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変化(進化)を阻む力

  「新しさ」が生の原理である  (コリン・ウィルソン『賢者の石』より)

 直前の『新しい年に思うこと』は、「変るべきか変らざるべきか?それが疑問だ」と、かのシェイクスピア『ハムレット』中の「生くべきか死すべきか?それが疑問だ」というハムレット王子の大命題にも迫ろうかという、大変重いテーマについて論じたものなのでした。
 と言うのはとんだ大ボラであることは、同記事をお読みの方ならとうにお分りのことでしょう(笑)。

 冗談はさておき―。年初にあたり、今回も「変ること」「変化」について考えてみたいと思います。先ずは、以下に引用しますスピリチュアリズム溢れる文章を味わってお読みください。

「現状からの向上を試みたことのある人なら誰れでもわかるように、エントロピーの力は強大である。エントロピーとは「もの」を動かさないようにする力である。ある状況を変化(進化)させるために必要な努力への抵抗である。心理学的にそれは無気力として現われる。悪習慣を断とうとする場合や、意識の高次能力を活性化させようとする場合などに関係なく、エントロピーと無気力は大敵である」(『マグダラの書』より)

 「悪習慣を断とうとする場合や、意識の高次能力を活性化させようとする場合などに関係なく」、つまり目的の高低、優劣を問わず、およそ「ある状況を変化(進化)させ」ようとする場合、「エントロピーと無気力は大敵である」と、上掲書の著者トニー・ケニオンは結論づけています。
 この場合、外的、物理学的運動の阻害要因としてエントロピー、片や内的、心理学的運動の阻害要因として無気力を挙げているわけです。

 さて本考で問題としたいのは、このうちの内的、心理学的運動の阻害要因としての無気力についてです。

 生身の人間である以上、人は誰れしも時折り「無気力」-ヤル気のなさ、脱力感-に襲われることがあるかと思います。がしかし無気力こそは人間成長にとってまさに大敵です。無気力とは「人」を動かさない(行動させない)ようにするネガティブな力です。そしてそれは外的、物理学的に働くのではなく、当人の内的、心理学的に働くだけに始末が悪いわけです。

 ごく軽度の場合は、当人の自覚、気分転換などによってすぐ「やる気」を取り戻せます。実際仕事などで社会との関わりをもって生きている大勢の人たちは、時々にたくみに気分転換しながら社会生活を何とかうまく維持しています。それにしても大変ですよね、今の時代は。終身雇用などとうの昔に崩れ、所得は上らず、税金は容赦なくむしり取られ、リストラや正社員から非正社員への降格、そして多くの企業が生き残りのためにどんどんブラック企業化していますから。

 端的に言ってしまえば、イヤな例えながら、「生き残りを賭けた」巨大なイス取リゲームに、この国の全国民が強制的に参加させられているような状況です。
 そんな状況にすっかりイヤ気が差して、自ら社会から離れて職業生活と一定の距離を置く人たちもいます。フリーターやニートと呼ばれる人たちです。無気力がより進行すると家族とも顔を合わせたくないという引きこもりになるわけです。 

 もうこれほど深刻化すると単なる無気力では済まなく、うつ病の可能性すらありそうです。学校の登校拒否もそうですが、こういう人たちは、社会の根本的病理に敏感な純粋な魂である人が多いのです。
 しかしそんな非生産的で不健康な状況は、本人にとっても家族にとっても社会にとっても大変なマイナスです。少し厳しい物言いをすれば、結局は「世の中への甘え」なのです。究極のスネかじりです。

 これほど極端ではないにせよ、「無気力」(という病気)を放置して手当しなければそれはやがて「死に至る病」となります。高齡者ならアルツハイマーが確実に進んでしまいます。

 さてその治療法は?
 しっかりした目標を持ってそれに向って行動する、ものぐさにならずとにかく自分の体を動かしてみる、変化やリスクを恐れず新しいものにチャレンジする、気の合う仲間と交流する、取っておきの気分転換法を身につける、ポジティヴ思考を習慣にし物事をあまり深刻に考えない・・・。

 まだまだあろうかと思いますが、ヤル気、モチベーションなどはあくまで内的、心理学的なものです。いかに優れた心理カウンセラーといえども、ほんの氷山の一角しか他人の心をのぞくことが出来ません。
 
  天は自ら助くる者を助く   (スマイルズ『自助論』より)
 
 ある人が地面に倒れたら、自分で手をついて起き上るしかないのです。モチベーションで最も重要なのは「セルフモチベーション」だと言われるゆえんです。

 (大場光太郎・記)

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