フォレスタの「どこかで春が」
(「フォレスタ どこかで春が」YouTube動画) http://video.fc2.com/content/20120219LtPcPx3P/&otag=1&tk=T1RreE5qUTJPVFU9&start=71.095
(新バージョンは削除されました。しかし貴重な旧バージョンが見つかりましたので掲げます)
どこかで春が
作詞:百田宗治、作曲:草川信
どこかで春が
生まれてる
どこかで水が
流れ出す
どこかで雲雀(ひばり)が
鳴いている
どこかで芽の出る
音がする
山の三月
東風(こち)吹いて
どこかで春が
生まれてる
2011年3月3日公開の『どこかで春が』に少し修正を加えた一文を、以下に転載します。
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私のような世代には、何とも懐かしい「春告げ歌」です。昭和も30年代半ば頃まで、この歌のような昔からの童謡や唱歌を学校でも教え、子供たちも真素直に歌っていました。
百田宗治の歌詞は子供にでも分かる平易でありながら、詞を支える草川信のメロディとあいまって、「どこかで春が」の頃の季節感をあますところなく伝えています。
今冬は例年にない寒い冬の日々が続きました。クリスマス寒波以来今年の1月までは、東日本も西日本も、連日気温が例年を下回る日々だったようです。
厳しい寒さの中でも、近所の水路道の入り口の小ぶりな梅の木は、1月半ば過ぎ頃から白い花をチラホラ咲かせはじめていました。また同じ頃から、近くの空き地やとある家の庭には、これも小ぶりな乳白色の「春告げ花」水仙が咲き出しました。
2月は一度半ば頃低い“谷”があったものの、うって変わって例年を上回る暖かい日が続き、水路道途中の地面からは「春告げ草」フキノトウが可愛らしい小さな芽を出していました。
こういう何気ないことの一つ一つが、「どこかで春が 生まれてる」徴し(しるし)になるものです。どんな厳冬であろうとも、自然の植物はきちんと「春の時」を感知し、花を咲かせるべき時には花を咲かせ、芽を出すべき時には芽を出させるのです。
何とも霊妙な自然の摂理よ、と思わずにはおられません。
私にとって『どこかで春が』を聴いたり口ずさんだりすると、真っ先に郷里の春先の情景を思い浮かべます。この歌を歌っていたのは子供時代、そして当時は郷里に住んでいたからです。
当時の思い出を、08年4月『二木紘三のうた物語』のこの歌にコメントしたことがあります。以下にその主要部分を転載します。(なお適宜段替え、一部修正をしています。)
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少年が春の大陸発見す
我が山形(私が子供時代を過ごした山形)で『どこかで春が』といえば、根雪がすっかり解けきった、4月初旬頃の感覚だったでしょうか。それでも、この歌のように3月、雪が方々で解け出して、日を浴びてきらきら輝きながら土の上を流れるさまを見て、『あヽ春が来た』と思ったことがあったような…。
小学4年の前後のこの歌の感じの頃。近所のある先輩が、望遠鏡なるものを初めて覗かせてくれました。もちろん本式のものではなく、子供用のものだったとは思いますが。そんな望遠鏡でも、何百メートルか先の、普段見慣れた景色の一点に照準を当てて覗きますと、まったく見たこともない別世界に出会ったようなワクワク感を感じますから、子供とは何とも幸せなものです。
雪は既に解けていて、春先の淡淡(あわあわ)した草が、やけに鮮明に目に飛び込んできたことを覚えています。
それは、アメリカ大陸を遂に発見し、遠くの船上から望遠鏡でかの大陸を覗き込んだコロンブスの興奮にも匹敵するものではなかったろうか?そう思って作ったのが冒頭の句です。(かなりオーバーですね。) (以上転載終わり)
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『どこかで春が』は大正12年に発表された、「童謡黄金期」である同時期を代表する名童謡の一つです。その後今日まで根強い人気を保ち、2007年(平成19年)、「日本の歌百選」の一曲に選ばれました。
今回フォレスタコーラス曲として取り上げたのは「NEWバージョン」です。歌っているのは、白石佐和子さん、吉田静さん、内海万里子さん、中安千晶さんの4女声です。1分30秒弱と短い歌ですが、聴き応え十分、いかにも「春告げ歌」らしい清々しいコーラスです。
出だしは画面右の白石さん、吉田さんお二人の歌唱から始まりますが、特に吉田さんの歌唱が光っており、中安さん、内海さんが加わった全体を通してもこのコーラスに安定と奥行きをもたらしているように思われます。
ところで「NEWバージョン」ということは、『元々のバージョンもあるはず』と思って探しましたが、どなたも動画アップされていないようです。以前のどなたかの動画で聴いたことがあったような、なかったような。初代女声によるものだったのでしょうか?
最近同じ歌の「撮り直し」が増えたことにより、新旧両方聴き比べながら、『うん、こっちの方がいいぞ』とか『いやあ、あっちの方がよかったなぁ』と言う、勝手な一人批評をする楽しみができました。
と言うことばかりではなく、この歌の「旧バージョン」是非聴いてみたいものです。もし動画アップ出来る態勢にある方がおられましたら、よろしくお願い申し上げます。
さて「NEWバージョン」、4女声のゴージャスなコーラスもさることながら、皆さん「麗」そのもののピンクのドレスで、その上画面背景はパステルカラー調で。「どこかで春が」どころか、「どこにも春が」のような華やいだ雰囲気です。
お陰様で視聴した私も、春真っ盛りを先取したかのようなウキウキ気分にさせていただきました!
(大場光太郎・記)
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