「大物逮捕」はなかった

 本15日は、以前の『薬物汚染の拡がりを憂う(33)』で触れました「大物政治家逮捕の“Xデー”」のはずでした。ところがこの日一日、とうとうそういう事態は起こりませんでした。

 同記事でも紹介しましたが、そもそもの出所はジャーナリストの勝谷誠彦(かつや・まさひこ-49)が、そのような意味のことを関西の某テレビ番組で述べたことにあるようです。それが一部ネットで取り上げられ、あっという間にネット上を駆け巡ってちょっとした騒ぎになったわけです。
 勝谷氏といえば、テレビ朝日の『朝まで生テレビ』にパネリストとして参加するなど、なかなかの論客として鳴らした人物です。そんな同氏が根も葉もない“デマ”の類いを、テレビという公器を使って流したとも考えられません。捜査関係者などから何らかの情報を得て、長年のジャーナリストとしての勘からかなりの確信をもってそれを述べたものと考えられます。

 まるっきりのデマ情報だったとは考えにくく、あるいは捜査当局によって、本15日を目指した「大物逮捕」の動きが実際あったのかもしれません。ところが何らかの事情によって、逮捕が何日か後にずれ込んだとも考えられます。
 しかし早や年末です。年末年始を迎え拘置期限のことを考慮すると、ぎりぎり今週末くらいがリミット。それを過ぎても動きが見られなければ、もう年内の“大物逮捕”はないとみるべきでしょう。

 しかし待てよ。永田寿康民主党元議員(故人)が引っかかった、‘06年国会での「堀江偽メール問題」という例もあるぞ。魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)するこの世の中、さしもの勝谷氏もある筋からとんだガセネタを掴まされて、まんまと騙されたということも考えられるぞ。
 『一体どこの誰が何の目的で?』ということはありますが、そういう可能性もないではありません。しかし私の場合勝谷氏に直接コンタクトを取って確かめることも、現場に直接行って取材して裏を取る態勢にもありません。あくまでも、二次情報、三次情報を拾ってきては、当ブログ記事として公開しているに過ぎませんから。
 いずれにしてもそういう話になりますと、この件はそこでお終いになってしまいます。そこで一応それはない(ガセネタではない)ことにしたいと思います。

 さて勝谷氏の話として、「“大物を入れる”ため、東京拘置所に刑務官が全国から集められている。こういうことが以前“田中角栄逮捕”の時にあった」という情報も流されました。かつてのオウム真理教の麻原彰晃の時も、ライブドアのホリエモンこと堀江貴文逮捕の時も、このようなものものしい態勢は取られなかったというのです。
 これから推定すれば、「大物」とはやはり田中角栄のような総理経験者クラスの大物政治家しか該当しなくなります。「東京拘置所に全国から刑務官が集められている」というのが本当かどうなのか確かめようもありませんが、いろいろな情報を当たりますと、「大物政治家」だけではなくもっと広く「大物」と捉えた方がよさそうです。

 これはあくまで推測、憶測でしかありませんが、もしこの時期「大物逮捕」という事態があるとすれば、それはやはりどう考えても「押尾事件関連」しか思い当たりません。そうすると対象者はおのずと絞られてきます。
 時が時だけに具体的な名前を挙げることははばかられますが、もし「大物政治家」ではなく「大物」だったとしても。当ブログの『薬物汚染シリーズ』をお読みの方々にとってはさほどの驚きでもないことでしょうが、しかし同事件の裏側をご存知ない方々にとっては、酒井法子の時以上の大きな衝撃が走ることでしょう。捜査当局はそれで慎重になっているのでしょうか?

 「逮捕関連」で言いますとー。
 『かなえの殺人レシピ(10)』で述べましたように、11月19日付け読売新聞で、埼玉県警は木嶋佳苗被告(35)を今月中にも「殺人罪で立件」の方針とのことでした。そういう方針であるからには、木嶋事件の方もかなり詰めの捜査が進展しているはずです。ところがその後ピタッと動きがありません。埼玉地検による「情報戒厳令」がよほど厳しいらしく、佳苗自身の近況などもさっぱり漏れてきません。
 こちらの事件も年末年始を控えて、そんなに悠長には構えていられないでしょうに。早くしないと、こちらも年明けまで立件持ち越しとなりそうです。いや年明けでも何でも立件できばOKでしょうが、まさか「結局立件できず」などということはないでしょうね?

 新聞各紙やテレビ各局がこの事件に触れる場合、依然「豊島区の35歳の女による結婚詐欺事件」などと、今もって氏名や顔写真も伏せられたままです。(なお木嶋佳苗は11月27日で満35歳になりました)。被害者男性の氏名や顔写真などが公表されていることから見て、大いにギャップや矛盾を感じます。
 加害者なのになんでかと言いますと、同事件で万一木嶋佳苗が殺人罪で立件されない場合、実名や顔写真を公表して「安藤建三さんや大出嘉之さんらを殺害した疑いをもたれています」などと報道してしまえば、木嶋側から名誉毀損で訴えられる可能性があるからなのだそうです。
 
 当ブログではそんなこと露知らず、とうの昔に名前をバンバン公表しています。まさかとは思いますが立件されず、木嶋佳苗から『当ブログを訴えられたらどうしよう』と考えますと、夜もおちおち眠られません(笑)。

 (大場光太郎・記) 

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薬物汚染の拡がりを憂う(36)

 森元総理、森祐喜親子の仰天画像、ネットで話題

 森喜朗(72)元総理と、長男の森祐喜(41)の森親子も遂に年貢の納め時か !?ここのところそう思われるような、仰天画像がネット上に流され騒然となっています。これを見ると『なるほど森元総理が隠したかったのはこういうことだったのか』と思えてきます。
 どうやら発信元は「論壇同友会」という右翼関係の団体のようです。とにかく今このようなものが表に出だしたこと自体、ここ10年間ほど並ぶ者なき権勢を誇ってきた森元総理の地盤沈下を示すものです。先の総選挙で自民党は大敗、自身もやっとこさの選挙区当選、派閥(清和会)は弱小化…。さしもの森元総理のご威光も薄れ、もう押さえが利かなくなっているということなのでしょうか。

 画像そのものが100%真実であるかどうかの保証はできません。ただ写真自体加工された形跡はないようです。複数の写真を寄せ集め、それに文字を書き加えて載せただけの単純加工で、少なくとも写真に関しての合成は無いとみて差し支えないようです。
 問題の画像 http://black.ap.teacup.com/paradise2008/img/1260276347.jpg

 さて問題の写真です。まず左側の3カットの連続のものは、同じ部屋で撮られたものと思われます。森親子は以前六本木ヒルズに居住していたことがあったそうです。これらの写真の背景となった部屋は、まさか問題の2307号室ではないでしょうが、とにかく六本木ヒルズ内の一室と見てよいようです。
 上段には森元総理を囲んで3人の女性、中段は元総理の長男の森祐喜と上の写真にも写っていた女性、そして下段写真は森元総理と同じ女性のツーショット。問題はそのうち、上段写真の3女性の真ん中に写っている女性、森元総理の頭部に隠れて鼻から上しか写っていない女性です。よく見ると森元総理の肩に両手をかけているのが分かります。
 右側の真ん中がその部分を拡大した画像です。この女性こそ、8月2日六本木ヒルズ2307号室で死亡した田中香織さん(当時30)だと見られるのです。右上と右下の画像は田中さんの別の写真です。確かに言われてみれば、眉の具合、両目の間隔、鼻筋など田中さんと同一人物である可能性が高そうです。

 風評によれば、森祐喜は、8月2日の事件発生当時現場に居合わせたのではないか?と疑惑の目を向けられています。PJ野口美佳(44)が提供していたヒルズ内の“やり部屋”の常連で、事件発生当時は総選挙の真っ只中だったこともあり、自分と自民党にとって大打撃になることを恐れた森元総理が、麻生前内閣の漆間巌官房副長官に指令して警察当局にもみ消し圧力をかけたのではないか?との疑惑もまた囁かれました。
 それについては、「森祐喜は問題の部屋を利用していたことは間違いないが、事件当日は現場にはいなかった」という関係者の話もあります。

 しかし変死した田中香織さんが、森元総理と一緒に写真に納まっていた。これは今から3~4年前のものと推定されています。2人はそんな以前から“お知り合い”だったことになります。事件そのものに直接的な関与はないとしても周辺人脈というだけで、総選挙の最中の森元総理としてはそんな関係が表ざたになると非常にまずいわけです。致命的な大スキャンダルにもなりかねません。それを恐れた森喜朗は、愚息祐喜の件でではなく、あくまで自分自身のために圧力をかけさせた可能性も出てきます。

 なお左下の、誰かの書き込みについて若干解説しますとー。
 「森喜朗は大学時代、買春で逮捕されています。早稲田大学在学中の昭和33年に売春等取締条例 S33・2・17 警視庁 売春防止法違反 2・25 地検 起訴猶予」
 これは何も今急に降ってわいたような疑惑ではありません。森喜朗が総理在任中既に浮上していた疑惑です。ただ当時は現職総理のご威光もあってか、いつの間にかうやむやにされてしまったのです。
 なお森元総理については、押尾事件とは関係ないものの、平成17年石川県で発生した、自身も同乗していた「ひき逃げもみ消し疑惑」もくすぶっています。
 
 ところでピーチ・ジョンの野口美佳社長も、その当時から田中香織さんとは“お知り合い”だったようです。野口は「私は知りません。何も存じません」などとシラを切っていますが、実は皆旧知の間柄だったのです。パチンコ業界のドンの引き合わせで、田中さんと今年知り合ったばかりの押尾学(31)など、むしろ新参者だったわけです。
 そうすると、この写真は野口美佳主宰の「売春パーティー」の一こまのようにも思われてきます。愚息の祐喜はもちろん、森元総理自身も薬物や売春の常連だったんじゃないの?本来は天下国家を論ずべき政治家親子が何やってたんだか、ということにもなりかねません。

 また右下の森祐喜に関する書き込みについてはー。
 「元愛人が語る“森祐喜を私に紹介したのは、ピーチ・ジョンの社長野口美佳”」。この元愛人は、森祐喜が「以前から覚せい剤とコカインを使用していた」とも暴露しています。森祐喜はいやしくも、現職の石川県会議員ですよ。それが公務などほっぽり出してことあるごとに東京にやってきては、麻薬と女漁り。石川県民の方々はこんなクズ県議はさっさとリコールすべきだと思いますが、いかがでしょうか?

 それはともかく。ここでもまたPJ野口美佳の名前が出てきました。野口は業績拡大の必要上、政界の影の実力者森元総理そして森祐喜の親子に、せっせと女を斡旋していた構図がはっきり見えてきます。なお森祐喜は、押尾学とは当然のこと、今回押尾と共に逮捕された泉田勇介(31)とも顔見知りだったようです。いな“顔見知り”などという生ぬるいものではなく、ズバリ「麻薬仲間」だったのです。

 今回ネットに流れた、この画像がどれだけの波紋を広げることになるのか。成り行きが注目されます。

 (大場光太郎・記)

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薬物汚染の拡がりを憂う(35)

 ピーチ・ジョンの野口美佳は年貢の納め時?

 『本シリーズ(32)』で、『ブログ再開のごあいさつ』を記した下着通販会社ピーチ・ジョン社長の野口美佳(44)を取り上げました。野口美佳(←画像)は「ブログ再開」にしては、その後更新記事もなくどうしたのかな?と思っていました。天下一品のしたたかな女社長のこと、まさか「ブログ炎上」に恐れをなしたとも思えないし…。

 そうしたら野口は「押尾学再逮捕」に『こりゃヤバイ』と本当に恐れをなしたのか、その後またぞろ行方をくらましたようです。そして行方を探ってみると、またまた海外へ高飛びです。一応名目上は新年早々に控えているとみられる“出産”を「海外で」ということのようで、逃亡先はアメリカのようです。
 何やら、スターダストプロを解雇され薬物疑惑が一気に高まった途端、ヨーロッパに高飛び遊ばされた沢尻エリカ様ご夫妻と似たようなパターンです。「快楽の追求」がモットーの野口だけあって、44歳という高齢にも関わらず性欲旺盛。父親が誰だか言えないような“ててなし児”を孕んでおいて、父親はまさかアメリカ人でもあるまいし『子供くらい国内で産みなよ』と皮肉りたくなります。ともかくそうしてアメリカに長期逃亡して、一つには子供を出産し、もう一つには万一の場合に備えてゆっくり時間をかけてクスリを抜く、一石二鳥ということなのでしょうか?

 今の時代は何事も「企業のコンプライアンス(法令順守)」「企業家の説明責任」が厳しく求められる時代です。なのに野口美佳はワコールという一部上場会社の筆頭株主の重要な地位にありながら、8月2日の事件発生後一度も記者会見を開くでもなし。「事件終息」とさすがの野口も見誤ったか、先日は自身のブログに善人面、被害者面して自分を正当化する一文を載せただけ。都合が悪くなるととにかく逃げの一手。(野口美佳は企業人としての倫理のあり方など、そもそもご存知ないのかもしれません。)
 その上自分が提供していた部屋で人が1人死亡し、当事者に犯罪要件が成立しているのです。それに対して、何の説明も謝罪もお悔やみの言葉もないとは。とにかく野口美佳は企業人失格、いな太宰治の小説ではないけれど「人間失格」。今後とも世間の共感などとても得られないことでしょう。

 それでなくても、ピーチ・ジョンのPR誌を飾るモデルの半分くらいは売春させられているというし。暴力団幹部の元夫が実質経営するAV製作会社「桃太郎映像」にも、AV嬢として彼女たちを回しているというし。六本木ヒルズの問題の“やり部屋”に出入りする怪しげなセレブたちに、売れない女性タレントやモデルたちをせっせと斡旋しているというし。
 そのような「管理売春」などで作り上げた政界、官界との腐れ人脈のおかげで、今日の地位と総額100億円以上と言われる莫大な財産を築いてきたわけです。

 野口は『ごあいさつ』の中で、「ネット上に出現したわたしに関する良くない噂は、どれも嘘です。念のためどれも否定いたします。特に、名前からの連想だけで、まった見ず知らずの人物を元夫として挙げられていることには最も困惑しています。」と述べています。
 「元夫・野口正二」との関係に触れられるのが、「最も困惑」することのようです。それもそうでしょうね。野口正二は広域指定暴力団稲川会系幹部ですからね。しかしピーチ・ジョンは英語流の「桃太郎」ということですね。このネーミングの一致はどうなのでしょう?あざとい野口は「単なる偶然です」とでも言うのでしょうか?しかし違うでしょ。PJの設立には稲川会が関わっていたんでしょ?そして野口正二は今でも立派なビジネスパートナーで、PJ株の49%をワコールに高値売却させた疑惑もあるんでしょ?
 あれも、これも…。黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』をもじって、以前から「ヒルズには三悪人がいる」と噂されていたそうです。その後1人目はホリエモンことライブドア元社長の堀江貴文、2人目は村上ファンドの村上世彰(むらかみ・よしあき)であることが分かりました。最後の1人が分かりませんでしたが、しかし今、野口美佳こそ三悪人の一人だったのでは?と言われているのです。

 ではこれまでの悪行や押尾事件についての関与など、今後一気に野口美佳の化けの皮がはがれる展開になるのでしょうか?残念ながらこれは期待薄のようです。どうしてか?ズバリ野口の資金力のなせるわざでです。
 現にテレビマスコミなどで今まで押尾事件が大きく取り上げられても、どの大マスコミも事件現場となった六本木ヒルズ2307号室の「借り主」については一切言及していません。野口美佳の「のの字」も出てはこないのです。だから「テレビ絶対」と思い込んでいる、マインドコントロールされた意識レベルの低い大衆の中には、今でも何も知らずにPJ下着をせっせと買い支えている人たちがいるのです。

 「巨悪の1人」が捕まりそうにないとは、一体どうしてなのでしょう?ピーチ・ジョンが以前にも増して、各マスコミ、各出版社などに対して広告料などを倍増しているからなのです。各マスコミが、大スポンサーである創価学会批判を手控えるのとまったく同じ構図です。
 また今回の押尾事件では、政界、官界(その中には警察官僚も含まれる)にも相当のカネを流したと噂されています。それ以外にも、ワコールHDからの圧力、元警察官僚で桃太郎映像から多額の政治献金を受けている平沢勝栄からの圧力もあります。
 野口が悠然と構えているのには、こうした裏事情があるからなのです。

 しかし大マスコミは取り上げなくても、ネット情報を通して野口美佳の裏の素顔、正体が広く知られ出しています。(ささやかながら当ブログもその一翼を担えれば幸いです)。事実「もうピーチ・ジョンの下着は絶対買わない !」と言う女性消費者も増えているのです。それが証拠に、事件発生後同社の売上げはそれまでより2、30%ほど落ち込んだようです。(ただし野口自身の資産は、逆に増えたという観測もあります)。それより何より、社員たちの間で野口社長に対する失望感が急速に広がっていると言うのです。
 ともかく。きちんと「説明責任」を果たすべき社会的立場にありながら、こそこそ逃げ回っている野口美佳は企業人失格です。今後法の裁きを受けるにせよ、受けないにせよ、野口自身の没落とピーチ・ジョンの企業イメージの失墜は必至だと思われます。 

 (大場光太郎・記) 

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薬物汚染の拡がりを憂う(34)

 押尾学ら3容疑者の近況など

 7日夕方横浜市内で逮捕された押尾学容疑者(31)は、8日未明身柄を麻布警察署から東京湾岸署に移されました。東京湾岸署といえばかつて酒井法子が拘置されていた署です。7日同時に逮捕された、押尾に事件2日前の7月31日MADAを渡した容疑の泉田勇介容疑者(31)と、変死した田中香織さん(当時30)の携帯電話を六本木ヒルズの植込みに隠した証拠隠滅の疑いの遠藤亮平容疑者(28)も、それぞれ別の署に移されました。

 繰り返しますが、警視庁捜査1課が捜査する事件は「殺人、傷害致死、強盗、強姦」といったいわゆる“凶悪犯”を専門とする部署です。通常の薬物事犯であれば、前回の押尾がそうであったように組対(組織犯罪対策)5課で十分なわけです。それをわざわざ捜査1課が引き継いだところに、今回何としても押尾学を「保護責任者遺棄罪」さらには「保護責任者遺棄致死罪」に持っていこうとする、警視庁の並々ならぬ意欲が感じられます。

 そのため変死した田中さんに、体に害になるものを与えた張本人が押尾容疑者であることを立件するために、事件後密室にいた3人の同時逮捕としたのでした。この事件は物的証拠というよりも、MADAを「渡した」「渡された」という証言、供述などの「人的証拠」が非常に重要となります。
 そのため逮捕状は通常有効期限が1週間ですが、それを4日に準備しておいて当時行方不明であった泉田勇介の居場所を突き止め次第同時逮捕という、3人の「役者」が揃うタイミングを見定めていたと見られます。3人一緒に取調べを開始する必要があったのです。

 3人ともそれぞれの容疑を否認しているもようです。元エイベックス社員の遠藤亮平は携帯を捨てた実行行為は認めているものの、証拠隠滅の意図については否認しています。特に重要なのは押尾と泉田の供述ですが、両者が否認し続ける中捜査関係者によると、押尾と泉田との2人の間には、薬物の譲渡をうかがわせるようなメールのやり取りがあったといいます。また事件のあった8月2日、六本木ヒルズレジデンスに両容疑者が入っていく姿が、同マンションの防犯カメラに映し出されていたといいます。さらにここにきて、事件以前複数の男女が押尾からMADAの服用を勧められ、体に変調をきたした女性もいたことが明らかになりました。ということは、押尾は以前からMADAを常用しており、その危険性を十分認識していたことになります。
 捜査1課は9日、押尾ら3人をそれぞれの容疑について東京地検に送検し、また東京地裁は3人の拘置期間を18日までの10日間と決定しました。

 ところで捜査1課が押尾学を「保護責任者遺棄」で立件する場合、押尾が田中さんにMADAを渡したことになると、同容疑者の田中さんに対して保護すべき義務の度合いが高まることになります。これを「先行行為者の作為義務」と言い、同容疑者は田中さんを積極的に助けなければならなかったということになります。
 前回の麻薬取締法違反(使用)罪での押尾に対する判決は、「懲役1年6月、執行猶予5年」でした。それでは保護責任者遺棄まで視野に入れた今回の場合はどうなるのでしょう?板倉宏日大名誉教授は以下のような見解を述べています。
 「麻薬譲渡でも保護責任者遺棄でも、立件された場合には、前回確定した麻薬取締法違反(使用)罪と合わせて“併合罪”となる。保護責任者遺棄ならば実刑4年くらい、保護責任者遺棄致死まで行けば実刑8年ほどになるでしょう。“致死”まで行けないとも思いません。そこまで行ける可能性は60%ほどでしょう。」

 押尾は田中さんの容態急変直後、6人の知人に「ヤバイことになった」と電話していたといいます。そのうちの複数人から「救急車を呼べ」と忠告されていたことが8日分かりました。結局押尾は自分では通報せず、約3時間後の午後9時頃119番したのは現場に駆けつけた知人でした。
 そもそも田中さんが当日、現場となった2307号室を訪ねるまでの間、押尾、泉田両容疑者はそばなどを食べ同室にいたといいます。(その後泉田は同室を離れたのか?)田中さんに異変が生じた午後6時過ぎ、泉田は再び同室に駆けつけたものとみられます。押尾は(泉田も一緒か?)田中さん異変後、B棟最上階の野口美佳が借りている4201号室に移動しました。

 そして(ヒルズ外の?)別の場所に移動し、さらにタクシーを使って数ヶ所に立ち寄ったものとみられています。その間警察から押尾の携帯に電話が入りましたがすぐには応答せず、翌3日午後1時前警視庁麻布署に一人で出頭したのでした。
 押尾が移動した場所の一つは錦糸町のラブホテルで、この時泉田も一緒でした。そこで押尾から「クスリを抜く方法はないか?」と尋ねられた泉田は、友人の元チーマー(元不良)に生理食塩水、解毒剤、ブドウ糖などが含まれている点滴セットを同ホテルに持ってくるよう依頼。やって来た元チーマー(と泉田本人か『週刊文春』や『FLASH』の取材でそう言っている)が押尾に点滴を施したとされています。なお『FLASH』(12月22日号)によれば、その時押尾は「田中さんに自分がMDMAを飲ませた」と重大なことを語ったそうです。

 今回重要な鍵を握る泉田勇介ですが、その素性は全く知られていませんでした。現時点で分かっていることはー。
 泉田は輸入衣料品のネット通信販売会社を経営していると称していますが、実際は非合法薬物を合法薬物として販売してきた<薬物売人>という見方が強いようです。何でもかつて泉田は有名バーのカリスマ店員で、デビュー前の(ということは“整形前”の)佐々木希の“元カレ”だったという噂もあるようです。佐々木希は前回記事で、押尾からMDMAを渡された「有名モデル」では?とネットの話題になっていることを紹介しました。
 押尾に泉田を紹介したのは元暴走族のヘットで、現在芸能プロを経営しているNという人物のようです。泉田の実質的稼ぎは“薬物”であり、押尾と手を組むことによって泉田は更なる利益を得ようとしたのかもしれません。そしてどうやら売人・泉田は単独でというより、組織ぐるみで動いていたのでは?ともみられています。
 今回の捜査によって、泉田の背後関係にどれだけ迫れるかにも注視していく必要がありそうです。

 (大場光太郎・記) 

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薬物汚染の拡がりを憂う(33)

 押尾学、麻薬取締法違反(譲渡)容疑で再逮捕

 今月4日麻薬取締法違反(譲渡)容疑で逮捕状が出されていた押尾学容疑者(31)が、4日目の7日午後5時過ぎ逮捕されました。8月3日に同罪(使用)で逮捕されたのについで2度目の逮捕となります。

 押尾学と共に今回は、元エイベツクス社員で押尾のマネージャーだった遠藤亮平容疑者(28)と、押尾の知人でネット販売業をしている泉田勇介容疑者(31)も同時に逮捕されました。
 遠藤亮平は、六本木ヒルズレジデンス2307号で田中香織さん(当時30)の「容態が急変している」との押尾からの連絡により、現場に駆けつけたものの、適切な救命措置を取らなかった上「スキャンダルになることを恐れた」と、田中さんの携帯電話をヒルズ玄関前に遺棄した証拠隠滅の疑いです。また泉田勇介の場合は、事件の起きた8月2日の数日前の7月30日に、押尾学にMADAを譲り渡した疑いです。警視庁捜査1課は、この時入手したMADAを事件当日田中さんに渡したものとして押尾を追及していく構えです。

 逮捕状が出てから4日も経っての逮捕は、3人同時逮捕で互いの供述の裏を取りたい警察としては、泉田容疑者の所在がつかめず長引いたためのようです。
 逮捕時横浜にいた押尾学は、所轄の麻布警察署に身柄を移されました。逮捕時の押尾は、例によってふてぶてしい顔で車に乗り込みました。しかし押尾も人の子、人知れず心労があったのか髪にはかなり白いものが目立ちました。今のところ容疑を否認しおり、また泉田勇介も同じく否認しているもようです。
 ただ元マネージャーの遠藤亮平は、「押尾さんをかばいたかった」と、携帯を隠した事実を認めているといいます。これは当時エイベックスの一社員の立場だった以上、果たして遠藤自らの判断でそうしたのか、会社の上司からの指示でそうしたのではないのか?場合によっては、エイベツクス現経営陣の責任も問われかねない問題です。

 テレビなどでも紹介されていますが、一般的な法解釈として、通行人が急性アルコール中毒で倒れている人に救命措置を施さなくても罪に問われませんが、酒を勧めた人が同様の行為をした場合は保護責任が生じることになります。これを今回の事件に当てはめると、押尾容疑者がMDMAを自ら田中さんに渡していたことが立証できれば、「保護責任者」の度合いが強まることになるわけです。
 「殺人担当課」である捜査1課は、押尾が泉田を通してMADAを入手していたことを証明し、従前までの「田中さんからもらった」という押尾の主張を突き崩し、急変後現場から立ち去ったことをもって「保護責任者遺棄」の立件に持っていく方針と見られます。そのためには、泉田、遠藤両容疑者、特に現在否認している泉田容疑者の供述が鍵を握るものと思われます。

 押尾学の再逮捕を受けて、田中さんの遺族は「やっと希望の光が見えてきた。これを第一歩として娘の身に何があったのか真実を解明してほしい」「たとえ助からなかったにしても、救急車を呼んでほしかった」と、遺族感情としては至極当然のコメントを出しました。
 ここに来るまで事件発生後4ヶ月。この異常な長さは「事件もみ消し圧力」があったことの証明のように思われます。その辺の裏事情も是非明らかにしてもらいたいものです。
 ともかくご遺族の言葉を待つまでもなく、今回の逮捕によって、これまで五里霧中だった事件が一気に解明されそうな勢いです。さらに多くの芸能人や関係者の関与が明らかになりそうなのです。今後の展開はどうなるのでしょうか?

 捜査1課は「押尾が(事件が起きた六本木ヒルズの)マンションに入ってから田中さんが亡くなるまでの間に何があったのか、全容を解明する」と意気込んでいるそうです。押尾が泡を食って電話したのは誰で(「数人に電話した」と押尾は言っています)、誰が駆けつけ何をしたのか?
 一連の事件では、当ブログで再三名前を出したとおり、政界関係者や有名アスリートの名前が浮上しています。ただ彼らと親しい関係者は、「普段はヒルズの部屋を使っていたが、当日は使っていなかった」と話しています。ですから今後彼らの名前を出す際は慎重にすべきですが、いずれにしても取調べの過程でその辺の事実関係も明らかになっていくものと見られます。

 またこれまでの捜査の過程で、押尾は事件前「数人の女性」にMADAを渡していたことが明らかになったと言われています。何人かのモデル、田中さん以外の銀座ホステスの名前が取りざたされています。中でも、長身でファッション誌やCMで人気の「モデルとは誰か?」が今ネット関係者の間で話題になっています。何人か名前が上がっている中で、一番人気(?)は佐々木希(ささき・のぞみ)のようです。
 押尾学そして酒井法子の芸能界人脈の追及により、芸能スキャンダルの第2幕が開くことになるのかもしれません。

 また押尾は田中さん急変後数人の知人に連絡後、問題の2307号室から、同じ六本木ヒルズレジデンスB棟の4201号室(最上階1号室)に逃げ込んだと言われています。そうなると、その部屋の鍵を誰が持っていて誰が開けたのか?という問題になります。野口美佳は『ブログ再開のごあいさつ』の中で、「わたしには他にいくつもの部屋を借りるほどの甲斐性もありません」と述べていますが、同室も間違いなく野口が借りていたものです。押尾は真っ先に野口美佳に連絡し、野口自身かあるいはその指示を受けた関係者が同室の鍵を開けて、押尾を匿(かくま)ったとしか考えようがないのです。その辺のことも取調べの段階で明らかになっていくのでしょうか?

 最後に不確かながら、びっくり仰天の情報をー。
 いつの話か不明ですが、テレビの情報番組などでおなじみのジャーナリストの勝谷誠彦が、関西の某テレビ番組で「今月15日を“Xデー”として大物政治家が逮捕される」と予想したというのです。そのため現在東京拘置所に刑務官が全国から集められており、「近々大物が入る」準備をしているとか。同じようなことが「田中角栄逮捕」の時もあったそうです。
 そういう事態になったとしたら、中にぶち込まれるのは誰なのか?押尾事件との関連でか、あるいは全く別の事件でなのか?名前も出ていますが、私には全く裏づけがありませんので、これは単なる「お話」ということにしておきたいと思います。

 (大場光太郎・記)

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「流行語大賞」に思うこと

 こういう話題を目にし耳にすると、『あヽもう師走か。今年も後わずかで終わりなんだな』と実感させられます。『09ユーキャン話題・流行語大賞』の表彰式が1日都内で行われたというのです。最終的にトップテン入りした中から、今年の流行語大賞に選ばれたのは「政権交代」。
 8月30日の総選挙で、民主党だけでも単独過半数を遥かに超える308議席という大勝利を収め、自公政権から民主党中心の鳩山連立政権へ。政権交代が現実のものとなりました。国民の圧倒的な支持を受けて誕生した新政権だけに、この「政権交代」が流行語大賞になるのは十分予測できました。

 そういえば選挙期間中は、我が街の到る所でも、「政権交代」という4文字を大書したポスターが掲げてあるのが目につきました。それにしても4年前は「郵政民営化、イエスかノーか」そして今回は「政権交代」。“ワンフレーズポリティックス”と揶揄(やゆ)気味に論評されたように、近年はこのような短くて分かりやすい政治用語が「国民受け」する傾向にあるようです。

 そもそも「ワンフレーズポリティックス」を最初に言い出したのは、誰だかご存知でしょうか?他ならぬあのアドルフ・ヒットラーなのです。確かヒットラーの自著『我が闘争』の中でだったかと思いますが、「大衆は難しい理論を訴えても分かりはしない。そこで、耳になじむ簡単な言葉を繰り返し呪文のように訴え続けることが必要なのだ」と説いています。
 それを文字通り実践したのが、ナチスの宣伝相だったヨーゼフ・ゲッペルスです。ゲッペルス演出のヒットラー演説に当時のドイツ民衆がどれだけ熱狂したか、そしてその後どうなっていったかは歴史の示すとおりです。

 小泉元総理の懐刀といわれた飯島勲総理秘書官あたりが、小泉政権を長期化するため『我が闘争』を参考にした形跡があります。その直接的成果が「郵政民営化、イエスかノーか」であり、「政権交代」もその間接的影響下にあったとすれば…。
 私たちは時々の権力者から「愚民」「愚衆」と侮られないためにも、ワンフレーズなコトバの繰り返しは今後とも「要警戒」と考えた方がよさそうです。

 今年の流行語大賞を受賞しましたが、政権交代がなって3ヶ月余経過した今、肝心の鳩山内閣は四苦八苦です。まず鳩山首相自身の偽装献金問題では、次々に新たな疑惑が明るみに出され弁明に大わらわです。野党に転落した自民党はこの時とばかりに、実母から5年間で9億円にも上る資金提供がなされた件を突いて、「まるで偽装こども手当てだ」と攻め立てています。
 それに対して、今や鳩山内閣中最大の名物大臣・亀井静香金融担当相は、「首相は政治献金の問題で辞めることは絶対ない。もしあるとすれば、景気対策を間違えた時だ」と妙な確信をもって断言しました。(ちなみに、早くも一部観測筋からは「鳩山の次は亀井だ」というような話も漏れ伝わってきています。)

 やはり何といっても、現政権にとって焦眉の急なのが「景気対策」です。他にも難問山積ですが、これ一つ取ってみても、ここに来て降って沸いたような「ドバイショック」がまたも全世界を駆け巡り、我が国も80円台前半という超円高、そして株価は1万円台を割り込んでしまって。その上またぞろデフレスパイラルに陥りそうだというし…。
 国民消費者の多くが、「近々二番底が来るんじゃないの?」と不安に怯えて消費を手控えています。新政権発足間もないので致し方ありませんが、(他の分野でもそうですが)とにかく「対応が遅い」気がします。特に景気対策の分野では、スピーディに有効な手を打っていかないと大変な事態も招きかねません。景気の不透明感によって国民消費が落ち込む、景気がますます悪化するという悪循環では困ります。

 時に「内閣不一致」と非難されるほど、各閣僚が自由に発言しています。それはいいとして、それをまとめ意見集約する「司令塔」となる人物が不在のようです。それが内閣としての意思決定が定まらず、もたついた印象を与える大きな要因のように思います。結局は鳩山首相のリーダーシップに帰着することながら…。

 その他流行語のトップテンには「こども店長」「事業仕分け」「新型インフルエンザ」「草食男子」「脱官僚」「派遣切り」「ファストファッション」「ぼやき」「歴女」が選ばれました。
 「こども店長」は、当ブログ記事『天地人シリーズ』でも度々取り上げましたが、直江兼続の幼少時代の与六を演じた加藤清史郎君。「こんな所来とうなかった !」の名ぜりふは全国のお茶の間の喝采と涙を誘い文句なしです。またそれに関連して「歴女」。しかしだからといって、「レキジョ(歴史大好きОL)」におもねって、大河ドラマにイケメン俳優ばかりをずらっと並べてはいけません。ドラマが壊れてしまいます。

 「草食男子」。若い頃から気弱な草食男子系だった私としては、「肉食女子」の恐るべきパワーと逞しさ、骨身にしみて分かっておりますです、ハイ。「脱官僚」。これこそがまさに政権交代の意義の一つでした。「官僚支配」では、世の中どうにも立ち行かなくなっていることはもう自明の理です。しかし政治家vs官僚のバトル、せめぎあいは当分続いていくのでしょう。「ぼやき」。野村克也ファンの私は、元監督の試合後の“名ぼやき”たっぷり聞かせてもらいました。残念なのは私が予想した、野村楽天vs落合中日の日本シリーズがとうとう見られなかったことです。原巨人と梨田日ハムという逆目になってしまって。結果読売巨人軍の7年ぶりの日本一だそうで、一応「おめでとうございます」。しかし漏れ聞くところでは、読売総帥の渡辺恒雄が何かの会で「巨人は“V10”する」とぶち上げたとか。これには「ぼやき」を通り越して「怒り」を覚えます。

 また結果としてトップテン入りはしませんでしたが。年初から『薬物汚染シリーズ』など事件モノを扱ってきた私としては、その関連のコトバも入れてほしかったなと思います。
 例えば「MADA」「事件性なし」「のりピー失踪」「結婚詐欺」「婚活サイト」「睡眠導入剤」「練炭」「市橋ギャル」等々。しかしそれでなくても暗い世相、これ以上暗くなるようなコトバを取り上げるのはマズイ、という高度な判断が働いた結果外されたものなのでしょうか?

 (大場光太郎・記)

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事業仕分けが終わって

 来年度予算編成における「事業仕分け」が終わりました。鳩山政権下で始まった同仕分け作業は前半後半2週間にわたりましたが、「予算のムダ」に斬り込むまったく新しい試みとして、終始国民有権者の高い関心を呼びました。

 「仕分け人」と呼ばれる政府関係者VS各省庁のお役人という対立図式。
 仕分けする側とされる側の役人たちが、一つ一つの予算案をめぐって「これはどうして必要なんですか?いらないんじゃありませんか?」「いえ、これはかくかくしかじかの理由で必要なんです」「どう考えても必要ないでしょ。止めましょう、今回は」というような丁々発止のやり取りが続き、「いる、いらない」が次々に判定されていく。そのプロセスを国民希望者が自由に傍聴も出来る。またネットでその映像を見ることも出来る。
 一部からは、「まるで公開処刑のようだ」という批判の声も挙がりました。それが的を得ているかはともかく。まったく画期的な仕分け作業となりました。

 同仕分け人は、時にかつての名時代劇ドラマをもじって“必殺仕分け人”と呼ばれもしました。その代表格が、民主党の蓮舫参議院議員であり、枝野幸男衆議院議員であり、菊田真紀子衆議院議員でした。特に蓮舫議員の、さしものお役人もたじたじの鋭い突っ込みが連日テレビなどで映し出され、多くの国民の注目を浴びました。
 一躍“時の人”となった蓮舫議員を簡単に紹介しますとー
 蓮舫(れんほう)は1967年(昭和42年)11月28日、台湾出身の父と日本人の母との間に東京で生まれました。青山学院大学法学部卒業後、グラビアアイドル、テレビ司会者などを経て、‘04年民主党からの誘いにより参議院議員となった異色の議員の一人です。テレビ朝日の深夜の名物番組『朝まで生テレビ』には、議員になる前からパネリストとして度々出演し、社民党の福島瑞穂や辻元清美らと共に舌鋒鋭い女性論客の一人として知られていました。

 さて事業仕分けについて、野党に転落した自民党幹部は「新政権のかっこうの攻め時」とばかりに、スタート直後「本来は大臣や副大臣がやるべきこと」「きちんと詰めないと政治ショーに終わる」「事業の優先順位をどう考えるか、削減理由をきちんと説明すべきだ」(石破茂政調会長)あるいは「わずか1時間で、事業の良い悪いを裁断するのはパフォーマンスにしか見えない」(大島理森幹事長)といった批判が相次ぎました。
 自民党幹部のネチネチした繰り言にも関わらず、国民有権者の7割以上は同仕分けを支持しました。そんな国民の意思を察知したのか、作業が前半を終了する頃には、「こりゃおもしろいわな。新鮮に映る。ヒットしている」「なんで自民党の時にああいうことをせなんだかなぁ。出来なかったのは正直言って、非常に残念だと思っていますよ」(谷川秀善参院幹事長)と一転ベタ褒めするやら、悔しがるやら。

 そもそも50年以上にも及ぶ自民党政権下では、予算編成過程など国民にとっては五里霧中不透明なまま、どこの省庁がどういう理由で各予算を上げてくるのか、何の説明もなく「はい。これが来年度の国家予算です」とある日突然総額のみニュースで知らされるだけ。今回それに初めてメスを入れて仕分けしただけで、目標の3兆円には遠く及ばぬものの1兆8千億円もの予算がカットされたのです。
 従来の旧自民党型の国家予算にはどれほどのムダがあったことか。それが今日、国、地方合わせて八百数十兆円という世界にも類を見ない財政赤字となって国民全員に重くのしかかってきているわけです。とにかく今回の仕分けによってその一端が垣間見えたわけで、これぞ「政権交代の意義」と言うべきです。
 政官癒着ズブズブの旧自民党政権では、このように予算編成のプロセスを透明化することなど、この先も出来っこなかったのです。『あなた方のおかげで国民一人一人が六百数十万円もの借金を背負わされているんです。元々出来なかったんだから、文句言わずに黙って見ていなさい』。自民党のお偉方にはそう言いたい気分です。

 行革担当相の仙谷由人は今回の仕分けの成功に気を良くして、「来年はゴールデンウィーク明けくらいから始めるか」と、来年度以降も仕分けを続けていくことを表明しました。
 しかしこの「事業仕分け」、手放しで評価してばかりもいられないようです。幾つかの重大な問題点も見えてきたからです。

 その一点は、事業仕分けは結局「財務官僚主導」なのではないだろうか?という疑問です。確かに同仕分けの席では、財務官僚が進行役をやっていました。「歳出カット」が至上命題の財務省が行司役となって、民主党を利用している図式と見えなくもありません。
 というのも「脱・官僚依存」とスローガンでは言ってみても、仕分け人である民主党議員にも予算の一々についてはよく分かっていないわけです。そのため蓮舫議員が科学技術開発予算をカットしようと、「どうして一番でなければならないんですか?二番じゃダメなんですか?」と鋭く斬り込んだのに対して、ノーベル賞受賞者たちが決起し「科学技術は日本の生命線である」旨の緊急会見は開くは、鳩山首相に面会を申し込むはで、首相もとうとう「我が国は今後とも技術立国を目指していく。その上で科学技術予算も必要である」と言わざるを得なくなりました。どの程度の依存なのかは不明としても、そのような現状では、財務官僚の手の上で踊らされるのもやむを得ない面があります。

 そして次は、各省庁が仕分け会場に持ち込んだ予算は本物か?という疑問もあります。最初からムダな事業を自分たちで選び出し、行政刷新会議に“お土産”として差し出した予算案だったのではないだろうか?そして本当に隠したい事業や身内にウマミのある予算は民主党政権には手をつけさせない…。結局は財務省のみならず「全官庁がグル」なのでは?という疑惑です。狡猾な官僚組織のこと、このような「予算隠し」が行われたとしても、決して不思議ではないのです。
 
 エコノミストの中からは、「仕分け人のメンバーの中には民主党が掲げる“国民の生活が第一”という理念に反する人たちが多くいる」という指摘もあります。例えば川本裕子、翁百合、高橋進、土居丈朗といったエコノミストや大学教授は、消費税引き上げ推進派だったり、小泉・竹中(デタラメ)路線の賛同者でもあるのです。
 また亀井静香金融担当相が噛みついたように、どうして日本の財務の仕分けに、モルガン・スタンレー証券のロバート・フェルドマン部長という外国人が入っているのか?このことも疑問です。肝心の「仕分け人」の人選、大いに問題がありそうです。

 国民有権者は、「劇場型事業仕分け」が面白いからと、ただ手放しで礼賛したり拍手喝采するだけではなく、このような諸問題も見据えて、来年度以降の事業仕分けを冷静にチェックしていく必要がありそうです。

 (大場光太郎・記)

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速報 ! 市橋容疑者逮捕 !!

 英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22)死体遺棄容疑で、全国に指名手配中の市橋達也容疑者(30)が、10日午後8時過ぎ大阪府住之江警察署で逮捕されました。
 市橋は同日午後6時すぎ、フェリーで沖縄に向かうべく、大阪府住之江区内の大阪南港フェリーターミナルの待合室で一人で待っていました。6時45分頃「市橋によく似た男がいる」という会社からの通報を受け、2人の警察官が駆けつけ職務質問したところ、「自分は市橋です」と素直に答えたためその場で身柄を確保され、その後の逮捕となったものです。その際市橋は、「弁解することは何もありません。何も話したくありません」と言ったといいます。(「市橋逮捕」の号外も出されました。)

 ‘07年3月千葉県市川市内の市橋の自宅マンションから、数人の警察官の職務質問を振り切って素足のまま逃走してから960日(約2年半)。とうとうこの日を迎えたわけです。
 フェリー待合室での市橋は、グレーのニット帽を目深にかぶり、上下グレーのスエット姿で、サングラスをかけうつむき加減に席に座っていたそうです。

 逮捕後市橋容疑者は大阪駅から新幹線に乗り込み、日付が変わろうする深夜JR東京駅に到着、混乱を避けるため一般乗客を先に降し、市橋の乗っていた中ほどの12号車から車内を歩いて先頭の16号車まで移動。そこから車外に出た市橋は、すぐさま近くの駅構内エレベーターで降り、11日午前0時4分同駅日本橋口に待機していた警察車両に乗り込み、捜査本部が置かれている千葉県行徳警察署に移送されました。

 同日午前0時40分、市橋を乗せた車が行徳警察署に到着。折からの激しい雨の中、車を待ち構えていた夥しい報道陣が取り囲み、たちまちもみくちゃ状態、なかなか前に進めないほどでした。同車は警察署裏手に回り、午前0時46分市橋はようやく車から降り警察署内へと入っていきました。
 黒いフードで頭からすっぽり覆われ、顔かたちを確認することはできませんでした。

 市橋容疑者逮捕の報を受け、イギリス中部コベントリーにあるリンゼイさんの実家前でリンゼイさん一家が会見に応じました。その中で父親は、「逮捕の一報を受け、体が震えて何度も聞き直しました。私たちは警察と協力しながらここまできた。決してあきらめることはありませんでした。正義がなされると信じていましたから。家族にとって最良の日となりました。ようやく長い闘いが終わった」と応えていました。
 リンゼイさんご一家には心からの祝意を申し上げます。それとともに、だいぶ失墜していた日本警察の国際的信用も、今回の逮捕で少しは取り戻せるのかな?と思います。

 市橋容疑者整形後写真の公開を受けた、6日の当ブログ記事『市橋容疑者は生きてたの !?』の中で、「今回の整形の件で市橋容疑者は、自ら墓穴を掘った」「包囲網は確実に狭められ、逮捕にそう時間はかからないかもしれません」と述べました。結果はまさにこのとおりになったわけで、そう述べた以上、本来何の関係もない私もほっと一安心という感じです。
 それにしても、私は『もう名古屋市内から一歩も出られないだろう。逮捕は名古屋でだろう』と思っていました。しかしどっこい。同市内で先月24日に鼻の整形手術を受けてから、やすやすと同市を脱け出し、今月初めには福岡市内のネットカフェを利用していたというのです。

 そして今回は10日午後2時頃、神戸のフェリー港で「沖縄に行きたい」と申し込み、「ここから沖縄には行けません。大阪南港で申し込んでください」と言われて、午後6時頃同港へと。結局そこで身柄確保となったわけですが、新写真公開後の厳しい捜査網をかいくぐって、名古屋ー福岡ー神戸ー大阪…(沖縄)と、よくもまあ好き勝手に移動できたものです。
 
 岐阜県羽島市の医師の両親の子として生まれた市橋達也。子供の頃は運動神経抜群の目立つ子。小さい時は「礼儀正しい良い子でしたよ」という近所評なのに、高校生の頃から「独りよがり」が目立つように。卒業文集には(木嶋佳苗、上田美由紀など最近は事件のたびに「卒業文集」がよく紹介されること)「牙が欲しい。強い牙が。誰にかかっていっても折れることのない、知恵の牙が」と。「俺が俺が」「俺が一番でないと気がすまない」目立ちたがり屋に変わったと言います。
 しかし千葉大学卒業後は仕事に就かず、その日暮らし。どうも今回の事件を引き起こすきっかけとして、高校時代の変貌ぶりが鍵となるのかな?とも思われます。

 逃走後の一部の足取りが、通報情報により明らかになりました。市橋は大阪府茨城市内の建設会社に、土木作業員として働いていたというのです。この会社で働き始めたのは昨年8月19日。大阪市西成区の路上で、「自分を雇ってほしい」と売り込んだのだそうです。その時は既に今回公開された顔になっていたとのこと。
 「井上康介、大阪出身、32歳」と名乗り、以後1年2ヶ月もの長期間住み込みで。社員寮の市橋の部屋からは指紋も検出されました。
 その時の市橋は同僚が「あの子が市橋?あんなまじめな子が?」と評するほどの、最初は土木の経験はなさそうだったものの、とにかくまじめにこつこつ仕事をし、食事も風呂も一人で…という人物像。月手取り15万円。ほとんど浪費せず、腹巻に金をしまいこんで持ち歩くほどの倹約潜伏生活。ここで100万円ほど蓄えたものとみられています。(同社時、海外逃亡を考えていた時期もあったもようです。)

 しかし今年10月11日、何か異変を察知したのか、給料を受け取った後に姿をくらまし、2日後に既に報道されている福岡の美容整形外科を訪れ、「予約なしでは」と断られ同月24日に名古屋市内の病院で整形手術…と、ここで足取りがつながるわけです。
 なお同建設会社以前は、あまり足取りは掴めていないものの、大阪市北区の堂山町にある“ゲイタウン”や西成区の飛田新地に出入りしたいたという情報もあるようです。

 最後に、父親の市橋逮捕後のインタビューをー。
 「ほっとしました。これ以上逃げても、リンゼイさんのご家族も私たちも、ともに苦しい思いをするだけだった。(達也は)事件の全貌を明らかにし、法の裁きを受け、自分で罪を償ってほしい」。ご自宅玄関前で両親揃っての会見でした。お二人とも聡明そうな立派な顔立ちのお方で…。何で市橋達也は道を間違えてしまったのか。土木作業員の時に見せた、ひたむきな仕事ぶりを自分の天職の分野で発揮していれば、相当の社会貢献が出来た男だったろうに。

 (大場光太郎・記)

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薬物汚染の拡がりを憂う(28)

 合成麻薬MDMAの使用による麻薬取締法違反の罪に問われた押尾学被告(31)に対して、東京地裁は2日懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡しました。「5年」は執行猶予期間としては最長となります。

 【事件名】麻薬及び向精神薬取締法違反被告事件
 【被告人】押尾 学
 【宣告日】平成21年11月2日
 【主  文】懲役1年6月、5年間執行猶予
 以下井口修裁判長によって読み上げられた判決文(【量刑事由】)は、わずか4分の短いもの。しかしその内容は押尾被告への厳しい言葉で満ちたものでした。

 判決内容は、押尾被告が文字どおり麻薬常用者であると認定。2年前から最近まで、外国(アメリカ)でMDMAを複数回使用していたことを明示。その上で「麻薬施用者との交友関係が深く、麻薬に対する親和性が相当強い」と刑事責任の重さを強調するものでした。
 ただ前科がない上、率直に公訴事実を認めていることから、「一度は社会内で自分の力で更正する機会を与えるのが相当」と実刑を回避しました。

 押尾被告はMADAを「死亡した女性から渡された」と主張し、初公判で、女性(田中香織)に送った「来たらすぐいる?」というメールを「いる?」は押尾学の体のことで「薬ではない」と説明していました。同判決はそれらの供述に対して、「内容が不自然であり、およそ信じがたい」と、裁判所としての不信感を突きつけた形です。
 また同被告が薬物との断絶を誓ったことにも、酒井法子が夫高相被告と離婚するなど薬物の入手先と縁を切る決意を示しているのに対して、押尾の場合環境整備が十分に出来ているとは認めがたいと断じました。その結果「相当期間に渡って、再び違法薬物に手を出さないかどうか見守る必要がある」と厳しい注文をつけたものとなりました。

 法定上最長で「実刑の一歩手前」とも言える「5年の執行猶予」判決に、押尾学は「予想以上に厳しかったなあ」と周囲に洩らしたそうです。とは言えともかく、押尾は執行猶予の身となりました。
 今後の身の振り方について押尾は、日本を離れ、グリーンカード(永住権)を持っているとされる米国ロサンゼルスで「芸能活動を再開したい」との意向を関係者に明かしているそうです。しかし米国の入国審査に詳しい芸能関係者は、押尾は「2年前から米国内でMDMAを使用していた」と判決文の中で指摘された以上、「数年間は入国を認められない」との見方を示しています。

 また押尾は、保釈後から大手出版編集者と接触しており、半生、事件、裁判を振り返る著書の出版も計画していて、そこで反省の態度を示し「みそぎ」をする狙いで、年内発売の動きもありました。しかし今回の厳しい判決に加え、亡くなった田中香織さんに対する「保護責任者遺棄罪」での立件が濃厚になったことから、出版関係者はその計画を再検討し始めているとのことです。
 こうして押尾被告の次の焦点は、「もう一つの裁きを受けるのかどうか」に移りつつあります。既報のとおり警視庁捜査一課は、田中さんの死亡に到る経緯と押尾被告の行動に因果関係があったかどうか、現在は保護責任者遺棄の疑いで詰めの捜査を進めている段階と見られています。

 対して、一方の当事者だった田中さんの遺族のようすはどうでしょう。
 10月23日の初公判の時は、岐阜県から遺族4人で上京しました。その時母親は真っ先に、そもそもの管轄署である赤坂警察署を訪れ、「公判を傍聴したい」旨伝えたところ、同署員から「現場が混乱するといけないから行かないよう」強く釘をさされました。「いやそんなことはない。行くべきですよ」と勧めてくれたのは、田中さんが元勤務していた銀座のクラブ「ジュリア」の関係者たちでした。
 そこで当日一般傍聴券を求めて、田中さんの弟が長蛇の列に並び運良く1枚の傍聴券を入手、それを父親に譲ったという経緯だったようです。

 しかしその初公判法廷で、父親が目にし耳にしたことは何だったか?もちろん期待していた押尾被告の謝罪の言葉など一切なく、法廷内のやりとりは田中さんと押尾とのセックスの回数にまで及びました。また押尾が田中さんに送ったとされるメールの「来たらすぐいる?」に対する、田中さんからの「いる」という返事は、「MDMAが『いる』なのでは?」という検察官の執拗な追及に、押尾は彼自身の「体のこと」と主張して譲りませんでした。ここまではテレビなどでも報道されたところです。

 しかし実際はその後に、「それは○茎のことですか?」「はい」「すぐ○茎がほしいとのことですか?」「はい」と言うようなやり取りもあったようです。続いて「普通『いる』というのは物のことをいうのではないですか?」「人によってとらえかたは違う」「セックスは『やる』『する』というのではないですか?」「意味は一緒です」。こんな露骨なことを聞く方も聞く方なら、答える方も答える方と言うべきです。まさに「死人に口なし」とはこのことです。
 聞いていた父親は、『これじゃあ、娘があまりにもかわいそうだ』と思ったことは想像に難くありません。大変なショックを受けたようで、それが公判後の「何でもっと早く救急車を呼んでくれなかったのか」という、無念の叫びにつながったのかもしれません。
 
 それ以来遺族は、マスコミとの接触も極力避けるようになったとのこと。今判決に遺族の姿はありませんでした。それに対して母親は、「今回はあくまでも薬物に関する裁判で、娘との関係性を明らかにするものではないから」と上京しなかった理由を述べていますが、やはり初公判時のショックが相当あったのではないかと推測されます。
 押尾事件の真相究明には、遺族のそれを望む強い気持ちが不可欠です。田中香織さんの死をムダにしないためにも、ご遺族には強い意思を持ち続けていただきたいものです。

 遺族の「警察は本当のことを何も話してくれない」との訴えが報道されてから、国民の間にも一気に警察不信が広がりました。そもそも遺族が警察に対して不審を抱くようになったのは、司法解剖から戻ってきた田中香織さんの遺体を、霊安室などのきちんとした所ではなく路上で対面させ、まるで犬猫の死体でも扱うように「一刻も早く引き取ってもらいたい」と言わんばかりの対応をされてからだと言われています。
 
 加えて早々と「事件性なし」として事件の早期終結を図り、いっこうに捜査を進展させようとしない警察に業を煮やした遺族に、「こうなったら真相究明のために民事訴訟を起こしましょう」と勧めたのは、銀座のクラブ関係者でした。
 しかし早くから遺族の耳にも、この事件には大物政治家の息子(ありていに言えば森元総理の長男祐喜)が関与しているらしいとの情報が入っていて、一時は「それでは法廷で争ってもムダだな」とあきらめかけもしました。それに訴訟費用の工面もあり躊躇していた遺族に、「費用など私たちが何とかするから」と言って励ましてくれたのもクラブ関係者だったようです。

 これには、既報のとおり各方面からの圧力により事件の迷宮化を目論んでいた警察も、さすがに慌てたようです。この事件を法廷の場に持ち込まれれば、赤坂署と芸能界あるいは闇社会との癒着が白日の下にさらされかねないからです。それでやむなく重い腰を上げて捜査一課まで投入、再捜査に踏み切ったことを考えれば、遺族側の民事訴訟圧力は絶大なものがあったと言うべきです。
 ともあれ今日の状況では、もし仮に保護責任者遺棄罪で立件しなければ、もはや「世間が許さない」というほどにまでなっています。しかし押尾事件の「謎と闇」の深さからすれば、同立件は真相解明の端緒に過ぎないと見るべきです。 

 (大場光太郎・記) 

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薬物汚染の拡がりを憂う(27)

 「のりピー介護の道」にエールを送る

 のりピーこと酒井法子は26日の初公判の場で、「今後は介護を勉強し仕事にしていきたい」と言明しました。その時は『えっ?ホントかよ』と率直に思いました。初公判を注目していた多くの視聴者もそう思ったことでしょう。
 そんな素人の世間の風評はともかく。介護の現場を誰よりも知る専門家からも「介護を安直に考えてもらっては困る」「本当にのりピーに介護が出来るのか?」というような批判の声も多く挙がっているようです。
 今回は薬物問題はひとまず置いて、「のりピー介護の道」を少し考えてみたいと思います。

 覚せい剤、詐欺、窃盗などの刑事被告人が、裁判官に「今後どうするんですか?」と尋ねられた場合、「介護や福祉の仕事がしたいです」と答えるのは常套句のようです。たいがい弁護士がそう言うように勧めるのだとか。ですから裁判官はすっかり慣れっこになっていて、それを情状の判断材料にしないのが普通だと言われています。
 今回の酒井事件では、ことさら介護を強調しなくても「執行猶予3年」判決は確実とみられています。だから後は、「介護の道に進みたい」という酒井自身の本気度が試されるだけなのです。

 しかし酒井法子は意外にも本気のようです。11月9日執行猶予判決が出るのを待って、介護福祉士資格取得のための手続きを開始する方向のようなのです。群馬県高崎市にある「創造学園大学」の「ソーシャルワーク学部」に、願書を提出する手はずを整えつつあるというのです。同学部は、社会福祉や介護のスペシャリスト育成を目的とした学部で、現在約100人の学生が在籍しており、介護を専攻するコースもあるということです。

 酒井は同大学の通信教育プログラムを利用しての履修となるようです。同プログラムはスタートしたばかりで、利用している学生は十数名とまだ少ないのが実情のようです。同プログラムでは、卒業単位の大半は在宅受講が可能となります。英語、文学などの一般教養科目講義を、パソコンを通しての「eラーンニング」で受講出来るシステムです。卒業単位の残りは介護などの実習を伴う専門科目が中心で、この単位取得のため合計2週間程度東京校に通えば取得可能とのこと。
 これならマスコミに執拗に追いかけ回される心配も少なく、酒井としては願ってもない学習環境と言えそうです。

 同コースを卒業出来れば、4年制大学卒業資格と共に、介護関係の資格として准介護福祉士資格、介護福祉士国家試験受験資格が与えられるとのこと。
 同校を見つけてきたのは情状証人にもなったサンミュージックの相澤正久副社長で、既に同大学学長とも直接話をつけているようです。酒井がもともと人と接することが好きなことなどを考慮して、勧めたのだそうです。14歳から見守り続けてきた相澤氏の、「本当にまっとうに更正してくれよ」という親心がにじむような話です。
 大学側も酒井側の思惑と一致しているとみられます。というのも、同大学はここ数年入学者の減少で経営的に厳しい状況にあり、これが「のりピー入学」となれば宣伝効果は計り知れず、受験、入学希望者の大幅アップが期待出来るからです。

 酒井法子は、初公判を終えた26日夕方、8月3日未明の逃走劇以来久しぶりで都内南青山の自宅マンションに戻りました。同マンションは酒井名義になっており、近日中に継母の酒井智子と10歳の長男と新生活をスタートさせる予定のようです。
 思えば同マンションは、覚せい剤使用の舞台でもありました。しかし長男の学校生活を最優先に考え戻ってきたようです。ともかくここが新生のりピーの生活と学業の拠点となるわけです。

 ところで。亡母を6年余自宅介護した私の乏しい体験からしても、介護は本当に大変です。はっきり言って介護は3K(キツイ、キタナイ、キケン)の仕事の一つです。
 “下の世話”も喜んでしなければなりません。私の場合は「要介護5」で完全寝たきりの状態でしたから、かえって手がかからず楽な方でした。これが「要介護1~3」のまだ体が動くし歩けもする患者の扱いでは、手を焼くケースがけっこうあるようです。それに寝たきり老人は意外と重いのです。体位交換の場合など、けっこう体力も要求されます。さらに半ば痴呆状態にある患者が、介護者の目の前で自傷行為に及んだり、身近なモノを掴んで介護者に襲いかかる危険性が皆無とは言えません。

 超高齢化社会を迎えつつある我が国にあっては、さらに多くの介護従事者が必要とされています。しかし上記のような理由からなかなか人が集まらず、慢性的な人手不足状態です。その上3K仕事の割には賃金も安いのです。
 このような介護現場に日常的に生で接している関係者が、「のりピー介護の道」に批判的なのは当然なのです。とにかく介護の現場は、机上の空論が通用しない問題がどっさりあることを覚悟しなければなりません。要は実際の生きた介護体験を重ねて、一つ一つノウハウを蓄積していくしかないのです。

 ともあれ。そのようなことを十分覚悟した上での「のりピー介護の道」なら、大歓迎です。上に述べたように、介護従事者は慢性的に不足状態です。それが酒井法子が腹を決めて介護に従事し、立派に実績を積み上げていけば、世間の介護に対する見方が変わる可能性もあります。
 「私もオレも。介護の道に…」と殺到してくるかもしれません。それを見た厚労省も改めて介護対策を見直し、もっと働き甲斐のある賃金体系に組み直すことだって考えられます。

 もしそうなれば、今の社会が最も必要としている一分野での、絶大な「のりピー効果」と言うべきです。それはひとり介護分野にとどまらず、薬物から更正しようとしている者にも希望を与えます。のみならず、社会の広い範囲に好影響を及ぼす立派な“菩薩業”です。今回の薬物事件など完全にチャラになります。いや社会貢献の面から見れば、過去のそんな問題など取るに足らなく思われるほどの大貢献となることでしょう。
 酒井法子よ。虚名、虚像、幻影ばかりの芸能界へは、もう二度と戻るな。今後は介護一本で歩んで行ってくれ。悪女のりピーから聖女酒井法子への変身、変容だ。

 (大場光太郎・記)

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