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フォレスタの「ゴンドラの唄」

    (「フォレスタ ゴンドラの唄HD」YouTube動画)
     https://www.youtube.com/watch?v=MPh4N0wRZd4


    ゴンドラの唄  (作詞;吉井勇、作曲;中山晋平)

1.いのちみじかし 恋せよおとめ
  あかきくちびる あせぬまに
  熱き血潮の 冷えぬまに
  あすの月日の ないものを

2.いのちみじかし 恋せよおとめ
  いざ手をとりて かの舟に
  いざ燃ゆるほほを 君がほほに
  ここには誰も 来ぬものを

3.いのちみじかし 恋せよおとめ
  波にただよう 舟のように
  君が柔手(やわて)をわが肩に
  ここには人目の ないものを

4.いのちみじかし 恋せよおとめ
  黒髪のいろ あせぬまに
  心のほのお 消えぬ間に
  きょうはふたたび 来ぬものを

 先月下旬頃から、当ブログにおける小笠原優子さん人気が凄いです。詳しくは後ほどあらためて見ていくことにしますが、当ブログ「検索キーワードランキング」で全キーワード中「小笠原優子」が、今月初めからトータル1位を独走中なのです。
 そこで今回は小笠原さんに敬意を表し、小笠原さんが独唱しておられる『ゴンドラの唄』を取り上げていきたいと思います。

                       *
 『ゴンドラの唄』 聴くほどに、口ずさむほどに、浪漫(ろまん)の香気高い名曲です。吉井勇(作詞)、中山晋平(作曲)という当時気鋭の二人によってこの曲が世に出されたのは大正4年(1915年)のことでしたが、「大正ロマンとは何か?」という問いに、「それは『ゴンドラの唄』だ」と言っていいほどなのではないでしょうか。それほど当時の時代精神のエッセンスが凝縮されている名曲であるように思われます。

  いのちみじかし 恋せよおとめ

 1番~4番の冒頭に置かれたこのフレーズがすべてを語っています。今から約100年前の歌であることを考えると、過剰なほどオープンな「少女(おとめ)賛美」であり、「恋愛のすすめ」(というより「恋愛のそそのかし」)と言うべきです。
 吉井勇のこの歌詞はさまざまな方面からの影響が見られるようです。その一つが、明治歌壇に彗星のように登場し、一世を風靡した与謝野晶子の歌集『みだれ髪』です。

  その子二十(はたち)櫛に流るる黒髪のおごりの舂の美しきかな
  やは肌のあつき血汐(ちしお)にふれも見でさびしからずや道を説く君
  春みじかし何に不滅の命ぞとちからある乳(ち)を手にさぐらせね

 吉井勇の詞の情感を、中山晋平のメロディがいやが上にも高めています。晋平は東京音楽学校(現・東京芸術大学)時代、「近代童謡の父」本居長世に師事し、後に『シャボン玉』『雨降りお月さん』『砂山』などの名童謡を残すことになります。

 中山晋平は18歳の時、(文芸評論家、演出家、劇作家、小説家、詩人の)島村抱月宅の住み込み書生になりました。島村は晋平に「大衆なくして芸術はない」と説きます。島村が大正2年(1913年)、(女優の)松井須磨子らと旗上げした新劇運動「(第一次)芸術座」に参加し、「庶民の心を歌う大衆作曲家」としてのスタートを切ったのでした。

 大正4年(1915年)、芸術座公演のトルストイ『復活』の劇中歌『カチューシャの唄』の作曲をはじめとして、翌大正5年(1916年)公演のツルゲーネフ『その前夜』の劇中歌としてこの『ゴンドラの唄』を作曲したのです。

新小唄3 ゴンドラの唄/吉井勇作詞 中山晋平作曲

新小唄3 ゴンドラの唄
大正8年/セノオ音楽出版(重版) 竹久夢二木版装

 すぐ上で見ましたように、『ゴンドラの唄』は、ツルゲーネフ原作の小説『その前夜』を劇化した芸術座公演の劇中歌として歌われたものです。そこで(ツルゲーネフは『父と子』と『はつ恋』しか読んだことのない)私は素朴な疑問を持ちました。(多分多くの方もそうかもしれませんが)ツルゲーネフはロシアの文豪なのだから帝政時代のロシアが舞台のはず、片やゴンドラは“水の都”イタリアのベネチア名物のはず、なのに何で「ゴンドラの唄」なんだ?

 その疑問に明解に答えているネットサイトがありました(末尾にサイトタイトルとURLを載せておきます)。
 『その前夜』は、ロシア人の若い貴族女性とロシアに留学中のブルガリア人青年との恋愛を中心としたストーリーのようです。だから物語の大半は確かにロシアが舞台ですが、終り近くで二人はベネチアに旅立ち、かの地でブルガリア人青年は病いを得て客死してしまいます。

 芸術座公演『その前夜』でも、5幕まではロシアが舞台、終幕がベネチアとなっており、劇中歌『ゴンドラの唄』はこの終幕で、二人を乗せたゴンドラの船頭が歌ったのです。

 ただツルゲーネフの原作にはゴンドラを歌った歌は存在しません。むしろ原作では「船頭は歌わない」という注釈がついているといいます。なのに劇中歌『ゴンドラの唄』が歌われたのは、当時の日本語訳では同注釈が省略されていたこと、前年の劇中歌『カチューシャの唄』(歌ったのは主役の松井須磨子)の大ヒットに気を好くしたこと、などが挙げられそうです。

                       *
 『ゴンドラの唄』が良い歌であることは疑いようもありません。ただ当初は中山晋平はこの歌を失敗作と思い、吉井勇もさほど深い思い入れはなかったといいます。しかし30年以上経った戦後昭和の一本の映画の中でこの歌が印象的に使われたことにより、二人とも認識を新たにしたということです。その映画とは黒澤明監督作品『生きる』(1952年)です。

 これはあまりにも有名なのでご存知の方が多いかと思いますが、映画『生きる』の中で、(往年の名優)志村喬演ずる一市役所の市民課長が、この歌を歌うシーンがあります。



 主人公の渡辺勘治は、30年間無欠勤という模範的な役人でしたが、ある日、自分が胃ガンで余命幾ばくもないことを知らされます。早くに死に別れた妻との間にできた息子にも冷たくされ、絶望と孤独に陥った彼は、街へさまよい出て、飲みなれない酒を飲むのです。ああ、自分の人生はいったい何だったのか。彼は生きることの意味を考え始め、人生の最後の時間にほんの少しでも市民の役に立つことをしようと思い立ちます。
 住民の要望を死にもの狂いで実現し、彼の努力により児童公園が完成します。そして小雪の舞う夜、完成したばかりの公園のブランコに揺られながら、彼はこの『ゴンドラの唄』を楽しげに歌うのです・・・。

  心のほのお 消えぬ間に

 『生きる』のこのシーンは観客に深い感動を与え、『ゴンドラの唄』は新たな意味を帯びて甦ることになったのです。すなわち、単なる恋愛の歌から、老若問わず万人誰しもの生の儚なさ、いとおしさを謳い上げる歌へと。

                       *
 『ゴンドラの唄』について述べたいことが多くずいぶん長くなってしまい、フォレスタファンの皆様大変申しわけございません。

 『フォレスタの「ゴンドラの唄」』 歌うは小笠原優子さん、白石佐和子さん、矢野聡子さん、中安千晶さんの初代女声メンバーです。全体のコーラスあり、2番では小笠原さんのソロあり、各番の後半は矢野さん、中安さんの上ハモありと、趣向を凝したコーラス曲となっており、しっとりしたなかなか良い『フォレスタの「ゴンドラの唄」』です。

 冒頭掲げました歌詞は4番までありますが、3番を省いて歌われるのが通例のようです。いずれにしても、こういう名叙情歌に初代女声フォレスタは本当にピッタリでしたね。(おそらくこのメンバーで歌われることはもうないのだろう)初代女声には、何やら郷愁のようなものを感じてしまいます。

 ところで、上で少し触れたサイト氏は、以下のようにも述べています。

 歌の文句は要するに口説き歌で、昔風に相聞歌などといえばまだ聞こえがよいですが、今風にいえばナンパ歌、男が若い娘を恋に誘う歌です(特に二番、三番の歌詞)。けっしてPTAの推薦を受けられそうな内容ではありません。
 最近ではこの歌が「叙情歌(抒情歌)」という範疇で扱われることもありますが、きれいなソプラノの声で清く正しく美しくという感じで歌い上げられるのを聴いていると、なんだかこちらの方が気恥ずかしくなってしまいます。(転載終り)

 実はこのサイト氏は(その後分ったことには)山形大学人文学部の相沢直樹教授らしいですが、同サイトは最近の自著『甦る「ゴンドラの唄」』の紹介ヘージであるようです。どうりで優れた論考なわけだ、ということはさておき。
 上の引用文中の、「きれいなソプラノの声で清く正しく美しくという感じで歌い上げられる」という相沢教授の指摘はまさに『フォレスタの「ゴンドラの唄」』評、小笠原優子さん独唱評そのもののようです。私の感じでは、この先生、『BS日本・こころの歌』でか動画でか『フォレスタの「ゴンドラの唄」』を聴いていると思いますね、きっと。

 私は、「きれいなソプラノの声で清く正しく美しくという感じで歌い上げられる」小笠原さんなどのこの歌い方を強く支持します。特に小笠原さんの清純、清潔なイメージは、結婚された後でも変わりありませんし。願わくば、女声フォレスタには、今後とも「清く正しく美しく」あり続けていただきたいものです。

 さて冒頭の、「先月下旬頃から、当ブログにおける小笠原優子さん人気が凄いです」という件についてです。論より証拠、次の当ブログの今月の「検索キーワードランキング」(16日時点)をご覧ください。

キーワードの「not provided」は、検索結果ページにSSLが適用されていたため、検索キーワードを取得できなかった場合に表示されます。(注 GOOGL検索)(なお、「入口回数」より右のヤフー検索などの項は繁雑になるため、省略します。)
 
No.キーワードページビュー数入口回数
1 (not provided) 3,040 2,436
2 小笠原優子 136 86
3 イルミナティ 95 78
4 年齢 白石佐和子 77 39
5 中安千晶 60 38
6 朝青龍 関東連合 58 55
7 二木紘三のうた物語 54 42
8 森祐喜 50 36
9 矢野聡子 46 28
10 押尾学 田中香織 41 32
 
 
                
 また当ブログトップページ左サイトの日変り「検索フレーズランキング」でも、先月下旬頃から「小笠原優子」フレーズが毎日のように1位になっています。何かきっかけがあったはずですが、新年度番組編成にあたり「小笠原さん復帰」ということでもないようです。どうしてなのでしょう?どなたかご存知の方はお教えください。

 これをもって、「これがフォレスタ世論調査結果だ」などとおこがましいことを言うつもりはありません。ただ、一つの指標にはなると思います。

 以前にも述べたことですが、活動休止して長いのに「小笠原優子人気健在なり」を、あらためて実感させられます。多くのファンにとって、小笠原さんの歌う姿が、いまだ消えずに鮮烈に残っているということなのだろうと思います。

【追記】
 本文中で挙げました『カチューシャの唄』、『ゴンドラの唄』とともに大好きです。しかしなぜか女声フォレスタはまだ歌っていませんよね。これは以前から、「女声フォレスタ七不思議の一つだ」と思っていたところです(笑)。今後是非歌っていただきたいものです。出来ましたら、「復活」なった小笠原さんの独唱をお聴きしたいですね!
【追記2】
 東海林太郎様、nonnta様が、小笠原優子さんに関する耳よりな情報をお寄せくださいました。「フォレスタ通信」によりますと、小笠原さんが10月のコンサートから復帰されるとのことです!この大吉報を掲載しているフォレスタ通信当該ページのURLは以下のとおりです。
http://foresta.music.coocan.jp/diary/img/0419text.jpg


 (大場光太郎・記)

参考・引用
『甦る「ゴンドラの唄」(紹介ページ)』
http://www-h.yamagata-u.ac.jp/~aizawa/mat/gondola_book.html
関連動画
映画『生きる』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=_mLrLHDdXHI

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コメント

吉報です。小笠原優子先生が10月のコンサートでFORESTAに復帰するようです。男声には新メンバーの塩入功司先生が加入されるようです。「FORESTA通信」より

投稿: 東海林太郎 | 2014年4月21日 (月) 12時12分

自遊人様、
こんにちは、初めて投稿させて頂きます。

「小笠原優子さん」の件ですが、フォレスタ通信に、10月のコンサートに復帰の報が載りました。
(検索ランキングとの相関は不明ですが)
休演中の小笠原さん、矢野さんファンとしては喜ばしい限りです、この上は矢野さんの復帰が望まれるのですがどうなんでしょうか?

男声フォレスタメンバーに新しく「塩入功司さん」が、加入されることも報じられています。

投稿: nonnta | 2014年4月21日 (月) 13時05分

東海林太郎様、nonnta様

 このたび貴重な情報をお寄せくださり、大変ありがとうございました。東海林太郎様にはいつもタイムリーにコメントいただき感謝申し上げます。
 小笠原優子さんが「10月のコンサートでFORESTAに復帰」とのことですが、まさに大吉報ですね!花子ちゃん子育てのこともあり全面復帰というわけにいかず、近郊のコンサートからということのようですが、ともかく良かったです!この件本文【追記2】として紹介させていただきます。あしからずご了承ください。

 また「FORESTA通信」によりますと、併せて男声フォレスタメンバーとして塩入功司さんが、新加入とのことです。担当はハイバリトンだそうですが、どんなお声お姿の人なのか、今から楽しみです。

 nonnta様、はじめまして。おっしゃいますとおり、あとは矢野聡子さんの復帰が待たれますね。ただ矢野さんは現在海外在住とのことで、復帰には時間がかかるかもしれませんが、「首を長くして」お待ちしましょう。

投稿: 時遊人 | 2014年4月21日 (月) 14時26分

自遊人様、こんにちは、返事コメントをいただき、ありがとうございます。

大場さんの過去ログ「フォレスタ個人情報」に記述があるように、「矢野聡子さん」についてはミステリアスな部分が多く神秘のベールに包まれています。
(未だ矢野さんファンが多い一因かも)
矢野さんのご主人様のご職業次第と思いますが、いずれ帰国されると思いますので、復帰があるとすればその時に条件が整っているかどうかだと思います、もし国際結婚されているのなら絶望的かもしてませんねぇ~
いずれにしてもファンは「首を長くして」待つしかありませんね。


投稿: nonnta | 2014年4月23日 (水) 16時40分

 nonnta様、重ねてのコメントありがとうございます。
 そもそも「フォレスタブーム」に火を着けたのは、2011年夏頃からのお二人による動画アップによってだったのではないかと思われます。何を隠そう私自身それによって初めてフォレスタを知ったのですが、その時の女声各動画へのコメントで、断トツ人気が矢野聡子さんでしたよね。
 お二人の動画はその翌年の4月に全削除され、あい前後して『フォレスタ通信』で「矢野さん結婚により活動休止」が発表され、その後は「海外在住」とのみ。
 矢野さんご自身でのブログ発信などはなく、他メンバーブログでも矢野さんへの言及は一切ないようだし。矢野聡子ミステリーの始まりです。『夏は来ぬ』や『赤とんぼ』などの矢野さん独唱パートなどを今聴いてみますと、思わずジーンとなって目がウルウルしてしまいます。

投稿: 時遊人 | 2014年4月24日 (木) 00時43分

時遊人様、

大変な失礼をしておりました、お許しください。
HNを間違えておりました、間違えないよう意識しておりましたのに、きっちり間違えておりました、歳はとりたくないものです。

私がフォレスタを知ったのも”youtube”への投稿を見たのがきっかけでした。
削除にめげず投稿をしてくださる2名の方に大感謝です。
2011年当時から「矢野さん」がコメント数トップだったようですね、彼女の清らかに澄んだ声は誰にも愛されると思います。
ご指摘の「夏は来ぬ」「赤とんぼ」と共に「庭の千草」「夕焼け小焼け」なども彼女の代表歌唱でしょうか!

投稿: nonnta | 2014年4月24日 (木) 17時56分

nonnta様、どう致しまして。「時遊人」は、何かと制約の多いこの時空間を超えて、せめて心だけは自由にのびのび遊ばせたいものとの願望からつけたものです。自由人=自遊人=時遊人ですから気にしないでください。
 今あらためて聴き直してみますと、矢野聡子さんの印象的な歌唱がずい分ありましたね。おっしゃるとおり、『庭の千草』『夕焼け小焼け』もいいですよね。それ以外にも、『搖藍のうた』『月の沙漠』『湖畔の宿』『冬景色』・・・。また白石佐和子さんとのデュエットの『浜千鳥』『赤い靴』『真夜中のギター』も秀逸ですね。
 以上挙げました曲のうち、『庭の千草』と『真夜中のギター』を除くすべては、当ブログフォレスタ記事として既に取り上げています。矢野さんのご結婚について早い段階でコメントした『花かげ』も併せまして、よろしかったらお読みください。(『庭の千草』と『真夜中のギター』もいずれ取り上げる予定です。)
 あのお、この記事は小笠原優子さん協賛記事のつもりでしたので、「矢野聡子さんのその後を考える」コメントが続きますと、小笠原さんファンの方々に怒られそうです(笑)。この記事の矢野さんコメントはこの辺で終りにしませんか。上に挙げました矢野さん関連記事にまたコメントをお寄せください。
【追記】『浜千鳥』にnonnta様、コメントされていましたね。なかなか良いコメントで味わい深く読ませていただきました。また『庭の千草』『夕焼け小焼け』聴き直しましたが、ウ~ン、確かに。特に『庭の千草』は、ワンダフル、ビューティフル、エクセレント!ですね。

投稿: 時遊人 | 2014年4月25日 (金) 00時46分

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