ただ今「ネトウヨ」増殖中
9日、お二人からコメントを頂きました。それぞれ別の記事ですが、奇しくも共に「憲法9条」がらみのコメントです。そして共に右系の人のようです。私の返信も併せて、以下に転載してみます。
投稿: キコ | 2014年3月 9日 (日) 19時38分
だから、「家の中に泥棒が潜入して来ない様に防衛する」ための自衞隊が、現憲法「9条」の下で既に長いこと機能してきたわけでしょう。それに我が国の防衛予算は現在、世界3位か4位ですよね。自国防衛のためには、現状の自衞隊による個別的自衞権で十分ではないですか。その上あなたは一体何がお望みなのです?
この記事はどこにも「9条平和憲法など」について言及していないので、筋違いとして無視してもいいのですが、あまりにも捨て置けない戯言・暴言なので―。
>中国、韓国の歴史を知れば
中国、韓国とも何千年もの歴史があり、両国は我が国とも千数百年の近隣交流関係にあります。さてそのうちのどの時点の歴史断面を指しているのか、私には分りません。ご教示願いたい。
貴殿は多分「歴史的に見て両国は侵略国家だ」と言いたいのでしょうが、歴史的に両国が我が国を侵略しようとしたのは元冦のただ一度だけだと思います。対して我が国は、和冦、朝鮮征伐、韓国併合、満州事変、日華事変などで何度も両国に侵略していますよね。それらを「自尊自衞の戦い」などという屁理屈は、侵略された両国民には通用しませんよ。
>9条平和憲法などと掲げる戯言は普通日本人なら発言しませんよ。
「語るに落ちた」とはこのことです。「9条にノーベル平和賞を」ネット署名運動には既に数万人の署名が集まり、なお増え続けています。また最近著名人、文化人が中心となって、「戦争をさせない1000人委員会」が発足し注目を浴びています。
なのにこういう戯言・暴言を平気で吐くから、「ネトウヨはロクに勉強せず極論に走るバカウヨだ」などと言われるんですよ。 (転載終り)
*
【重ねて私のコメント】
なお、その後再確認したところ、ハンドルネームが違うので別の人かと思っていましたが、上の2つのコメントは同一人によるもののようです。
当ブログを定期訪問の方は先刻ご承知かと思いますが、私は「9条護憲派」です。その立場からすれば、「9条の精神」を踏みにじるようなコメントに思われ、つい荒っぽい返信になってしまいました。2番目の返信では「ネトウヨ」という現代用語を使いましたが、この人が本当にその定義にあてはまる人なのかどうかは分りません。
そこで「この人が」ということではなく、一般論として「ネトウヨ」について簡単に述べてみたいと思います。
ネトウヨは「ネット右翼」の略称です。インターネットの電子掲示板(2ちゃんねる)上などで、右翼的、保守的、国粋主義的な意見を発表する人たちを意味しています。ただし、きちんとした保守的主張を発表する人たちではなく、単に自尊自大で排外的な表現を用いる人たちを指す場合が多いようです。
一例としてこういう人たちは、日本という国の優位性を心理上保とうとするあまり、自国を脅かす存在としての中国や韓国を過度に嫌う傾向にあります。そのため「シナ」や「第三国人」という侮蔑的な言葉を瀕繁に使ったり、「在日は半島に帰れ」というようなことを叫びます。そうではないでしょ、これ以上近隣国関係を険悪にしないために中国・韓国をもっと理解すべきではないのですか、などと言おうものなら、「在日が何を言う」という一言で片づけられてしまいます。
こういう人たちはまた、「戦争ができるように今すぐ9条を変えろ」「中国と戦争をして結着をつけよう」「日本も核武装すべきだ」などという危ない極論を、短絡的かつ安直に述べたりします。
先月の都知選で田母神俊雄氏が61万票獲得したことから顕著なように、こういうネトウヨ的な人たちが今確実に増えています。それに田母神氏の場合20代、30代の得票が多かったというからさらに驚きです。
この際はっきり言っておきますが、どの国とであれ次に日本が戦争をするとしたら、それが日本にとっての「ハルマゲドン」(最終戦争)です。今回理由は述べませんが、「日本は戦争をしてはいけない国」なのです。だからこそ、世界に誇れる「平和憲法」が与えられているのです。戦争をして日本が勝つことは決してありません。
「それでも・・・」という人たちは、安倍首相を筆頭に、「邪神、邪霊」に憑依(ひょうい)されている人たちです。
(大場光太郎・記)
| 固定リンク
「日々のこと」カテゴリの記事
- 明けましておめでとうございます 2020年(2020.01.01)
- 行く年来る年2019(2019.12.31)
- 五木寛之 特別寄稿『カーテンコールのない幕切れ』(2019.05.01)
- ブログ開設から満10年を迎えて(2018.04.29)
- 新年明けましておめでとうございます。(2018.01.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ウイグル、チベット、モンゴル、の現状についてどうおもわれますか?
投稿: lo | 2014年3月10日 (月) 06時40分
中国共産党についてどう思われますか?
投稿: yo | 2014年3月10日 (月) 06時53分
拉致被害者の現状をどう思われますか?
投稿: yo | 2014年3月10日 (月) 07時14分
同じ人かと思われますので、まとめてお答えします。
>ウイグル、チベット、モンゴル、の現状について
しょっちゅう暴動やテロが起こり、深刻な状況ですよね。中国は広大な領土の辺縁部にいくつもの少数民族を抱えています。漢民族とは、本来言語、宗教、生活習慣などが皆違います。それを強圧的に押えつけています。本当は、ロシアが旧ソ連から、今問題になっているウクライナなどをそれぞれ独立させたように、ゆるやかな友好関係国にしていけばいいのでしょう。
>中国共産党について
一言で言って良くありませんね。まず旧ソ連崩壊で明らかなように、「共産党支配」にムリがあります。その上「一党独裁体制」ですから。何だかんだ言っても、国民に自由度がある分、「自由主義体制」が現状ではベターかと。中国も早く移行してもらいたいものです。そうすれば、日本にとっての脅威も格段に減りますよね。
>拉致被害者の現状について
安倍首相にとって確かライフワークだったはずなので、安倍政権のもと、一日も早い解決を望みます。
なお、尖閣など他の問題への質問はご遠慮ください。
投稿: 時遊人 | 2014年3月11日 (火) 01時50分
はじめまして、センチュリー大橋と申します。
中国を仮想敵国なんて言ってる安倍さんですが、私は先に戦争を仕掛ける国が日本になるんじゃないかと危惧しています。
言われて見ると、日本が海外から侵略を受けたのは弘安の役と文永の役だけ。しかも中国人というよりはモンゴル人からの襲来と言った方がイメージに近い。
それ以外の戦争は全て日本から始めてますね。
東日本大震災の後の日本が、1930年代の日本とそっくりになってきているように感じます。
治安維持法を彷彿させる特定秘密保護法案や原子力発電所の輸出、円高を意図的に作ったアベノミクス。
政治家は日本国籍の筈なのに、まるで日本を滅ぼしたいようにしかみえません。
投稿: センチュリー・大橋 | 2014年3月13日 (木) 15時34分
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、今の日本の状況は1930年代とそっくりになってきている、と私も感じています。ご指摘の法案など、安倍首相の戦前回帰的政策に特にそれを強く感じます。これは他の記事で何度も述べたことですが、それ以外にも自公独裁状態で野党がまったく無力であること、大メディアが政権ベッタリで大政翼賛報道に終始しているなどもソックリです。
そして何より気になるのが、(本記事のテーマにも関連しますが)国民全体にナショナリズムの機運が戦後かつてないほど高まっていることです。国民が正気で冷静なら、狂気のリーダーの暴走をストップできます。しかし国民までが狂気では破滅へ一直線です。
投稿: 時遊人 | 2014年3月14日 (金) 00時48分
自分のコメントを見ると一部、誤字がありました・・・。
安倍氏が造ったのは円高じゃなくて円安でしたね。
個人的に主様の意見には賛同します。
私は小出裕章さんが好きなのですが、彼自身も憲法9条は守るべきものと認識していらっしゃる。
今勤めてる短期派遣の仕事で同期がアメリカ移住すると。日本から出ていきたいと言っていた時、相手の言い分を否定できませんでしたよ。
日本は自分の国の国民からさえも主権を奪う国家となってしまいましたからね・・・。
次に日本が戦争をするとしたら、それが日本にとっての「ハルマゲドン」。的を得ていると思います。
政府は作戦ネーム(?)山桜で、原発銀座を戦場にシミュレーションしているそうですが、原発の被弾を想定してません。こんな大本営体質で戦争なんてやったら確実に日本滅びますよ・・・。
投稿: センチュリー大橋 | 2014年3月15日 (土) 00時31分
どういうわけか、管理ページに貴コメントあったむね表示されておらず、発見が遅れ失礼致しました。
私も小出裕章京大助教に注目してきました。小出助教のように原発に関して正論を訴える人を排除するのが、この国の原子力ムラと学界のお寒い実情なのでしょう。原発のプルトニウムが即核兵器に転用可ということもありますが、どうも脱原発→9条護憲は限りなく重なり合うようですね。
どこかの国と戦争ということになったら、54基もの原発のある我が国は決定的に不利です。初戦で原発をターゲットにされたらどうするのか。仮に浜岡あるいは柏崎に1発のミサイルが命中すれば、その時点で日本はジ・エンドでしょう。
投稿: 時遊人 | 2014年3月17日 (月) 01時15分