠原優子さんの独唱に尽きると思います。
     何度も繰り返すようですが、小笠原さんの何ものにも遮られず、かつ澱むことのないクリアーで澄んだ歌声は、聴く者の心に深くしみ通ります。
      きよらなりや 秋の夜半
      月はあるじ むしは友
     まさに小笠原さんの「名唱」です(注 上のフレーズは小笠原さん独唱パートではありませんが、季節柄引用しました)。

     今回YouTube動画URLを本記事にコピーするについて、画像なし音声だけ(ヘットホーン)で聴く機会がありました。すると、小笠原さんの独唱がまるで天上から響いてくるように感じられました。さながら天上の詠唱(アリア)。続く白石さん、矢野さん、中安さんの3女声のコーラスも聖歌隊のよう・・。
     画像の有無でこれだけ歌唱の印象が違って感じられることがあろうとは。ともあれ、この頃の初代女声はこういう歌にぴったりでしたね。

     ところで、当ブログ「検索フレーズランキング」から判断するに、小笠原優子さんは全フォレスタメンバー中1番の人気のようです。例として、つい最近今月7日の同ランキング(6日アクセス結果)を以下にご紹介します(他の関係ないフレーズは、この際無視してください)。

      1位:イルミナティ
      2位:ファティマ第三の予言 内容
      3位:ファティマ第三の予言
      4位:小笠原優子 夫
      5位:森喜朗 息子
      6位:フォレスタ コーラス
      7位:二木紘三のうた物語
      8位:フォレスタ コーラス 小笠原優子
      9位:小笠原優子
      10位:小笠原優子 ブログ

     どうでしょうか?4位から10位まで、小笠原さん関連フレーズが4つも占めています。今年は「1位  小笠原優子」も何回かありました。どうも1年以上に及ぶ同ランキングの長期観測結果(?)から、「フォレスタ ファン世論調査(??)」におけるメンパー人気順位は、小笠原優子さん、中安千晶さん、矢野聡子さん・・・と、なりそうです。

     歌唱力、美貌、お人柄・・。もう1年半以上フォレスタ活動を休止しておられるのに、根強いこの人気。私は正直なのでつい言っちゃいますが、『小笠原優子さんのいないフォレスタなんて・・』とお思いのファンもおられるのではないでしょうか?

     ・・現在の5人の女声メンバーによる新バージョン『埴生の宿』を手短かにー。
     内海万里子さんの立ち位置が小笠原さんとは逆に、後方左のひな壇に変ったくらいで。ドレスも同じく白で、スタジオ構成は旧バージョンに準じたもののようです。やはり注目は独唱の内海さんということになりますが、「小笠原さんに迫ろうか」というほどこちらも素晴しい歌唱です。

     (本場ズーズー弁の出身者が言うのも何ですが)内海さんは長﨑県のご出身ですが、これまでの独唱では『あれっ、長﨑誂りなのかなぁ』と少し気になるところがありました。しかし今回はそれがキレイサッパリ解消され、聴くほどに心地よい独唱になっています。

     ニューフェイスの内海さんや上沼純子さんは、小笠原さんや矢野さんが既に歌った歌をカバーする場合など、優れた先輩とつい比較されてしまいます。が、それは仕方ないこととして、より高みを目指してご精進いただきたいものです。

     (大場光太郞・記)

    関連動画
    映画予告編『ビルマの竪琴』+唱歌(1985年版)
    http://www.youtube.com/watch?v=Nc8jHAlLBhA
    アニメ映画『火垂るの墓』挿入歌・アメリータ・ガリ=クルチの『埴生の宿』
    http://www.youtube.com/watch?v=Mypgywe49VI&list=RD5aaz9YavQnM
    関連サイト(『二十四の瞳』の『埴生の宿』について)
    『ゆくの菜園日記』-「二十四の瞳」と唱歌と鬼蓄米英」
    http://blogs.yahoo.co.jp/yukumotohirosi/39518303.html

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