総理はどこで間違えたのか 「安倍退陣へ」これから起きること【緊急対談】(週刊現代)
-夕方当市役所1階に私個人の証明書を取りに行った。交付されるまでロビーで待ちながら少し大きなテレビ画面をちらちら見た。参院での国会審議だった。NHKもきょうは中継しているようだ。政府側からは安倍総理、岸田外相、中谷防衛相といつもの面子だったが、質問者は見慣れぬ議員で、声がうんと絞ってあったので何について論じ合っているのかよく分からなかった。私が気になったのは席に座っている安倍総理が何となく元気がない風だったことだ。心なしかうつむき加減で顔色も悪いようだった。衆院時のような「オレがオレが」のイケイケドンドンぶりは陰を潜め、覇気が感じられなかったのだ。いくら裸の王様とはいえ、支持率急降下は把握しているだろうし、戦争法案への凄まじいほどの国民の反対の声が伝わっていないはずはあるまい。加えて礒崎補佐官や武藤衆院議員ら親衛隊による舌禍事件も頭が痛いことだろう。安倍はしょせん「お坊ちゃま」だ。攻める時は強いかも知れないが、いったん守勢に転じると意外に脆いタイプなのかもしれない。やはり55年前とパラレルで祖父岸信介と同じく退陣の道をたどることになるのだろうか。しかし何度も言うが「戦争法案成立花道論」では意味がない。安倍の悪行三昧からして退陣は即議員辞職に直結するだろうからそれでいいのだが、凋落米国兵士肩代わりの法案を置き土産にされたら国民はたまったものではない。安倍退陣以上に重要なのは戦争法案廃案である。 (大場光太郎・記)-
(一言「バアヤ、バカこくでねえ」 なおこの画像は以下の転載文本来のものとは違います。)
総理はどこで間違えたのか 「安倍退陣へ」これから起きること 【緊急対談】浅川博忠×鈴木哲夫(週刊現代)
http://www.asyura2.com/15/senkyo189/msg/883.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 03 日 09:02:05
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44457
2015年08月03日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
■すべてがズレている
浅川博忠 私は今の安倍政権を「ダブル一強」と呼んでいます。つまり政党では自民党、その自民党内では安倍さんが突出している。安倍さんは非常に運がよくて民主党の失政3年3ヵ月のおかげで高い支持率を得たわけです。
ところが、そのことによる慢心から、世論を蔑ろにして今回の安保関連法案の強行採決に走り、一気に支持率が低下した。
これで石破さんや岸田(文雄外務相)さんなどをはじめとした党内のリベラル派の人たちがようやく「安保法制は国民の理解が足りていない」「総理のやり方はおかしいのではないか」と、政権に苦言を呈する動きを見せ始めた。それでもまだ谷垣幹事長なんかは声を上げきれてなくて、独裁体制を許してしまっている。
鈴木哲夫 まったく同感です。これまでは安倍一強の慢心、驕りがあり、党が緩んでいた。党内で議論がないというのは、与党として健全じゃない。
だから、今回、せっかくリベラル派から上がり始めた声を潰そうという動きがあるのは非常に残念。党は議員のテレビ出演をやめさせたり、街頭演説を禁止したりしています。こうした動きは、かえって自民党の活力をそぐと思います。
安倍さんは、朝日新聞や東京新聞の世論調査は気にしていないけれど、読売新聞と日テレ系のNNNの世論調査は気にしています。6月、国会を会期延長した際もNNNの世論調査の結果を知って決めたといわれている。当時は支持が41%で、不支持が39%でした。安倍さんはこんなに差が詰まったのかと側近に漏らしたそうです。
浅川 安倍さんなりに危機感はあり、その結果、抑圧が強くなっていると。
鈴木 はい。ただ、その対応がズレている。安倍さんが世論をつかむ感度に若干問題があると思うんです。
7月15日の強行採決の前に派閥の総会があって、それぞれのボスがいろんな発言をした。その中で石破さんが「なんか自民党、感じ悪いよね」と言った。私はこれがいちばん素直な世論に近いと思うんです。
安保法制そのものが悪いというよりも、国民への説明が足りないことや、法案審議の進め方が横暴に見えるというのが世間の批判でしょう。ですが、安倍さんは安保法制の中身についてばかり説明しています。これはピントが外れていると思う。党幹部もこれをわかっていない。
この状況は、第一次安倍内閣の時に雰囲気が似ています。'07年当時、支持率がどんどん下がってくる中で7月の参院選を迎えることになった。その時、ちょうど新潟県中越沖地震が起きて、安倍さんはチャンスとばかり、ツナギを着て被災地を回った。すると、支持率はさらに下がったんです。国民には、被災地訪問が人気取りだということが見え見えだった。
今回も強行採決をやったあとに新国立競技場のプラン見直しを発表したけれども、支持率は回復していない。安倍さんのやっていることは逆効果になっている可能性もある。危うさを感じます。
■どんどん増える不満分子
浅川 ポイントを外しているという点では、今回の安保関連法案を見てもわかるように、安倍さんの政治は外交防衛に偏りすぎです。なぜこうなるかというと、祖父である岸信介の影響を受けすぎているから。
来年7月には参院選挙がありますが、もっと福祉や経済など国民生活に密着した点を重視しなければ、自民党は勝つことができないでしょう。そのあたりもリスクは大きい。
鈴木 強行採決をした7月15日は、むかし岸信介内閣が総辞職した日だそうですね。浅川さんはかつて岸信介にも会っておられますよね。
浅川 '60年安保のとき安倍総理は5歳ですけど、おじいちゃんから、本当は憲法改正までやりたかった、それが心残りだと、何度も何度も聞かされているんです。彼は、いわば祖父の無念を晴らすために政治家になっている。その思いがあまりに強すぎて、バランスを欠いてしまっています。
鈴木 これからの政権にとって関門になるのは、参院の安保関連法案審議です。すでに参院からは選挙制度改革について不満の声が上がっている。
選挙制度改革の結果、参院の定数が、「10増10減」になる可能性が高い。議席が減る選挙区からはもちろん不満が出ますし、増える選挙区でも自民党有利になるとは限らない。定数が増えるのは都市部ですから、自民党は複数候補を立てるところが出てくる。もし安倍さんの支持率が高ければ2人当選する可能性もあるけれども、支持率が下がっていれば、票を食い合って共倒れになる可能性もある。
そもそも自民党の参院議員にしてみれば、今回の強行採決だって不満です。来年7月に選挙を控えているのに、なぜわざわざ支持率を下げるようなことをしてくれたんだ、来年の選挙で自分たちが危うくなるじゃないか、と。
こうした不満のガス抜きができなければ、もしかすると安保関連法案の参議院通過は、そうすんなりいかない可能性もあると思います。
浅川 もし60日ルール(法案が衆院通過後、60日以内に参院で採決されない場合、衆院で再議決できるようになる)を適用するなんてことになったら、さらに支持率は下がるでしょう。
かりに、こうした難局を乗り切って、9月の総裁選で再選したとして、安倍さんにとって難しいのは、そのあとの改造人事です。
いま自民党には入閣資格者が60人くらいいる。このうちの1人が、「地元で、いつ入閣するのかと突き上げを食っています」とため息をついていました。当然、大臣になれるのは、ひと握り。入閣待ちの議員で今度の改造人事の選に漏れた人たちが反安倍に走る可能性がある。二階さんのような「誰でも受け入れるタイプの人」のところに行くでしょう。そうすると、安倍政権にも不穏な空気が立ち込めます。
■最後はまた自爆
鈴木 そうですね。普通、改造人事は支持率の回復要因になります。次の改造でも、たとえば菅さんを幹事長にする、稲田さんを官房長官にして目玉にするなどいろいろ考えられる。実際、稲田待望論は総理の周囲から出ているようですから。
ただ、このまま支持率の下落傾向に歯止めがかからなければ、改造人事も「人気取りだ」と見られ、さらに支持率が落ち込む可能性がある。
第二次安倍政権の様子を見ていると、改造人事での支持率アップは難しいかもしれません。これまで、安倍政権でいったん落ちた支持率を上げてきたのはすべて外交なんです。現在もやはり、プーチン訪日に向けてのロシア外交や、安倍総理訪中を目指しての中国外交に力を入れています。逆にいえば、外交以外では点数が稼げない。
浅川 改造人事については、安倍さんがお友達を切れるか、という別の懸念もある。第一次政権の時は、塩崎恭久さんを切ることができなかった。そこにはこだわりがあったみたいですね。
祖父の岸さんは「カミソリ岸」と呼ばれたキレ者であると同時にケンカ上手。商工官僚時代、上司に不満をぶつける際、自分の部下の辞表を集め、上司に叩きつけていたそうです。そうした強かさがないと、安倍政権も長続きしないでしょう。
鈴木 彼は第一次政権で、いろんな人に気を遣い過ぎたあげく体調を崩してしまい、やめざるをえなくなった。だから今回は、自分の思ったようにやると決めて、実際にそうしてきたわけです。でも、それで独りよがりになり、負のスパイラルになりつつあることを本人が気づいていないのではないか。
総裁選の無投票再選にしても、むしろマイナスじゃないかと思うんです。ちゃんと選挙をやって議論をしたうえで、挙党一致を打ち出すべきでしょう。いろんな人の意見に耳を傾けるべきです。このままでは自爆してしまうのではないか。
浅川 先日会った自民党の幹部は、「総裁選が無投票ではあんまりだから、消化試合程度の総裁選があってもいいのではないか」と言っていました。幹部にそういった油断があると、足をすくわれるおそれがある。こういった状況で失言や暴言が出ると、状況は読めなくなります。
鈴木 同時に、国会の外の様子も気になります。
いま、国会前のデモが激しいですが、谷垣さんが今回の強行採決で「'60年安保のときより平穏だ」などと言っていましたが、とんでもない。なぜこんなに感度が鈍いのかと思います。
国会の中では、60日ルールで安保法案はもう決まったような空気になっていますが、国会の外へ出ればまったく違う。いま反対集会に出ている人たちは、原発再稼働反対の時よりもずっと普通の人たちですよ。組合の旗なんか、ほとんどない。
来年の春には、安保法制について、小林節慶大名誉教授や長谷部恭男早大教授が中心となって、違憲訴訟を行う予定もあります。国会の外の動きを蔑ろにするということは、国民の声を無視するということです。安倍政権はひどいしっぺ返しを食うことになります。
すずき・てつお/'58年、福岡県生まれ。政治ジャーナリスト。フジテレビなどを経てフリー。著作に、『政治報道のカラクリ』(イースト・プレス)など
あさかわ・ひろただ/'42年、東京都生まれ。政治評論家。民間シンクタンク・産業計画会議を経て独立。著作に、『政権交代狂騒曲』(講談社)など
「週刊現代」2015年8月8日号より (転載終わり)
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