フォレスタの「追憶」
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久しぶりの「フォレスタコーラス」記事です。
今回取り上げるのは『追憶』です。
「追憶」には「懐かしい過ぎ去った事を回想する」という意味合いがあるかと思いますが、この歌自体が「懐かしい」ですね。これは私だけではなく、これをお読みの多くの方がそうだと思いますが。今はどうか知りませんが、私の場合小学校高学年に音楽の授業で習い『いい歌だなあ』と思った記憶がありますから。
今回分かりましたが、元々はスペイン民謡とのことです。
しかし日本では昭和14年(1939年)に邦訳として発表されましたが、その時はアメリカの賛美歌『Flee as a Bird』を元にしたそうです。訳詞者は古関吉雄(こせき・よしお)という人です。この人は1908年福島に生まれ、東京帝国大学国文科卒で明治大学国文科教授だったというくらいしか分かりません(没年不詳)。
アメリカの賛美歌『Flee as a Bird』は、アメリカの女流詩人、作曲家のメアリー・ダナ(1810~1883)が1841年に発表した曲だそうです。賛美歌である以上聖書的な背景が原詞にはあり、旧約聖書『詩篇第11』を元に作られたのだそうです。
それはどういう内容かといえば、
わたしは主に寄り頼む。
何ゆえ、あなたがたはわたしにむかって言うのか。
「鳥のように山に逃れよ。(以下略)」 (日本聖書協会口語訳より)
ということのようです。
『詩篇』の編者とされるダビデ王(紀元前十世紀頃)ですが、ある時、それまで仕えていた初代イスラエル王サウルの妬みにより追われる事態となります。その時友人たちが、ダビデに忠告として言ってくれた言葉だったのです。それに対しダビデは、「ご助言どうもありがとう。しかしわたしはただただ主に寄り頼むのみ」という強い信仰心を示したというのです。
『知らなかったなあ。この歌にそんな背景があったなんて!』
以上のような次第なのにどうして今日でも「スペイン民謡」とされているのか、それはよく分からないようです。あるいは新大陸アメリカには歌の分野でもイギリスやヨーロッパ各国からさまざまな歌が持ち込まれ、メアリー・ダナは元々スペイン民謡だった曲に多少のアレンジを加えて賛美歌として作り直したものでしょうか?
そんな経緯を抜きにしても、掛け値なしに好い歌には違いありません。
歌詞を紹介できないのが残念ですが、古関吉雄の邦訳は詩的香気も高く、賛美歌を離れて日本的叙情性に溢れた歌詞となっています。習い初(そ)めてから何十年も経ってあらためて聴き直すに、過ぎ去った懐かしい「あの時かの時のさまざまな場面」が思い起こされてきます。
「過ぎ去りし事ども、皆美しき」
たとえその時は辛く、苦しく、悲しく、惨めで、罪に感じたような出来事だったとしても 。「澄みゆく心に しのばるる昔 ああ懐かしその日」 この歌が、「すべての経験は必要、必然、ベストだったのだよ」と、やさしく肯定してくれているようです。
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フォレスタは最近特に、『えっ、フォレスタがまさかこんな歌を歌ってくれたの!?』と、つい嬉しくなってしまうような意外な歌を歌ってくれる事があります。例えば・・・、とつい漏らしちゃいそうになりますが、動画にもアップされていますが、ここでは言わずにおいおい取り上げていきたいと思います。
もちろん『追憶』もそうです。小学生以来滅多に聴く機会がありませんでしたが、まさかこの歌がフォレスタで聴けるとは思いませんでした。
歌うは、中安千晶さん、上沼純子さん、内海万里子さんの三女声です。この三人は『蘇州夜曲』『東京行進曲』など、今や女声フォレスタの一バージョンとしてすっかり定着した感がありますね。
1番は上沼さんの独唱、2番は中安さんの独唱が主体で、後半のフレーズから後の2人の重唱が重なります。
三人は一くくりに「ソプラノ」ということになりますが、声質や個性の違いがもちろんあるわけです。だから上沼さんと中安さんはおなじ歌でも微妙に違って感受されます。その辺もフォレスタというコーラスグループの歌を聴くときの味わいの一つと言うべきなのでしょう。
いやあ、とにかく「懐かしい良い歌」を歌っていただきました!
(大場光太郎・記)
なお、本記事は以下のサイトを参考にまとめました。
『世界の民謡・童謡』
「追憶(星影やさしく またたくみ空)」
http://www.worldfolksong.com/songbook/japan/tsuioku.htm
「Flee as a Bird フリー・アズ・ア・バード」
http://www.worldfolksong.com/hymn/flee-as-a-bird.htm
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コメント
スペイン民謡であればスペイン語の歌詞を書き記すべきである。
スペイン語のないスペイン民謡とは?
どの地方で何時から歌われているか。
有名なスペイン歌手で歌っている人は誰?
スペイン語を勉強しているので興味あり。
投稿: 西堀康夫 | 2018年4月16日 (月) 08時51分
申し訳ございません。ご指摘の件はもっともかと存じますが、「元はスペイン民謡」のくだりは他サイトからの引用でして、そのサイトでもスペイン語表記はありませんでした。折角のフォレスタコーラス紹介記事ですから、『まあ、そうお堅い事は抜きにして』と申し上げたいところです。
投稿: 時遊人 | 2018年4月17日 (火) 00時58分
スポーツ報知のFORESTAメジャーデビューの記事にリーダーの年齢がありました!(48)だそうです!これで一つ謎が解けましたね!
投稿: 高橋一三 | 2018年8月23日 (木) 11時31分
貴重な情報、大変ありがとうございます。
「リーダー」ということは大野隆さんということですよね。以前の記事で「大野隆さんの年齢は40代になったばかりか?」というように書きましたが、それより少し上ということですね。女声フォレスタ一の美女・小笠原優子さんを妻とし、若々しさ全開です。
投稿: 時遊人 | 2018年8月24日 (金) 00時26分
そうですね!七年前のDVD発売イベントの『ファンの集い』で言っていた46歳というのは違ったんですね!
投稿: 高橋一三 | 2018年8月24日 (金) 16時48分