米大統領選、トランプ勝利に思うこと
当ブログでは最近米国大統領選関連記事を集中させてきた。そのまとめとして、本記事で大統領選の総括と今後のことについて私なりの雑感を述べさせていただきたい。
さて一夜明けた10日、私は午後から横浜に行ったのであるが、巷で「トランプ」の話をしている場面に3回ほど出くわした。今夏の参院選時は選挙期間中ただの一度も「参院選」の話題を聞かなかったと同選挙後記事で述べたが、それとは何と好対照なのだろう。
それだけ今大統領選はビックリの結果となったということなのかもしれないが、総じてこれらの人たちはおそらく、テレビ中心でニュースを仕入れている階層の人たちなのだろうと思われる。
ロスチャイルドやロックフェラーが仕切る米国主要メディア直属のわが国メディアは、新聞不購読・テレビ不視聴者の私には詳細は分からないが、終始ヒラリー・クリントン優勢の報道スタンスだったと聞いている。だからそれを真に受け、刷り込みされた大衆にとって、いざ蓋を開けてみれば「トランプ勝利」は、驚愕以外の何ものでもなかったのかもしれない。
夥しいメールの暴露で明らかになったヒラリーの諸々のおぞましい実像など知る由もなく、いつしか熱烈なヒラリーファンになった人々もいたかもしれない。そういう人にとってトランプ当選はすんなり受け入れることのできないショッキングな出来事だったことだろう。
これは何も一般ピーピルだけではない。テレビ局側の人間だってそうだ。開票当初はヒラリー勝利を確信し笑顔だったキャスターらが、トランプ勝利が動かせない現実となり出すと皆一様に緊張した面持ちとなり、終いには引きつった顔になっていったという。
これが今のテレビメディアに登場している人間たちなのだ。はっきり言って覚醒したネット読者より遅れている。こんな者たちが得意げに自説を吹聴するテレビはどうしようもない時代遅れになってきているのではないか。いずれにせよ、今回の大統領選報道でテレビはまたもや大きく信用を落としたのは間違いない。
さて、作家の五木寛之氏もトランプ当選にビックリした一人だという。五木氏は、その時の様子や感懐を日刊ゲンダイコラム『流されゆく日々(10044回)』に綴っている。なるほど一味違うな、と共感を覚えたので、以下にその部分を紹介したい。
(引用開始)
(新潮社本社ホールでの講演に向う)タクシーの中で迎えにきてくれた安部さんに、
「トランプが勝ちましたね」
と言われて、エッと思わず声をあげた。
こんどのアメリカ大統領の選挙に関しては、結局、エスタブリッシュの応援を受けたヒラリーに決まるのだろうと、半ば諦めていたのである。
英国のEU離脱の時もそうだった。今回は最後になって米国の報道陣がほとんど揃ってヒラリー支持を打ち出していたのだから番狂わせもいいところだ。
「新国家主義時代の始まりだなあ」
と、思わず独り言をつぶやいてしまった。
だからアメリカは面白い、という感じもする。大半の予想は、トランプの予想外の健闘に注目しながらも、結局はヒラリーに落ち着くだろうと踏んでいたはずだ。その予想を見事に引っくり返ったことは、それだけでも評価に値するのではないか。
「一寸先は闇」
というのでなければ、世の中は面白くない。トランプが大統領になったことで、さまざまな利害得失はあるだろうけれども、予想外の出来事が起こるという事だけでも意味があると思う。
もちろん、いったん大統領の椅子に坐れば、トランプといえどもそれなりの対応は迫られるはずだ。しかし、てのひらを返したようにおとなしくなってもらいたくない。やるだけやって、それで追い落とされたとしても、歴史に名をとどめることはできるだろう。
(引用終わり)
特に911以降、ブッシュ・クリントン・オバマ体制で硬直化し格差が拡大し荒む一方の米国社会だった。しかしそんなアメリカが、オバマ登場時の「チェンジ」ではないが、エスタブリッシュ応援のヒラリーを蹴って、国民自らがトランプという大チェンジを選び取ったのだ。病んだ超大国にもまだ「回復し元気になろう」という体力が残っていたのだ。
翻ってわが国はどうだろうか。この国に大きな変化をもたらすためアベ政治からのチェンジを国民自らが強く意志しているだろうか。若者の7割くらいが安部支持というがっくりの調査結果が出されたように、国民自体が「肉屋を支持する豚」さながらの状態である。これでは何の変化も起こせない。まるで要介護度5の寝たきり国家だ。
ところで私自身のトランプ当選の受け止めはどうだったか。記事にしてきた事もあって大統領選の帰趨は気になり、ネットの開票速報を時折りのぞき見た。
関連記事で触れてきたように、トランプ当選は頭のどこかに常にあった。最終盤でのFBI訴追見送りもあり、これは願望だったのかもしれないが、開票時はヒラリー先行でも最終的にトランプが辛勝で逃げ切るというシナリオを思い描いていた。
しかし左にヒラリー、右にトランプのグラフ上に、いきなり「トランプ 20(+アルファ)」(確か「ヒラリー 0」)と出たのには、五木寛之氏ではないが「エッ」となってしまった。さすがにその時は『トランプ、意外に善戦してるぞ』くらいなものだったが、200を越してもヒラリーは差を縮められず、上にあった合衆国地図でフロリダなど多くの重要州を制したことで「トランプ勝利」を確信し、安心して外出したのだった。
私の以前からの「トランプ当選の可能性あり」予想は、もちろん私独自の霊感ではない。ベンジャミン・フルフォード氏や副島隆彦氏の「ヒラリーは大統領になれない」予測の賜物である。と同時に、少しオカルト的になるが、種を明かせば、それ以上に米国テレビ長寿アニメドラマ「シンプソンズ』に「トランプ大統領」が登場していたというのが大きい。
瓜二つのトランプ大統領が登場したのは2000年放映だったらしいが、それにしても16年も先の事を見通しているというのは不思議でもあり、奇っ怪でもある。トランプはまた例のイルミナティカードにもしっかり登場している。
得体の知れない「彼ら」は、やはり時間をある程度行ったり来たり出来る超テクノロジーを有している、としか考えられないのだ。
冒頭、ビックリ驚愕の多くの国民やテレビ局関係者に触れたが、一番驚いているのは安倍増長官邸&外務省だろう。この国の中枢を預かるこやつ等も、ヒラリーシフトしか敷いてこなかったのだ。だからトランプ当選の報に接して鳩が豆鉄砲食らったような大慌てだという。
2ヵ月ほど前の安倍訪米時はヒラリーには会っても、トランプはスルーだったわけだし。安倍がそんなんだから、トランプと今後親密な外交交渉をしようにも、窓口となる人物が誰もいないというのだ。
それにトランプは選挙戦序盤から「米国を食い物にするTPPは断固反対」と言っていたのは百も承知だろう。なのに、それを逆なでするように10日、TPP法案を衆院凶行可決した。まったく意味不明で、安倍ピエロは世界中の笑いものになるだけだ。
負けた方のヒラリーだが、万一の場合を想定してか、不正蓄財した莫大な金をスイスに秘密裏に移していると言う。また落選しただの人になって逮捕を怖れてか、カタールかどこかの国への移住を考えているとも言われている。
(実はロックフェラ一族の誰かの隠し子だったらしい)夫のビルはエイズで余命1年ほどとも言われているし、ヒラリーの政治生命も終わりだろうし。1990代から続いたクリントン時代は、はっきり終焉の時を迎えたのである。
最後に一言言っておきたい。
私は何もドナルド・トランプを絶賛しているわけではない。以前の記事で述べたとおり、「ヒラリーよりは増し」と言うやむを得ざる選択なのである。本当のところは、ヒラリーに負けたことにされてしまったサンダースが大統領になるのがベストだったと思うのである。
いずれにせよ、今後4年間、米国と日本は、トランプに命運を託すことになった。吉と出るか凶と出るか、今の時点では誰にも分からない。前にも紹介したが、例の『シンプソンズ』では、トランプは「大して成果を挙げられなかった大統領」として描かれているという。ということは、「第3次世界大戦大統領」確実だったヒラリーのように大戦争も起こさないということだろう。
皮肉な見方をすれば、ジョージ・ブッシュはアフガン・イラク戦争を、オバマはリビア・シリア・ウクライナ戦争という華々しい成果を挙げたわけだ。経済的成果はともかく。私が取り合えずトランプを支持するのも、「戦争を起こさないだろうこと」が大きな理由である。
謝・取りとめもない長文
(大場光太郎・記)
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