折り折りの短歌(4)
(@niftyココログ提供ブログパーツ「日替わりにゃんこ」より)
大山の方辺(かたえ)に今し(いまし)沈む日の強く生きよとばかりの光
陽光にあまたの人ら行き交うもピカと光れる人やあるらん
夕刊紙一面「衆愚」の文字躍りホワイトデーチョコ店頭販売
「春ですよ」周りのすべてが告げているそんなうららの昼下がりかな
午後の空にわかに曇り春雷(しゅんらい)が轟(とどろ)き激し雨となりたる
小雀の群れがフェンスの上などで早春の舞い踊りたるかや
一本の大き桜にただ一つぱっと開ける蕾ありけり
わが心研ぎ澄まさせてさえおれば巷でさえも詩を汲まざらん
西方(にしかた)の大山影絵の如く在る夕べに近き春の刻(とき)かな
二三分は咲いていたるか遠近(おちこち)の桜眺めて遠く歩めり
大川の川州(かわす)の際(きわ)の鴨数羽何も想わずただ在りしのみ
哀愁の街かどうかは知らないが夜更けの街に霧が降るのだ (※1)
「米国と世界激動の3月か」予測どおりのこの月終わる
満開の桜の間(ま)より仰ぐ月「♪私は一人になりました」 (※2)
咲き満ちし桜を愛(め)でる暇(いとま)なく少しの風に散り初(そ)むるとは
(大場光太郎)
【注記】
※1 昭和30年代初めに『哀愁の街に霧が降る』という歌謡曲あり。そのもじりか、椎名誠に『哀愁の街に霧が降るのだ』というタイトルの小説あり。それをさらにもじったのが、この短歌です。ただし夜霧が出ていたのは事実です。
※2 唱歌『花かげ』の一節です。多くの人が歌っていて動画にもアップされています。中でも『島田祐子の「花かげ」』が私のもっとも“お気に入り”で、最近頻繁に聴いています。この名曲にこの名唱!
http://www.dailymotion.com/video/x2jh1v6
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